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第6話:説明

「……」


 あれ~?おかしいな。さっきから真面目な顔で訊こうとしてるんだが、姫様が一向に喋ろうとしないんだけど。

 すると耳の辺りが真っ赤になっていた。うん?どういうことだ?


「あの、お姫様?」

「は、はい!な、なんでしょうか?」

「いえ、それはこっちのセリフなんですが。さっきからずっと黙ってるからどうしたのかなと思っただけです」

「えーと」


「ちょっと、失礼しますよ」


 俺は前髪を捲り上げると、俺の額を当てた。うーん、熱は無いみたいだけど……。


「もういいです。熱じゃないみたいだし、なんなんだろ?」

「あ、あのですね。単純に綺麗だなと思っただけです」

「綺麗?何がですか?」


「あなたの黒い瞳が、です。意志の強い感じもして、ちょっと見惚れてしまって」

「あ、そうでしたか。良かった、熱とかじゃ無かったみたいで」

「心配をかけてしまい申し訳ありません。

それでは取り敢えず、我が国について説明させていただきます。我がヴァルフェイル王国は、世界で唯一勇者召喚の成功例を持つ国なのです」

「それは昔に俺以外にも勇者がいた、という事ですか?」

「ええ、そうなります。そしてこの後の段どりになりますが」

「え?説明はもう終わりですか?」


 早っ!国の名前と勇者召喚をした事があるって点以外はもうなんでもいいんですか!?


「後の事はもっと詳しい者がおりますので。実の事を言うと、私も詳しくは知らないんです。私は神職を主としておりますから」

「はあ、なるほど?」

「それでこの後ですが、城に到着し正装に着替えてもらった後王に面会していただきます」

「わかりました。それで挨拶したらすぐに出発するんですか?」


「いえ、それは勇者様のご自由にどうぞ」


「はい?そんな事言ったら、俺は国から動きませんよ?」

「それでも構いません。皆の考えはこの国が繁栄する事ですから。でも、願えるのなら」

「願えるのなら?なんですか?」

「この世界に生きる皆を救って頂きたいと、そう思います」


 このお姫様はなんだかんだで民の事を考えてるんだ。いい姫様じゃないの。俺達はその後一言も発さずに馬車でゴトゴトと揺られて、城に向かって進んでいった。

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