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希望  作者: もんじろう
8/11

8

 そう言ったジョンの姿が瞬時に、かき消えた。


 陽はすっかり落ちて、辺りは完全に暗くなっていた。


 見上げると夜空に満天の星が輝いている。


 この中にジョンの星もあるのだろうか?


 私は家の中に戻り、これからのことを考えた。




 翌日になっても私の視力は失われなかった。


 久しぶりの視力を私は堪能した。


 時間は過ぎ、夕方になった。


 夕陽が家を照らし始める。


 私は庭に出て、昔、父とそうしたように地平線に沈んでいく太陽を眺めた。


 それは言葉では言い表せない美しさだった。


 ジョンが正しければ、この景色は、もう二度と見られない。


 地球最後の落日だ。


 そう思うと私はセンチメンタルな気持ちになり、いつしか両眼から流れ出た涙が頬を濡らした。


 「やあ、マイク」


 ジョンの声がした。


 振り返ると、銀色に輝く彼の姿があった。


「泣いているのか?」


 ジョンの言葉に私は涙をぬぐった。


 返事はしなかった。


 認めてしまえば、もっと泣いてしまうに違いない。

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