適正解答
動物園では毎日のように、小さな子どもたちからの質問が届く。
キリンさんは何と鳴くんですか?
動物に関する色んな質問が、電話やハガキ、メールで届くのだ。
その話を聞いて、プロ野球の球団でも、似たようなサービスを始めることにした。
プロ野球のこと、球団のこと、選手のことについて、子どもたちからの質問に答えるのだ。
まずはハガキだけで、質問を受けつけてみる。
ただし最初は、「球団ファンクラブのお子さま会員」だけに限定した。いきなり無制限に受けつけると、大量のハガキに忙殺されるかもしれない。
とはいえ、いずれはサービスの範囲を拡大するつもりだ。その時を待っていてね、全国にいる野球好きの子どもたち。
さっそくファンクラブで告知してみると、たくさんのハガキが届いた。
基本的には、そのハガキを見たスタッフが、一人で答えを考えて、返事を書く。
だが、いくら子どもからの質問といっても、一筋縄ではいかないものもある。
そんな質問には、一人で答えを考えるのではなく、スタッフみんなで話し合うのだ。この質問の答えをどうしよう?
ある日、球団に一通のハガキが届いた。小学一年生の女の子からだ。
そのハガキに目を通したスタッフは、しばらく考えてから、
「これ、どうしましょう?」
同僚たちに相談する。
女の子からの質問は、「どうしたら、プロ野球選手と結婚できますか?」というもの。
これに対して、どう答えればいいのか。
あまり深く考えずに、「もっと大きくなったらね」とか「大好きなプロ野球選手を応援し続けたらね」とか、そういった答えで、お茶を濁すという手もある。
でも、それで本当にいいのだろうか。この子にとっては、真剣な質問なのに・・・・・・。
スタッフたちは上司に相談してみる。
「なるほど」
そう言うと上司は、どこかに電話をかけて、何やら相手と話している。
数分して受話器を置くと、
「はい、この件はもう大丈夫。他にも困ったことがあったら、気兼ねなく相談してね」
あっさり言ってくるが、スタッフたちは理解が追いつかない。
「どこに電話をかけたんですか?」
にっこりして上司が告げてきたのは、ある選手の名前だった。その奥さんに直接、頼んだという。
「だから、もう大丈夫。プロ野球選手と結婚した実例として、自分の体験を教えてくれるって。それを答えにすれば、問題ないでしょ」
次回は「専門学校」のお話です。




