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転生したけど攻略本のおかげでチート無双  作者: ワギャ
第一章 攻略本とレベリング
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模擬戦

ハートアイを倒して心眼のスキルを手に入れたあと、ダンジョンの奥は静まり返っていたが、そんな空気とは裏腹に光世の視線は完全に俺へ向けられていて、その目はさっきまでの余裕あるものとは違い、明らかに戦いを求めている色を帯びていた。


「今のスキル」


 光世がゆっくり口を開く。


「かなり強いだろ」


「まぁな」


 俺は軽く答えながら、さっきの戦闘を頭の中で整理していたが、心眼は予想以上に使い勝手が良く、戦闘の精度が一段階上がる感覚があった。


 光世が小さく笑う。


「ちょうどいいな」


 剣を軽く回しながら続ける。


「ここでやろうぜ」


「は?」


 俺は周囲を見渡すが、ダンジョンの奥には誰もおらず、確かに邪魔は入らない環境だった。


「模擬戦だよ」


 光世は軽い口調で言うが、その目は完全に本気で、冗談で言っている様子は一切なかった。


「お前の強さ、ちゃんと見たい」


 俺は少しだけ考えるが、断る理由は特にないし、心眼の性能も試したかった。


「いいぞ」


 俺はソウルイーターを構える。


 光世も剣を構えた。


 その瞬間、空気が一気に張り詰める。


「ルールはなしでいいな」


「好きにしろ」


 光世が踏み込んだ。


 視界から消えたように見える速度だった。


「……速いな」


 だが今は違う。


 心眼を意識すると、光世の動きがはっきりと見えるようになる。


 踏み込みの癖、剣の振り出し、すべてが予測できる。


 俺は体をわずかにずらす。


 キンッ


 光世の剣が空を切る。


「ほう」


 光世が少しだけ口角を上げる。


「見えてるな」


 そこから連続で斬撃が飛んでくるが、速度は速いものの、すべて軌道が見えるため、俺は最小限の動きで紙一重に避け続けることができた。


 光世の目が変わる。


「面白い」


 さらに踏み込みが鋭くなる。


 だがそれでも見える。


 俺はタイミングを合わせる。


 そしてソウルイーターを振る。


 キンッ!!


 剣と剣が初めてぶつかる。


 衝撃が腕に伝わるが、力の差はそこまで大きくない。


「いいな」


 光世が笑う。


「やっと戦ってる感じだ」


 そのまま距離を取り、再び踏み込んでくる。


 今度はフェイントを混ぜた複雑な動き。


 だが心眼のおかげで、どれが本命か分かる。


「……」


 光世が少し驚いた顔になる。


「全部見えてるのか」


 俺は答えない。


 ただ、ここで試す。


 もう一つのスキル。


 無。


 問題はタイミング。


 〇・一秒の誤差。


 普通なら無理だが、今は違う。


 心眼で時間が遅く感じる。


 光世が踏み込む。


 剣が振られる。


 その軌道がはっきり見える。


 当たる瞬間。


 あと少し。


 ほんのわずか。


「……今だ」


 無を発動する。


 その瞬間。


 光世の剣が消えた。


「……は?」


 光世の動きが止まる。


 完全に理解できていない顔だった。


 俺はその隙に一歩踏み込む。


 そして剣を止める。


 光世の首元で。


「……」


 数秒の沈黙が流れる。


 やがて光世が小さく笑った。


「今のなんだ?」


 楽しそうだった。


 俺は剣を下ろす。


「さぁな」


 光世は笑いながら後ろへ下がる。


「いいな」


「めちゃくちゃいい」


 その表情は完全に戦いを楽しんでいるものだった。


「もう一回やろうぜ」


 俺は軽く首を振る。


「また今度な」


 これで十分分かった。


 心眼と無。


 この組み合わせは強い。


 光世が俺を見る。


「逃げるのか?」


「違う」


 俺は剣を肩に担ぐ。


「もう分かっただろ」


 光世は少し黙る。


 そしてゆっくり笑った。


「……あぁ」


「分かった」


 完全に理解した顔だった。


 この勝負の結果を。


 だがその目は負けを認めたものではなく、むしろこれからが楽しみだと言っているようだった。


「次は勝つ」


 光世が言う。


 俺は軽く手を振る。


「無理だな」


 そう言ってダンジョンの出口へ向かって歩き出した。


 背中に光世の強い視線を感じながら。

すいません入院してました。


感想、レビュー貰えたらモチベ上がります!

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