58、借金返済が終わりました
橘 信司は喜んでいた。
2号店を買った借金返済が、期限より二ヶ月も早く終わりそうだったからだ。
「ロイ君に連絡しないといけませんね」
信司は1号店の店番をアレスに任せると、2号店に移動した。
「ロイ君、居ますか?」
「信司さん!? どうしたんですか!?」
驚いたロイが、店の奥から現れた。
「実は、借金返済が終わりそうです」
「え!? すごい!!」
ロイはそれを聞いて喜んだ。
「これでもう、名実ともに、2号店ですね」
ロイがそう言うと、信司は頷いた。
「はい、これでもうソード様達も安心して暮らせます」
信司はお客と遊んでいるソード立ちを眺めてにっこりと笑った。
「それでは、レックスさんの家に行ってきます」
「お気をつけて、信司さん」
信司はレックスの家に行った。
信司がレックスの家のドアをノックする。
レックスは昼間から酒を飲んでいたらしい。
赤い顔をして、ドアを開けた。
「なんだ、お前? 何のようだ?」
「借金を返しに来ました」
信司はそう言うと、脇に提げたカバンから金貨を出した。
「銀貨2000枚分ですから、金貨だと20枚ですね」
信司はそう言って、二十枚の金貨をレックスに渡し、店を譲るとした証書を取り出した。
「これにサインをお願いします」
「分かったよ」
レックスは大人しくサインをした。
「これで、もうあの店には手を出さないでください」
「ああ、猫なんてこりごりだ」
レックスの台詞に、信司はピリッとした空気を放った。
「それでは、これで」
「ああ、あばよ」
金貨を手に入れて、レックスは喜んでいた。
信司はレックスの家を後にすると、1号店に帰った。
「今日はお祝いに、猫様達用のケーキを作りましょう」
「ケーキですか?」
アレスが尋ねると信司は笑顔で頷いた。
「ジャガイモやカボチャ、ササミやかつおぶしに豆腐、ゼラチンで作ります」
信司はそう言って、台所に立った。
注文の合間を縫って、ボールに材料を入れ、器用に綺麗なデコレーションケーキを作った。
「それでは、このケーキを2号店に持って行きます」
「はい、行ってらっしゃい信司さん」
信司は急いで2号店に行った。
「ロイ君、猫様達にお祝いのケーキを作ってきました」
「信司さん、すごく美味しそうで可愛らしいケーキですね」
ロイは信司が取り出した、オレンジ色のケーキを見て驚いている。
「魚型のケーキなのですが、猫様は喜んでくださるでしょうか?」
「きっと喜びますよ」
ロイはそう言ってから、ケーキを皿の上に移し、床の上に置いた。
「ソード、シールド、ボーガン、おいで」
呼ばれた猫達は、ケーキをクンクン嗅いで、ちょっと舐めた。
そして、パクパクと食べ出した。
「美味しいみたいですね」
ロイはそう言って、信司を見た。
「ええ、気に入って頂けたようです」
信司は満足そうな笑みを浮かべている。
「それでは、1号店に戻ります」
「はい。ありがとうございました」
信司はウキウキとした足取りで、店に戻っていった。




