変化②
休み時間毎に女子が僕を囲む。
昼休み当たりから徐々に男子も混じってきていた。
いろいろなことを訊かれた気がするが、僕は
「ん。」
とか、
「いや。」
しか言わなかった。
これで興味を失ってくれないかと思ったが、
クールビューティだとか余計騒がれるだけだった。
今日は灯と会っていない。
別に寂しいというわけではないが、日常が180度変わりすぎてなんだか違和感があった。
やっと一日が終わる。
たくさんの一緒に帰ろうという誘いを断り、やっと1人になる。
今日はなんだかとても疲れた。
「陽、すごい人気だったね。」
後ろから声がした。
僕のことを『陽』と呼ぶのは、灯だけだ。
「もう、うんざりだ。」
僕の言葉に灯はふふっと笑う。
「どうして」
「え?」
灯がびっくりしたような顔をする。
「どうして今日は僕のところにこなかったんだ?」
自分でもこんなことを言うとはびっくりだ。
「だってさ。せっかく陽がみんなに話しかけられてるのに、それを邪魔したらかわいそうじゃん。友達ができるチャンスなのに。」
「それは…灯の勝手な解釈だろ。
僕は別に友達なんかいなくてもいいし、むしろああいうのはウザいんだよ。僕には……」
僕には、灯さえいてくれればいい。
そう思った。
びっくりした。
びっくりして、ことばにできなかった。
灯は続きは?とでも言いたそうな顔をしていた。しかし、僕が続きを言うつもりがないとわかると、自分から口を開いた。
「あーあ。昨日は前髪切って良かったと思ったんだけど、やっぱ切らなきゃ良かったかなぁ。なんか、陽機嫌悪いし。……今日一日陽と話せなくて寂しかったし。」
「え…?」
最後の一言に耳をうたがった。
灯が、寂しい?
確かに最近は僕につきっきりだったけど、灯は僕と違って友達多いのに?
僕が呆然としていると、灯がしまったというような顔をする。
「いやっ…あの…これは、ちっ、違くて…
その……ごめんっ」
弁解をしようとしたらしいが、上手くできなく、顔を真っ赤にして教室を去ってしまった。
僕は弁解じゃなくて、真実が知りたかったよ




