24、ぬいぐるみを作りました
橘 信司は眠たかった。
昨日遅くまで、猫たちのために小さなぬいぐるみを5つ作っていたからだった。
「ふぁー」
信司が大きなあくびをしていると、ドアが開いた。
「いらっしゃいませ」
「おう、どうした? ずいぶん眠そうじゃねえか?」
ラインとレインが入り口に立っていた。
信司は眠い目をこすり、いつものように入店時間を書いた紙を彼らの首にかけた。
「昨日の夜、ちょっと遅くまで作業していたもので」
「そうか。目のくまがひどいぞ」
レインの言葉に、信司は答えた。
「大丈夫です」
ラインとレインはいつものように、中央の席に着いた。
注文もいつもと同じパンケーキと紅茶だった。
「少々お待ちください」
信司は台所へ行った。
「おお、これが作ったぬいぐるみか。可愛いな」
「猫たちがじゃれてくるな」
ラインとレインは、信司の作ったぬいぐるみを手に、にゃんきちと遊んでいた。
「お待たせ致しました」
「ありがとう」
ラインとレインはパンケーキを食べ、紅茶を飲んだ。
信司はあくびをかみ殺していた。
「にゃーん」
「にゃんにゃん、どうしました?」
信司は足下に寄ってきたにゃんにゃんを撫でて、優しく問いかけた。
するとにゃんにゃんは、作ったばかりのぬいぐるみを持ってきた。
「投げてほしいのですか?」
「にゃーん」
信司がぬいぐるみを投げると、にゃんにゃんはそれを追いかけた。
そして、そのぬいぐるみに噛みついたり引っ掻いたりして遊んだ。
「ぬいぐるみは売らないのか?」
「申し訳ありませんが、非売品です」
ラインとレインは心残りと言った風だったが、店を出た。
信司は二人を見送ると、店の中に戻った。
「今日はしんどいですね・・・・・・。午後は休みにしましょうか」
信司は店の看板をCloseにした。
猫たちは新しいぬいぐるみに夢中だった。
「猫様達が喜んでくれて良かったです」
信司は店の隅で眠りについた。




