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小説の投稿を習慣化するための単なる文字の塊シリーズ~内容?たぶんない~  作者: こうもりダーキー


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久しぶり ラジオ

 窓際に目をやると、ホコリを被った手回しラジオがあった。


 実家から送られてきたのはいいものの、結局は3回ぐらいしか聴いていなかったはずだ。


 スイッチを入れてAMを選択。


 丁度ピンポイントでどこかの放送局の電波を受信した。


 これまた偶然なことに懐かしのアニソンが流れていた。


 アニソンなどいつぶりだろうか。



 しばらくするとニュースに変わった。


 新聞もテレビもない生活なので、外がどうなっているのかを知れるのは本当にありがたい。


 無論スマホでネットサーフィンすればいくらでも情報を入手できるのかもしれない。


 ただ、自分で調べるとどうしても知識に偏りがでる。


 何より、ネット依存症にいつなってもおかしくないので、執筆以外ではなるべく使いたくない。



 せっかくなのでラジオ、より正確には手回しラジオの利点を考えてみた。




 まず、新聞と比較した場合。


 一つ目。


 当たり前だが、新聞をとろうとしたらお金がかかる。後にも書くが、これはテレビにも同じことが言える。


 その点、ラジオなら最初にかかる費用以外には一切の支払いが必要とされない。


 通常のものなら定期的に電池を購入しなければならないが、手回しなら手動で充電できるので電池の交換すらいらない。


 二つ目。


 新聞を読もうとするとどうしても広いスペースを確保しなければならない。


 机に置くなら他の小物類をよそにどかさなければならないし、どこにも置かないのであれば両手で持たなければならない。


 ラジオなら、片手で本体を持ってもう片方の手でハンドルを回せなければならないので、必然的にサイズは小さくなる。


 机にちょこんと乗せられるのでスペースを取ることもない。


 三つ目。


 中身を読む、という動作の性質上、新聞では並行して作業することができない。


 一応音楽や外国語のCDを聴くことは可能だが、逆に言えばそれしかできない。


 対して、ラジオの場合は今私がこうやって執筆しているように、料理、勉強、整理整頓などのようにながら作業に適している。



 では、次にテレビと比較した場合。


 一つ目。


 前述の通り、受信料や電気代等の料金がテレビには必要だ。


 二つ目。


 これは私だけかもしれないが、映像が流れているとついつい画面に目がいってしまい、集中ができない。


 いまいち液晶パネルはながら作業に向いていない。


 音声が流れるのはラジオにも同じことが言えるが、視線をそこに向けても映像もなければ何かしらの変化がある訳でもない。


 とくに気が散る要素がない。


 三つ目にスペース云々を書こうか迷ったが、よくよく考えてみたら今時ブラウン管のある家庭は珍しいかもしれない。


 薄型なら壁際に設置すればそれでいいし、空間の占有率も低めだ。



 ここまで書いておいてなんだが、私は別に新聞とテレビが嫌いな訳ではない。


 むしろ好きな方だし、メリットもきちんと存在する。


 一つずつ挙げるとするならば、新聞なら何度でも読み返せるし、テレビなら映像付きでより話の内容がわかりやすくなる。


 ただ、どこかで既に書いたかもしれないが、割とケチな性格な自分にはタダで情報が手に入るラジオが本当にありがたいのだ。




 「じゃあなんで今まで使ってこなかったのさ?」


 全くもってその通り。返す言葉もない。


 実は実家にいた頃FMで好きな番組があり、一人暮らしになるにあたりそこでも聴きたいと家族に話したことがあった。


 新しい環境に慣れてから数ヶ月後、ある日母から荷物が。


 中には日持ちのするお菓子やパックのご飯。そして手回しラジオが。


 急いで電話をかけ、感謝の言葉を伝えた。


 そして番組が放送される日を今か今かと待ち続けた。


 しかし……。


 残念ながら立地の関係か、あるいはそもそも放送範囲の地域に含まれていなかったからなのか。


 いくらチャンネルを回しても件の番組を聴くことはついぞ叶わなかった。


 しばらく試しても受信できたFM放送はほんの僅か。


 反対にAMはそれなりに多くの番組を聴くことができたが、当時の私にとっては至極どうでもいいことだった。


 好きな番組が聴けないんじゃ意味がない。


 少し不貞腐れながら窓際のちょっとしたスペースに手回しラジオをそっと置いた。


 以来、ラジオのことなどほとんど忘れかけていた。


 今回AMのスイッチを入れたのはほんの気まぐれだった。


 最近またダラダラとスマホを操作することが異様に多くなった。


 そこで代わりになる楽しみを何か見つけようとした時に偶々目に入ったのがそれだった。


 AMをきちんと聴いたのはこれが初めてだった。


 いつの間にかもう夜になっていた。


 随分と夢中になっていたようだ。


 指を動かさずに情報が得られるのは何と楽なことだろう。


 好きな音楽がいくつも流れていたのも嬉しかった。


 恐らくだが、明日もラジオを聴くに違いない。


 何せこんなに楽しいと感じられたのは久しぶりなのだから。



 実家ではテレビを見る時以外はラジオの電源は付けっぱなしだった。


 ながら聴きが当たり前の毎日。


 音楽が流れながらの勉強は僅かに気分が乗っていたような気がする。



 なるほど。


 楽しい、だけじゃなくて懐かしいのか。

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