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屑、長靴を脱ぐ

あー…あと書き忘れてたけど、このメモをあなたが見た時には私か歌蟹(うたかに) 立花(りっか)のどっちかは死んでいる。)っと…はは、なんかミステリーっぽいな」


長靴を履いた私はカッパを着てホームセンターに向かった。

(ナイフだけ買うカッパ男は不審者だな…)


包丁とまな板を買った私は家に戻った、それでも変な目で見られたので俺が小学校で不審者呼ばわりするのも遠くないようだ。


とりあえずまな板で高めの肉を半分に切ってご飯と食べた。レンチンの米パック。久しぶりに料理をしたな、これも配信すればよかった…


完食後私は寝た、いつものように猫谷あおいとして配信をつけてゲームしたり話したりして何も変わらない1日を過ごした。


「じゃ、みんなおつにゃー」


きちんと配信は切る。ダブルチェック、ここをあまえたら今までの配信が全部パーになる。


じゃない、何をやっているんだ。


「あー…私はいつもこうだなあ、したい事をすぐに忘れてしまうなあ…そうだ歌蟹 立花を殺すんだった」


とにかくすぐ行動だ


「まずは計画を立てないとなあ…一人で殺すって難易度高いなあ…仲間…って言っても人脈ないし、はあ、立花さんの配信でも見て情報収集するかあ…」


(今日も配信してないなあ…)


アーカイブを確認するとネットリテラシーはしっかりしており、個人情報を聞こうと意識すればするほど彼女のネットリテラシーがよくわかる。


作戦変更だ。とにかく仲間を見つけよう。

----------------

それから1週間彼女のアンチ…ではなく熱心なファンに声をかけまくった。いわゆる追っかけとか前世を知りたい奴ら、まあキモオタ共だ「最近配信してない立花ちゃんにプレゼントをあげて励ましたい…」適当に書いた文だがヤバい奴には刺さるようだ。Xの経歴やそれ以外のアカウントも探して一人頭のおかしいファンがいた。i love vだ。世界は狭いと感じる一方で少し納得した。現在は俺にも有効的にしているがどうやらこいつは歌蟹立花以外のVtuber全てにアンチをしているようだ。


「多少の目処は立っている」


そいつはそう送ってきた。どうやって知ったのか聞くと、どうやらそいつは歌蟹立花を一度無理やり開示して個人情報をある程度引き出したらしい、やはりこいつは「推しを推している自分」が好きらしい。まあ大体みんなそんなもんか、


そんな事はどうでもいいとして情報をもらうと俺の地域と丸かぶりらしい。というか配達物から検索した所俺の住んでいるマンションと駄々かぶりだったようだ。


「は?」


先程世界は狭いと言ったが流石に何かがおかしい。I love vは俺のことを知って嫌がらせに送ってきたのか?

ありえない。接点は俺が猫谷 あおいとして活動してる時しかない。


何も分からない。何が分からないのかすら分からない。ただ、何かがおかしいという予感だけはしている。


(考えろ、考えろ。一番考えられる線は…本当に偶然?ダメだ…今日は一旦寝て落ち着こう…ダメだ)



寝ている間、歌蟹 立花が配信を済ませていた

「ッチ、リアタイできなかった」

しくった、もしリアタイ出来ていたらスパチャでも送って何か質問できていたのかも知れなかったのに…


I love vへの返信は放置している。まあこっちはいいか、とにかくアーカイブを確認する事にする

----------------

2時間ほどのアーカイブだった

久しぶりの配信でスペシャルという事で実写だったようだ勿論手元だけ写してゴム手袋もつけて料理をしている配信だった。


「相変わらず配信の腕がすごいなあ…」


しかしそれと同時に床のフローリングが自分の家と同じ事に気づいてしまう。そして同時にとある事象は確定する


(歌蟹立花はこのマンションにいる)


レイプした時の声を想像すると勃ってしまう。

「近い…あと少しで…マイク無しで声が聞こえるのか」


トートバッグにナイフを入れる


不思議と緊張はなかった。正直脅せば殺さなくてもいいし、多分俺自身もどうでもいいんだろうなあ…

不思議と足取りは軽かった、全部の部屋にピンポンして声はたくさん聞いてきたから、すぐわかる。


「靴はどうしようかなあ…血がつくだろうから」

長靴を履いた。少しの安堵感と開放感。これを解放というのだろう。


玄関を開けた


「あ…あの…ぼ…僕分かりますか?」


男が立っていた。太っているが、清潔でも一重でモテはしないだろうなっていう冴えないような少し若めの男がいた


「ッチ…男かよ」


その言葉と同時に男は私の方に倒れてきた。お腹に暖かみを感じた。反射で支える。まるでアロママッサージを受けているような安心感のある暖かみがした。


「えーと、どなたですか?大丈夫ですか?」


できるだけ優しく、社交的に聞いた。それが大人だから


「I love v」


その時ようやく自分の腹の服に真っ赤な薔薇の模様がついている事に気づいた。恐らく彼は衝撃的なことを言ったと理解した。しかし私の脳が反射的に体の体温が急激に下がっている事をより大きな声で伝えた。


「あれ…」


声が出ない、体が寒い。お腹に異物がある事を理解すると同時に激痛に気づいた。体は痙攣しているが、脳は謎に冷静だった。


(痛みが感じなくなっている、もう間に合わないか?)


謎に冷静だった。最後の言葉を吐く時間しかないとようやく理解した。


「なんで…」


これだけだった。結果には理由がある。過程がある。人間の中で一番強い欲は知識欲かもしれないとどうでもいい考えと共に聞いた。


「歌蟹立花だ?男じゃねえか」


ようやく気づいた。こいつは俺を歌蟹立花だと勘違いしている。最悪の勘違いだ。これで死ぬのか


「俺は、猫谷…」

倒れながら四つん這いで必死にケツをむけて部屋をよく見て逃げ道を見つけようとする、猫谷 あおいとして活動してきた証、フィギュアやサイン、プレゼントなどが


「あれ…」


なかった。あったのは歌蟹立花のアクリルスタンドと歌蟹立花のポストカードや歌蟹立花への手紙だった。


「あ…」


別に思い出したわけでも、教わったわけでもない。ただ理解した。これまでの事象全てが繋がった。俺は猫谷あおいであって歌蟹立花だったのだと。


声も出せず、ただ目の前の死を受け止める中で私は

(ようやく殺せた)

と呟いたと同時に背中に暖かみを感じ、心と共に逝った


「はあ…はあ…」


I love vは中谷 修也の長靴を両方外して中身の匂いを嗅ぎ始めた

「いい匂い…」



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