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世界は大根に満ちている  作者: 紅月モネ


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1/7

わたくし、何かしてしまいましたか?

AIことぴーちゃんとの会話で生まれた小説です。




目が覚めると、わたくしはベッドの上にいた。


ふかふかの布団。

まるい窓。

壁には、どんぐりのリース。


そして、鏡に映っているのは、白くて丸い、耳の長い生き物だった。


「……は?」


記憶がある。


わたくし、昨日まで日本の会社員だったはず。


残業して、帰宅して、コンビニで値引きのおにぎりを買って、ベッドに倒れ込んで。


そして目が覚めたら、これである。


「お嬢様! お目覚めになりましたか!」


部屋に飛び込んできたのは、黒いベストを着た猫だ。


「お嬢様、婚約破棄の件ですが……」


「婚約破棄?」


「はい! 第一王子殿下が、聖女様とご結婚なさるそうです!」


なるほど。


わたくしは理解した。


これは異世界転生。

しかも悪役令嬢。


前世で読んだ小説の内容が、脳裏に蘇る。


傲慢な悪役令嬢。

いじめられる聖女。

婚約破棄。

断罪。

国外追放。


そして、追放先でスローライフ。


……悪くない。


むしろ、残業がないなら大歓迎である。


「わかりましたわ。」


「お嬢様!? よろしいのですか!?」


「ええ。ところで、国外追放はいつですの?」


「えっ」


「追放先は、できれば人の少ない場所がよろしいですわね。静かなところで、畑でも耕して暮らしたいの。」


侍女は泣いた。


なぜ泣く。


わたくしは、これからの人生設計をしているだけなのに。


その日の午後。


王城の大広間にて、断罪イベントが開催された。


第一王子。

聖女。

貴族たち。

そして、なぜか大量の丸く白い小動物。


「悪役令嬢! 貴様との婚約を破棄する!」


第一王子が叫んだ。


「承知いたしましたわ。」


「なっ!?」


「それで、追放先はどちらになりますの?」


「えっ?」


「できれば水場の近くがいいですわ。あと、家賃がかからないところで、、、」


ざわつく会場。


聖女が震えながら口を開いた。


「お、お待ちください! この方は、わたくしをいじめて……」


「いじめておりませんわ。」


「わ、わたくしのおやつを……!」


「それはあなたが廊下に落としたビスケットですわ。拾っておきましたの。」


「拾って食べたんですぅぅぅ!」


「三秒ルールですわ。」


「この世界にそんなルールはありません!」


「では今、制定いたしましたわ。」


大臣が倒れた。


第一王子が顔を真っ赤にして剣を抜いた。


「もうよい! 貴様を処刑してくれる!」


あら。


これは予定外。


わたくしは、仕方なく右手を上げた。


「では、少しだけ、、、」


指先から、金色の光が漏れた。


次の瞬間。


王城が、消えた。


正確には、王城があった場所に、巨大などんぐりがひとつ転がっていた。


静寂。


遠くで鳥が鳴いた。


わたくしは首をかしげた。


「……あら?」


ステータス画面が浮かび上がる。


【固有スキル:世界再構築】


【効果:あなたが不要だと思ったものを、世界から取り除きます】


【現在の対象:王城】


【処理完了】


「まあ」


わたくしは微笑んだ。


「お掃除が楽になりましたわね。」


誰も返事をしなかった。


その場にいた全員が、巨大などんぐりを見つめていた。


やがて、第一王子が震える声で尋ねた。


「お、お前……いったい何者なんだ……?」


わたくしは、優雅にスカートの裾をつまんだ。


「ただの悪役令嬢ですわ。」


そして、ふと思い出した。


「あっ、、、」


「な、なんだ!?」


「王城に置いてきた荷物がございますわ。」


全員が息をのんだ。


わたくしは右手を振った。


巨大などんぐりが消えた。


代わりに王城が元の場所に戻ってきた。


ただし、建物の外壁はすべてピンク色になり、屋根には巨大なリボンがついていた。


「……」


「……」


「……まあ、かわいらしい、、、」


わたくしは満足した。


その日、王国の歴史書には、こう記された。


『悪役令嬢、王城を消滅させ、復元する。なお、復元後の王城は非常にかわいらしい外観となった。』


そして、その下に小さく追記された。


『王子殿下はリボンを外そうとして三日間泣いた』

大根が登場していないだと???

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