11話 全ての裏に隠された真実
「...これで、ペン回しをし続けた男の物語は終わりかあ...まさか登場人物がみんな未練のある死に方をするとは、中々驚いたね。」
...ああ自己紹介が遅れたね。
僕の名はPP。
神だよ。
この物語の話し手さ。
1番最初に、今から語ると言っただろう。
それが僕ってわけ。
あと、さくに使命を言い渡した神と名乗る男も僕さ。
にしても、みんな本当に哀れだなあ。
さくとかには、他の者を守るために、自らの破滅を選び、何も知らぬ男ルンルは彼らの破滅に巻き込まれた。
3人とも、本当は幸せな人生を過ごせたはずなのに、使命の為にその人生を壊された。
本当に可哀想だ。
僕が言った使命は全て嘘なのに。
そう、僕は嘘を言ったのだ。
10億回ペン回しをしないと国民全員が死ぬと言うのは完全なる嘘だ。
なぜそんな嘘をついたかというと、僕が退屈だったからだ。
僕は長い間神として、時代、場所、ましてや世界そのものまでを変えて、様々な者の人生を見てきた。
だが、それは退屈だった。
困難を乗り越えて幸せになって死ぬ者、ずっと幸せのまま死ぬ者、ずっと不幸のまま死ぬ者などなど、それらはどれも単調で、予想の出来るものばかりであった。
僕は刺激を求めていた。
そこで思いついたんだよ。
僕が悪戯すればいいんだってね。
だから今回はたまたま見かけたさくに、ちょっと悪戯をしてみたんだよ。
嘘という形でね。
それからのさくとかにの決断と行動には驚かされたよ。
まず私はさくが、使命をするかしないかのどちらを選ぶかに目をつけた。
さくが使命をしないことを選べば、この物語はこれで終わりだった。
勿論、それ以上悪戯をする気は全くなかった。
それ以上したら、悪戯を超えて攻撃になるからね。
だけど、さくはそこで使命を果たす道を選んだんだ。
自らの人生の破滅をもたらすことを分かっていながらね。
かにも同様に使命の達成のため、他人の為に自身の人生を破滅させた。
そればかりか、罪の無い男ルンルまでもを殺したのである。
他者をも巻き込む自己犠牲の姿には言葉が出なかったよ。
だが、それら全てが勘違いだったんだよ。
別にさくは英雄でも何でも無い。
彼がペン回しに人生を捧げようが捧げまいが、国民は生き続けた。
かにが必死に使命を隠そうとした事にも全く意味は無かった。
僕は最初からかにが使命を知ってしまったことを、知っていた。
その使命の情報が漏れようが漏れまいが、私は何もしないつもりだった。
彼が必死に耐えた30年も、自死も、ルンル殺害も全て意味がなかったのである。
僕がした悪戯が彼らの人生をこれほどまでに狂わせたのだ。
「いやー今回は大成功だったなあ。初めてこんな面白いものを見たよ。途中計算を間違えて使命を簡単にし過ぎたことに気付いたときは焦ったけど、何とかカバー出来て良かったよ。じゃあ、次はどんな悪戯しようかなあ〜」
僕はまた悪戯の構成を練る。
この、ペン回しをし続けた男の物語は、この僕の物語のほんの序章に過ぎない。
僕の物語は、まだ始まったばかりなのだ。
これで第1章終了となります。まだ第2章の構成を全く考えていないので、第2章の投稿が始まるのはおそらく2、3週間後だと思います。今回の物語が少しでも面白いと思ったら、ブックマーク保存、評価してもらえると本当に嬉しいです!




