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俺が魔法少女ルナだ!  作者: みずきなな
第五話 魔界の王子と王女が俺を巡って壮絶なバトル?って何だこれ!
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バトルⅤ-Ⅰ

 魔界の王子テラ VS 魔界の王女ソル+魔法少女ルナ

 世紀の大決戦が今ここにはじまる!

 飛び交う魔法!飛び散る火花!

 はたして魔法少女ルナは圧倒敵な力を持つ魔界の王子テラを撃破できるのか!?

 なんて文面を入れるとすごくバトルものっぽいですよね。

 そんなこんなで第五話がスタートだ!

 ※謝罪。前記文章の中に、過大表現があります事を先にお詫び申し上げます。(何!?)


 ここは魔界の魔界の王子寺の居城。

 部屋数はゆうに1000を超えており、そのに在中する怪人は2000とも3000とも言われている。

 そしてここはそんな巨大な城の一室。

 落ち着いた灰色の石造りの壁と天井が重厚感をかもしだす。

 そしてその重い雰囲気とは対照的に青を基調とした豪華な家具が部屋中に配置されていた。

 部屋の中にはほのかに甘い香りが漂う。これは魔界特有のジャミラ草の花の匂い。

 そんな豪華で甘い香りが漂う部屋は魔界の第四王女ソルの部屋。


 部屋の雰囲気とはまったく異なり、そこではまさに大決戦が始まろうかとしていた。

 テラと対峙したソルは額から汗を流す。そしてほぼ裸に近い状態で鉄球を片手にジャラリと鎖を鳴らした。

 ズルズルと鎖を引きずり、テラの周囲をゆっくりと移動するソル。

 それをテラは不敵な笑みで見詰めていた。


 ってちょっと状況とか詳しく書くとすっごい真面目な小説に見えますよね?

 でもこの小説の主旨からちょっと外れてますのでここから普通?に戻ります。


【ソルよ?何故にお前がルナに手を貸すのだ?】

【私はルナ様を主と決めたのです。だから私はルナ様を守ります】


 気押しされながらも懸命に言い返すソル。


【何を言っている?主だと?ルナは敵だ。その敵を主だと?気でも狂ったのか?】


 内心ではちょっと焦りつつも冷静に対応するテラ。


【私にとって味方とか敵とか、そういうのは一切関係ありません!】

【何が関係ないだ!お前は魔界の王女なのだぞ?】

【何が王女ですか!私がいつ王女らしい事をさせてもらってますか?】

【確かに、お前は他の王女と違う。しかし、それでもお前は王女なのだぞ?】

【ですが!…】


 なんてソルとテラの言い合いはこの後も続いた。

 この物語の主人公であるルナは完全に放置状態である。


 そして…十八分後。


【私の力は魔界にとっては不要なものです!解っています!だから私は毎日、毎日、武器の管理しかさせてもらえない!こんなの嫌なのです!私はこういう生活から脱却したいのです!】


 そう言ってソルは鉄球を床へと置いた。

 軽々しくソルが持ち上げていた鉄球。しかし、床に置いただけで、《ズンッ!》と床が揺れる。それ程に重い鉄球だったらしい。


【ソルよ!お前はそれであっても魔界の王女には変わりないのだぞ?何度言わせるのだ。そして、お前の我がままで敵に寝返るなど許されるとでも思っているのか!】


 テラの責めるような言葉にソルの目からは大粒の涙がぼろぼろと溢れ始めた。

 そしてソルの中の何かが切れた。


【テラの…】


 ぷるぷる震えるソル。


【テラの!テラの馬鹿ぁぁぁぁ!】


 ソルは顔を真っ赤にして兄であるテラを呼び捨てにした!というか、口調が変わった。


【な、何が馬鹿だ!】


 おまけにテラまで口調が変わった!

 これが口調の連鎖反応!?(いや、そんなの無いよ?)


【私の気持ちを知ってるくせに!いっつもそういう事を言うんだもん!もうっ!やだやだ!】


 ダンダンと床を蹴って大泣きのソル。


【い、いや、だから泣くなくんじゃない。ほら、これで涙を拭け】


 テラは困った表情でハンカチを取り出すとソルに渡した。

 やっぱり何気に優しい一面があるんだなテラは…なんてルナは感心した。

 しかし…


【こんなものっ!】


 ソルはそれを奪い取ると《チーン!》っと鼻をかんでポイっと捨てた。


【ああっ!俺のハンカチが!高かったのに!】


 驚いた後に、悲しそうな顔をするテラ。


【いつもそうやって格好をつけて!格好良ければいいってもんじゃないんだから!】

【私は別に格好をつけてる訳じゃない!これが普段の私だ!】

【もう!もう!もう!】


 もはやハチャメチャなソル。王女の品格どこいった?


【ソル!落ち着けと言っているだろ?】

【私はルナ様に惚れたの!だからルナ様に一生ついていくって決めたの!邪魔しないでよ!】


 顔を真っ赤にして怒鳴るようにソルは自分の気持ちを訴えた。

 その言葉に焦るテラ。それはそうだ。テラもルナに惚れているのだから。

 ちなみにルナも焦っていた。


【だ、駄目だ!それは駄目だ!】


 テラはそう言い放つとソルを睨んだ。


【何で?何で駄目とか言うのよ!私が誰を好きになろうが勝手でしょ!】

【それは勝手だ!お前の恋愛にまで干渉しようなどこれっぽちしか思っていない!】


 これっぽっち思ってるんだ…


【でも駄目だっ!何故なら…お、俺が先にルナを好きになったからだ!もう既にプロポーズまで完了している!】


 テラはバッとマントを右手でひるがえしながら言い放った!

 ちょっと格好いいけど、言ってる台詞が最低だぞ!


 その一言に驚くソル。そしてその告白に真っ赤になるルナ。


「お…おい!さっきから俺を差し置いて何を好き勝手言ってやがる!」


【ルナは黙っていてくれ!】

【ルナ様は黙っててください!】


「いや、えっと…」


 何だこの疎外感!俺って何!?

 そして兄妹喧嘩?は続くのだった。

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