↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

003. 災害再び

ちょっと短めです。

任務にも慣れて3カ月ほど経った頃。


今日は休息日であったが、アラームで異空間対策本部より緊急連絡が届いた。


〈!!!緊急通達!!!


本日、午前8時24分、第4級2番異空間のスタンピードを皮切りに、日本各地の異空間でスタンピードが連続発生。スタンピード発生は第4級以下に集中し、対魔部警備部隊により対処中。各員は、指示に従い行動せよ。


異空間対策本部〉


〈ダンジョンガード各員へ


第1級および第2級異空間は対魔部警備部隊により対処中。ダンジョンガード各員は、管轄地域の第3級および第4級異空間のスタンピードに対処せよ。


ダンジョンガード司令部〉


即座に、装備を装着。現場に急いだ。


第3級および第4級はスライムだけではなく、ゴブリン、ホーンラビット、ビッグローチ、ビッグバットなど、ダンジョン内部の環境に由来する魔物が出現する。これらに対処できるのは対魔部のエリートたちだけである。この3年間と3カ月は、都市部の大規模異空間に主戦力が割かれ、地方部の低級異空間の間引きはほぼスライムに限定されていた。


「ゴブリンなんて、まだ倒したことないのに•••」


ゴブリンクラスになると、その身に極薄ながらも魔力障壁を宿す。この障壁は、同等以上の魔力を宿した攻撃でないと、破れない特性を持つ。そのため、現在の人類では、ダンジョン内での魔物の討伐は困難をきわめていた。一方で、異空間からこちら側に出てきた魔物は、環境魔力濃度の急激な減少により魔力障壁を霧散させるため、重火器による対処が可能であった。


現場に近づくと、銃声が連続して響いいていた。装輪装甲車の軽機関銃だろう。


「結構後退してるのか」


すでに、魔物は、包囲網を抜けて市中へと出ているようだった。


「さて、どうしたらいいのか」


取り敢えず、現状の主戦力である装輪装甲車が落とされるのはまずい。銃声を頼りに、本隊を探す。


「いたっ」


異空間には、正面というものが存在しない。そのため異空間を360度包囲する必要があるのだが、フレンドリーファイアのために便宜的に正面と裏面を作り防衛する手法が取られている。また、異空間は市街地に存在するため、交戦時規定として異空間方向のみ発砲が認められていた。


「正面は持ち応えてるな」


装輪装甲車の後方に指揮所が設置されており、無事だった。


「ダンジョンガード 花陰 ただいま到着しました!」


「現場指揮官の星塚です!現在、正面は持ちこたえていますが、裏面は抜けられています。花陰さんには裏面斜め後方にて待機し、裏面掃討部隊のバックアップをお願いします。」


「わかりました。これより、任務にあたります!」


纏は、射線に入らないよう遠回りを行って、ポジションについた。裏面掃討部隊のリーダーに目礼して、スタンバイする。


辺りを見回す。ビルが多く、魔物が来る方向は限られているように見受けられる。上空も警戒範囲に入れながら、注意を怠らないようにした。


掃討部隊による射撃が断続的に行われる。時たま、射線から抜けた魔物を切り伏せる。魔力が非常に低いこちらの世界では、纏の刀は魔物の体をするりと斬ることができた。


2交代制で部隊を回していく。裏面掃討部隊については、纏が抜けるときだけ、1部隊バックアップを増やして運営した。


そうやって、1日が過ぎて徐々に出てくる魔物がなくなり、2日が立経過したころには、めったに出なくなった。警戒態勢は続き、スタンピードから4日が経ったころ、本部からスタンピード宣言が撤回、終息が宣言された。


纏はこの4日間、前線で立ちっぱなしだった。1日14時間ほど対処にあたり、残りを睡眠と休息にあてた。ほかの警備隊の隊員たちも疲労困憊になっていた。


本部は、ダンジョンガードに対し、スタンピードにおいて多大な貢献をしたとして、休息を与え、ダンジョンガードを増員することを内々に知らせた。



★☆★☆★



政府、マスメディア、ネットは、大いに紛糾していた。政府は、人材不足、予算不足を盾に、今回のスタンピードを限られた中で最善の対応だったと評価した。実際、出てくる魔物は、対魔部警備隊が迅速かつ的確に対処し、民間の人的被害は0であった。マスメディアは、対魔部しいてはダンジョンガードに標的を定め、論戦を繰り広げた。やれ、異空間をなぜコンクリートで埋めないのかとか、未成年を叩かせるのは大人としてダメだとか。身勝手な理想と異空間発生前の論理を振りかざす。一方で、異空間の先の資源を民間にも早く公開すべきと議論する。そんなマスメディアに辟易していたネット民は、嘘か真か、独自の情報源で、異空間そしてダンジョンについて言い合った。


纏の元に来るのは、AIが選出するニュースと本部からの伝達だけだ。


果たして、人類史上3度目のスタンピードが来るまでに、人類は体制を整えることができるのか、それは未知数であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。