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10話 神の洗礼

ワイはシェアハウスのオーナークラウディアにイングリッシュのレベルの低さを指摘されてしまう。シェアメイトのマツに相談すると、シティジャンクションのビルに無料で教えてくれるところがあると一緒に訪ねると、そこには衝撃的なコミュニティが。

ある日、シェアハウスでのこと。


「クラウディアさん、すいません、この毛布どうしたらいいですか」

「マァ!、イツノナノ?」

「えっと、冬に使っていたやつです」

「アズカリマス。ナンデイママデダサナカッタノ?」

「えっ? それは… すいません」

「シンジサンハアマリハナシカケテコナイネ」

「えっ、は、はい」

「ケイコヤマツハタクサンハナシカケテキタカライングリッシュガジョウズダワ」

「そうですか。すみません」


クラウディアはそういうと毛布を持って部屋に戻った。


10分後にマツが帰ってきた。


「おう、どーした」

「マツさん、いいイングリッシュ上達する方法ないですかね」

「どーした、急に」

「クラウディアさんから言われて」

「なるほど。そうだな。うーん、1つある」

「何ですか?」「ちょっと劇薬だが、シティジャンクションのある場所で教えてくれるんだ。俺はしばらく行ってないが、来週一緒に行ってみるか?」

「はいっ。お願いします」



翌週の水曜日


「よし、このビルの中だ」

「へぇ。ここですか」


市街地の商店街のような通りの雑居ビルの3階にマツと一緒に入っていった。


「どーも」


マツがドアを開けると、


「ハロー、オオ、マツサン、オヒサシブリデス。ゲンキデシタカ?」

「ああ、今日は友達連れてきた」

「スバラシイ」

「シンジです」

「ワタベデス。モトロンへヨウコソ」


部屋の奥に入っていくとピアノがあり、そこにはウェスタン人がスーツを着て4,5人いて、ワイのような私服のジャパニーズが7,8名いた。


「コレヲドウゾ」


ウェスタン人がジャパニーズ連中に何やら書かれている紙を配った。


「マツさん、これは?」

「賛美歌だよ」

「賛美歌?」


するとウェスタン人の1人がピアノを演奏し始めた。そしてそれに合わせて全員が歌を歌い始めた。ジャパニーズは紙を見て歌っている。


()()()()()()()()()()



歌い終わると、ウェスタン人の一人が


「ソレデハ、グループレッスンヲハジメマス」

「じゃあシンジ、俺たちはワタベと話そう。こっちだ」

「は、はい」


するとワタベというウェスタン人のところに行き、イングリッシュのグループレッスンが始まった。


「私はサーティーンアベニューのカラオケ店で働いてます。まだイングリッシュは上手く話せませんがよろしくお願いします」

「シンジサン、トテモジョウズデスヨ」

「シンジ、ワタベはウェスタンとジャパニーズのハーフなんだ。だから顔がイースタンっぽいんだよ」

「へぇ」

「ソレデハリスニングヲヤリマス」


ワタベが用紙を配布した。そこにはマンガが書かれていたが、なぜかセリフがない。


「アルヒショウネンハカジデカゾクヲナクシマシタ。タベルモノニモコマリ、ナイテイマシタ。ソコヘオオキナオトガナリマシタ。ショウネンハソト二デルトオオキナフクロ二パン、フルーツ、ヤサイガハイッテイマシタ」

「ふーん。なるほど」


マツが聞き入る。


「ツギノヒモ、マタツギノヒモオオキナオトガシテ、ソノアトフクロイッパイニショクリョウガアリマシタ。ショウネンハキニナッテ、オオキナオトガスルマエニソトニデマシタ。スルトオオキナオトガシタトキ二ソラカラカミサマがアラワレテ、ジメン二フクロヲオイテイマシタ。ソレカラショウネンハマイニチカミニイノリヲササゲテクラスヨウニナリマシタ」


「マツサン、カミヲドウオモイマスカ?」

「ああ、ホントにいたらいいだろうね」

「イマスヨ」

「あっそ。ふわぁ」


「シンジサンハドウオモイマスカ」

「えっ?、あの、ありがたいと思います」

「ヨロシケレバ、プライベートレッスン二キマセンカ」

「えっ、あっ、考えます」

「コレヲドウゾ」


ワタベはプライベートレッスンの案内を渡した。


「キョウハシュウリョウデス」

「帰るぞシンジ!」

「は、はい」


モトロン教の教会で神の洗礼を受けた気がする1日となった。



新たな洗礼を受けて、いよいよサーティーンアベニューの生活も佳境を迎えることになる。

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