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破壊者は絆を断ち切らない  作者: 唐紅 那智
『闇色の巫女』
34/53

プロローグ2 旅路にて地理を語る

 第2部開始しました。

 スティライルは、大きな一つの大陸と、大小数個の島で構成されている。

 大陸…そのままスティライル大陸、と呼ばれているのが、ティアたちが今いる場所だ。

 ここは、大きな3つの半島が、北側で繋がった形をしている。

「昔、師匠には、『アサガオの葉を、少しいびつにしたような形だ』と説明されたんだが…生憎、オレはその『アサガオ』なる植物を見たことがないので、本当にそうなのかは判断しかねる。ここまでいいか?」

「はい、なんとか…」

 頭を捻るセフィの横で、ティアは落ちていた木の枝で、地面に書かれた簡易地図に文字を書き込みながら、続ける。

「3つの半島を、それぞれのある大体の場所から、北半島、中央半島、東半島と呼ぶ。ちなみに、一番広いのは中央半島だ。

 北半島全体が、そのままヘルブリーティアである。ここのはっきりしたことは、オレでもよくわからない。そして、北半島の付け根辺りが『名もなき大地』。オレが育った場所だ」

 北の半島に線を引いて区切り、名を入れる。

「中央大陸は、大きく4つに分けられる。付け根部分、先端部分、真ん中の西側、東側。

 付け根部分が、師匠の家のあるクラウンヴィーレ。

 先端部分が、宗教国家とも呼ばれる、神のおわす国、ノーヴィアレナ。

 真ん中西側が、最も広い国、エリエルリータ。

 東側が、これからオレたちが向かう国、リティレイス」

 中央の半島にも、同じく線と名前を書き入れる。

「東半島は、3つに分かれる。付け根、真ん中、先端。

 付け根が、さっきまでいた国、ファルマフォルク。

 真ん中が、『閉鎖国家』なんて呼ばれるほど、内情がわからない国、テュールハウト。

 先端が、目的地であるスフィルリオン」

 東の半島に書き入れたあと、最後に残った一つの島に丸をうつ。

「で、中央大陸と東大陸に挟まれた海に、幾つかの島が浮かんでいる。小国サイズの島が一つ、小さな島が幾つか。これら全部が、アクラルーシェっていう一つの国だ」

 そこまで一息で言って、ティアは大きく息を吐き出した。

「……ってわけだ。解ったか!?」

 心底疲れたように木の枝を放り出す。 

「ええと…大体は。

 それにしても、よく知ってますね、こんなこと。僕、中央半島にある国くらいしか知りませんでしたよ」

「まあ…普通、そうだな。オレは、その辺り一切合財、何から何まで師匠に叩き込まれたから」


 セフィはスフィルリオンの場所を知らなかったようで、歩き始めてすぐ、『で、これからどちらへ向かうんでしょう?』との一言。仕方ないと、道から少し外れた邪魔にならない場所に座り込んで、即席地理勉強会、と相成ったわけである。

「全く。師匠といる内に聞いてくれ、そういうことは。そうしたら、師匠が解説してくれただろうに…。オレは説明は苦手なんだよ」

(……いや、師匠のことだ。オレに説明させといて、後で点数でもつけてきかねない。なら、この方が良かったのか?)



「さて…流石にそろそろ行かないと、今晩は野宿になってしまうぞ」

「あ、もうそんな時間ですか?」

 二人は立ち上がる。マントについた土を払い、街道に出る。

「次の町、ってどこでしょう?」

「んー…多分そろそろリティレイスとの国境近くだと思うんだが…そうすると多分ラファルの町か?」

 遠くに見え始めた町を目指し、二人はまた歩き出した。



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