第58話 合流までの道のり1
ラル視点、仲間視点に分かれてます。
でかいレンガ造りの建物から出て、俺たちは俺が飛んできた方角に向かって歩き始めた。
「このまま真っ直ぐ歩いていれば合流できるはずだよな・・・」
「結構遠くから飛んできていたんですねぇ・・・」
そのまましばらく歩くと、広い川があった。
「橋がないか・・・泳いでいく方がいいかな?」
「いえ、その必要はありませんよ?」
ルミがそう言い、彼女が川の水面に足を乗せると、川の表面がたちまち凍り付いた。
「凍らせればいいんですよ」
「うわ・・すごいな」
ここまで雪女の力がすごいとは・・・。ん?待てよ?氷系の魔法、タマモの炎の妖術、カルミアの水の魔法・・・うまいこと組み合わせればあの問題が解決するのでは・・・?
ふと、そんな考えが思いついたがまずはみんなと合流するのが先だと思い、歩みを進めるのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ぬぬぬううう・・・このまま前進でいいです!!」
ソティス達は今、森の中に入ったため木々が邪魔で、ややまっすぐ歩けない状況であった。
そこで思いついたのがミウを使う事である。彼女は自身の勘でラルのところまでたどり着いた。ならば、彼女の力ならラルの場所が分かるのではないかと。
「一体どうやってわかっているんですか?」
「あてずっぽうのようにしか見えないがのぅ」
「これぞ!私のお兄様への愛です!!兄妹の絆です!!それによって起きる奇跡なんです!!」
ソティス達の質問にミウは自信満々に答えた。
「そういえば、魔剣の場合正当な所持者の位置がわかると学な、聞いたことがある。それなのでは?」
「今何か言いかけませんでいたか?」
「気のせい・・」
タマモが何を言いかけたかはさておき、つまり、ミウの正当な所持者はラルということになる。
「一応今私はタマモに所持されていますが、正当な所持者はお兄様と心から決めているんですよ」
「ということは、ミウ、お主魔剣じゃよね。にしてはなんかそれらしくもないような」
「なんかこう、炎が出る魔剣とか、そういったイメージがあるんですよね」
「空を飛ぶ魔剣・・・なんか違うような気がする」
「それは私自身も思うんですよね・・・自分で自分の能力がいまいち把握できていないんですよね・・」
ミウ自身、転生したての状態である。ラルと同様に自身の体・・剣の状態をわかっていないのだ。この魔剣はまだ別の能力があるが、それを知るのは後日である。
「でも、なーんかこう、ライバルが増えたって感じなんですよね」
「そうじゃな」
「鬼神様、また女の子と仲良くなったのかな?」
「お兄様は昔から自分が女の子にもてていたなんて気づいていなかったですからねぇ。今回もきっとそういった感じですよきっと」
とりあえず、ラルに会えたら抱き着こうと全員が思ったのであった。我こそ先にという勢いで。
こういう二つの話を同じところに入れるのは結構大変。




