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最終話 これから

ガイルの墓の前で立ち尽くすレインたち。四人の間に流れる沈黙は、過ぎ去った時間の重さを感じさせるものだった。


「俺たち、本当にガイルのことを何も知らなかったんだな。」


レインが静かに口を開く。その声には疲労と、何か深い悔恨が混じっていた。剣を握りしめるその手は、微かに震えている。


「でも、だからって、これで終わりじゃない。」


ミカが、少し硬い表情で言葉を続ける。彼女は地面を蹴るように一歩前に出ると、墓に向かって鋭い視線を向けた。


「ガイルがどう思っていたかなんて、もうどうしようもない。でも私たちは、これからどうするかを選べる。」


彼女の言葉に、セリナが小さく頷いた。目を閉じ、記憶の中でこれまでの冒険の日々を辿るように、静かに呼吸を整える。


「そうね。アイツが私たちに抱いていた気持ちがどんなものであれ、私たちには関係ないし知りたくもないわ。でも、あの街や多くの人を救ったのは事実。アイツが何を考えてたにしても、それを無駄にしないためにも、私たちは前を向いて進むべきよ。」


リーナはその言葉を聞きながら、手に持っていた小さな花束を墓前にそっと置いた。彼女の瞳には涙が浮かんでいたが、それでも微笑みを絶やさなかった。


「ガイル、私たちがあなたにしたことは当然許されることではないけれど、あなたのお陰で気づけたことがある気がするの。」


レインはその言葉に応えるように頷く。そしてゆっくりと、墓前に手を合わせた。


「ガイル、もしまた出会うことがあったら、次はもう一度、一緒に笑い合える関係になりたい。」


レインの呟きに、風がそっと木々を揺らした。その音は、まるでガイルが応えているかのようだった。



―――。



その後、蒼銀の翼の一行は、ガイルの遺品を森の一角に埋めた。彼が遺した神器と鎧は地下深くに封印され、使用されることはなかった。


ガイルが救った街の住民たちは、彼がもたらした恩恵と、彼が背負った過去を知り、悲しみと感謝の入り混じった感情を抱くことになった。彼の名は、英雄としてその小さな街で語り継がれることになった。


レインたちが助けた少女――エリスは、カーヴァインの診療所で治療を受けた。彼女は最初、怯えた様子で誰とも話そうとしなかったが、リーナが根気よく寄り添い、少しずつ心を開いていった。


「私、どうして助けられたの?」


ある日、エリスはリーナにそう問いかけた。その声には、まだ消えない不安が滲んでいた。


「それはね、エリスちゃんが大きな使命を持っているからよ。」


リーナは優しく微笑みながら答えた。その言葉にエリスは目を丸くし、やがて小さく頷いた。


「大きな…使命…。」



―――。



それから数か月後。


レインたちは新たな冒険のために旅立つ準備を整えていた。彼らの心には、それぞれの決意が刻まれていた。


「準備はできた?」


セリナが微笑みながら問いかける。その目は、新たな冒険への期待と緊張に輝いていた。


「もちろん。」


ミカが矢筒を背負い直しながら答える。その姿には、以前よりも力強さが感じられた。彼女はエリスに別れ際、小さな木彫りの矢を手渡していた。


※※※


「これ、お守り。私が作ったやつだけど、守り神みたいなもんだと思って。」


エリスはその矢を握りしめ、「ありがとう」と静かに微笑んだ。


リーナも頷き、明るい笑顔を見せた。旅の間、エリスと一緒に笑い、泣き、そして絆を深めた日々が思い出される。


※※※


「ガイル、お前のこと絶対に忘れない。お前のお陰で、俺たちは変われたんだ。」


レインは仲間たちを見回し、静かに笑みを浮かべた。


「そうだな。次の冒険では、もっと多くの人を救えるように頑張ろう。」


彼の心の中には、ガイルへの感謝と、仲間たちへの期待が混ざり合っていた。


一行は再び旅立つ。


青空の下、彼らの背中は確かに未来へと向かっていた。


――それが、彼らが選んだ新たな始まりだった。






その後、『蒼銀の翼』は世界中で活躍する冒険者パーティーとなった。

旅で訪れる先々の国や街で人助けをし、彼らもガイルと同じく『英雄』や『勇者』と囁かれるようになった――。



――数年、彼らは冒険者を続けた。

救った人々の数は数えきれないが、きちんと彼らの心に刻まれている。


しかし、彼らの最期の瞬間は誰にも知られることはなかった。

『英雄』や『勇者』を名乗ると、必ずと言っていいほどぶち当たる大きな壁がある。


それは―――六星魔王である。


彼らは、ある国王から『勇者』として六星魔王の一人『畜生道(ビーストルーン)のヴァルガルン』の討伐を任命され、多くの人々に見送られながらヴァルガルンの下へと旅立った。



そこで、『蒼銀の翼』は全滅した――。


しかし、彼らには残したものがある。

かつて、彼らを変えることになった『あの戦い』で救った一人の少女――エリスだ。


エリスはレインたちと別れた後、カーヴァインにある魔法学園に入学し、そこで魔法の才能を開花させる。


彼女が努力する理由は『二人の恩人』によるものだ。

違法な奴隷商売のせいで、死に体となっていたところを救ってくれた英雄ガイル。

その英雄の凶行を止め、その後も真摯になって自分を救ってくれた勇者レイン。


彼らの意志を継ぎ、エリスは強くなる――。


エリスは魔法学園を卒業後、冒険者の道を歩むこととなる。そこで出会う仲間や冒険とともに、彼女はさらに強くなる。


彼女がこれからどう生きるのか、それは誰にも分からない。


分からないほうが、きっと楽しいから――。

なんとなくで始めた短編なので、ストーリーやキャラクターの心情がおかしな点が多くございますが許してください。

神器の説明とかガイルが歩んできたストーリーをもっと描写すればよかったなと今になって思っております。まぁそこらへんはPCが直ったら修正を入れる予定です!



この物語を語れるのはここまでですが、恩人たちが残した意志はしっかりとエリスに受け継がれているはずです。彼女がこれから経験する困難や試練はきっと、いつか何かの役に立つと思います。


とりあえず、完結です。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
果たしてガイルをどう処するべきだったか 穏便に街の酒場のブリーフィングを行いそこで追放を宣言し三行半を突き付け別れるか 過激に見殺しどころか確実にトドメを刺して消えてもらうか だが、どういう経緯であ…
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