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SIDE 女神のマテラス

神々だって苦労はしているんですよ。

『ふうっ、これで本日の仕事は終了ですね』


 ラルが盗賊の財宝からソティスを見つけ出したころ、神界と呼ばれる神が仕事している世界にてラルを鬼神として転生した女神のマテラスが今日の仕事をやっと終えたころだった。


 神々の仕事は主に、管理している世界の調整、死んだ人の魂をどこに送るか、転生させるか否か、魔王と勇者を出現させて人間たちの動きを観察するかなどがある。


 今のところ、ラルがいる世界ではまだまだ魔王や勇者を出す予定はなかった。


『それにしても、またあの上司の神々(バカ騒ぎが好きな奴ら)がこんなに仕事を押し付けてくるなんてひどいですよ!!』


本来なら自分の管轄下ではないことまで押し付けられてきたことに女神のマテラスはない胸を張って怒った。


 しかし、女神のマテラスは上司の神々(バカ騒ぎが好きな奴ら)に比べて力が余りないので実力では完全に負けていた。


上司の神々(バカ騒ぎが好きな奴ら)に一泡吹かせたいのに』


 彼女にはその計画はあった。ラルを使って上司の神々(バカ騒ぎが好きな奴ら)と戦わせて懲らしめるという方法だ。


 ラルは鬼神、つまり、神々の中でもトップクラスの力を持っていることになる。成長すれば神々を殺害することさえ可能だ。だが、ラル自身には知られていない。神が神を殺せる事実は元人間には伝えるべきではないといわれているからだ。


 そのため、万が一知られても大丈夫そうなやつを選考してラルを鬼神にしたという理由でもある。


『このままいくと今いる国の首都に行きますね・・・・そこで彼を成長させる一計でも考えましょうかね?』


 ラル自身は自由にしていたいのを女神はわかっている。だが、あの上司の神々(バカ騒ぎが好きな奴ら)を懲らしめたい自分としては何とかして上司の神々(バカ騒ぎが好きな奴ら)と戦わせたいところ。


『魔剣があるようですね・・・呪われているようなものが多いですし、これを利用しましょうかね?』

『失礼いたします女神さま!』


 自分より下の下級神が自分のところに来た。


『どうかしたのかしら?』

『この前、女神さまが鬼神に転生させた元人間がいましたよね。あの人間の妹の魂がこちらに回されまして、それをお伝えに参りました』

『あれ?彼の妹って確かまだ高1か2じゃなかったかしら?死ぬには早いのでは?』

『3女の方で高1なのはあっていますが、どうやら父親に無理心中を図られて死んだそうです。長女と次女は助かり、夫人も助かりましたが、その父親と3女だけが死にました。父親の方は元の世界の日本の地獄域決定ですが、3女の方はその・・・』

『もしかしてだけれども上司の神々(バカ騒ぎが好きな奴ら)がこちらに転生させるようにと』

『その通りであります!今ここにその魂が運ばれるので少し待機してくださいということです!ではこれにて!』


 下級神が出て行ったあと、女神は思いっきりため息をついた。また仕事が増えたと・・・。


『ん?でも、この妹って何か親近感がわくわね』


 手元にその妹に関しての情報がすぐに届き、内容と生前の写真を見ると女神は思った。なぜなら自分と同じようなもの(胸がない者)だったからだ。


 少し待つと、そこに魂が転送されてきた。


「え、あれ?ここってどこ?」

『・・・気が付いたようですね』

「え!だれこの女のひと!?」


 ラルの時には失敗した自分に対して尊重するようにするつもりだった。


『私は女神マテラス。あなたは篠崎 美海(しのざき みう)ですよね』

「はい、私の名前は確かにそうなんですけど・・・・って女神さま!?」


 なんか新鮮味を感じる反応だなぁ・・・。


『ええ、そしてあなたは死んでいます。あなたは父親に殺されてその生を終えたのですよ』

「女神さま!そんなことよりここが死後の世界ならお兄様はここにいるんですか!!」

『ん?あれ、自分が死んでしまったことはどうでもいいんですか?』

「どうせ生きていてもお兄様がいないので無意味です!!それよりお兄様はいるのですか!!」


 三女はどうやら極度のブラコンらしいと情報にはありましたが・・・・。


『落ち着いてください。あなたの兄さんは今、異世界に鬼神として転生いたしましたのでここにはいませんよ。姿も変わっていますし、名前もラルと改めてますよ』

「だったらお兄様のいる世界に私も転生させてください!!別にチートなどはいりませんので一刻も早く!!」


 すごい剣幕である。


『えっと、とりあえず落ち着いてください。あなたを転生させるには二通りあります。人間として転生するか、人間以外のものになるかです』

「はっ!すいません、取り乱してました・・・。それで、それには何か違いがありますか?」

『人間としてなら赤ちゃんから、人間以外としてなら今の姿と年齢をもとに、別の生物としても転生できます。鬼神としては無理ですね』

「そんな・・・鬼神兄妹みたいなことやった見たかったのに・・・でも、転生ってことは血のつながりもなくなるんですよね!!」

『え、ええ、そうですが』

「でしたら寿命なんかも考えて人間以外の方でお願いいたします!!」


 なんかものすごい子ですね・・・・。ここまで兄を思うとは。


『では、今可能なものは・・・・剣の精霊ですね。しかも魔剣』


 今可能な転生先がとんでもないんですが。この魔剣、下手したら魔王も扱うクラスなんじゃ・・・・。まあ、いっか。


「でしたらそれでお願いいたします!!お兄様に使われるよう魔剣なんてすばらしすぎるでしょ!!」

『ですが、あなたの兄さんがこの魔剣を手に取るかはわ狩りませんが・・・』

「自分で動けるなら自力でたどり着きます!!」


 こうして、この妹は魔剣となり、作られた際に呪いがかかり、ラルと戦った呪いの巨人の一部となってしまっていたのはまた別のお話・・・・。




この妹の魔剣、どこで出てきているかはわかりますかね?また出てきますよ。

兄を探して3千里・・・は言い過ぎかな。

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