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そう、私が現実逃避してた理由は、結婚相手だ。急な結婚でもいいんだけど、相手が駄目。姉の恋人であるリオン様だけは駄目。
「アオネリア様はリオン様のこと好きですよね。」
シェリーは不思議そうな顔して聞いてくる。
「ええ、姉様に会いに我が家に来たときも、気遣って私にまで声をかけてくれたり、お土産持ってきてくれたり優しい方よ。良い義兄になってくれると思ってたわ。」
あら、シェリーったら顔がひきつってるわ。私おかしなこと言った覚えないけど、どうしたのかしら。
「シェリー、どうし…」
「アオネリア様もうすぐ、リオン様のお宅、サンダール伯爵家に着きますわ。」
慌てたようなシェリーの声を聞いて窓の外を見ると、窓の外にはもうサンダール伯爵家が見えてるじゃない。どうしよう、現実逃避に一生懸命でこの先のこと考えてなかったわ。こうなったらあの手を使うしかないわ。
「シェリー、急に気分が悪くなってしまったわ。熱も出そうよ、このままでは迷惑になるから日を改め…」
「大変、急いでサンダール伯爵家に行きましょうね。」
シェリーめ、私の話打ち消したな。あれ、さっきよりも馬車が揺れてる。本当にスピード上げちゃったのかしら、やめて~。