vsヒュプノス②
俺は高速道路を降り、建築中のビルに入る。
ここならちょっと工事が遅れるくらいで被害が済みそうだ。
バイクから女を下ろし、近くのブルーシートの上に寝かせる。
巻き込まれることがないようにしなければ。
「いい場所を見つけたじゃあないか。ここがお前の墓で良いんだな?」
「良くない。俺がお前に殺される日なんて来ない」
空から降りてきた死神は右手にボロボロの木でできた槍を持っている。
木の槍で焔の槍に対抗しようと言うのか。
「俺が勝てばお前たち全員を始末し、近くで寝ている例の女を目的地に届け、幹部となる」
「俺が勝てばお前を八代に突き出して、俺は報酬を貰い、目的に一歩近づく」
俺の目的の達成の方が遥かに遠い存在なわけだ。
男は一歩俺に向かって踏み出し、俺に一突き。
素早く鋭い一手だった。
俺は一歩下がり、掠りかけた木の槍を左手で掴み、右手の槍を男の心臓部に向かって突く。
左手にさらりと身をかわされ、こちらの槍も掠りもしない。
男は槍を持っていない方の手で俺の顔面を殴る。
ストレート、真っ直ぐでキレのある動き。
俺は避けきれずに一発喰らうがニ発目はなんとか顔を反らし逃れる。
「槍での戦闘経験は富んでいないが、お前も大して変わらないな。てっきり槍を専門に戦う人間だと思ったが」
「なら、どういうことか分かるな。どういうことを得意としているか」
槍の爆発は最後の切り札だ。
ここであっさり使うわけにもいかない。
爆発の被害が彼女に及ばないとも限らない。
「先程見せた爆発。下沢にトドメを刺した魔術か」
知られているならまだ使うことはできない。
…あと少しで日付が変わる。
この距離ならあの二人も無事な筈だ。
「…撃ってこないのは機会を図っているのか。それとも何か撃てない理由があるのか…。どちらにせよ、知っていれば不意を突かれることはない」
戦闘経験で劣っている以上、他の何かで相手を超えなければ。
そうでなければ俺は負けてしまう。
握っていた木の槍を離し、一度距離を取る。
足を後ろに下げた一瞬を男は見逃してはくれなかった。
手を離した男の槍は、俺の槍を持たない方の手を掠めた。
一瞬の判断が読まれ、そこを突かれた。
擦り傷ができた程度の筈だが、左手は動かない。
「お前の左手の神経はもう眠った。脳を眠らせることはできなかったが、四肢の神経を直接眠らせることはできるか。この槍で喉元を掠めれば呼吸も止まるやしれないな」
敵もまたただの槍ではないのか。
これは先手を取られたか。
書きだめなくなる^〜。
というわけで今週の日曜日は書きためますわ




