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終話

戦争描写注意です。

一人の兵士がいた。


血を流しながらも彼は一人待つ彼女の為に戦った。


彼は国を勝利へと導いた。


だが、彼の傷は致命的だった。


彼が死んだあと、国の英雄として称えられた。


軍隊が戻った時、勝利に喜ぶ民衆の中に犠牲になった者達に涙する者もいた。その中に彼女の姿はなかった。


彼女は金木犀の香りが漂う庭園で彼の帰りを来る日も待ち続けた。


そして、彼は一通の手紙となって帰ってきた。


そこには彼女の文字の下に「君の言うことなら」と血で書かれていた。


彼女は涙で滲んだ手紙を大切に箱にしまう。


彼女はのちに戦争反対の詩をつづり、生涯をかけて独身を貫き平和を唱えた。


そして、後世に国の英雄とその恋人として物語に残される。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして現在、ある場所に金木犀の木があった。


「この匂い、とても素敵。」


その木の下には一人の少女が本を読んでいた。


そこに一人の少年が寄ってくる。


「その本、オレにも読ませろ!」


不器用な言葉で優しさを包んで。


少女は少年に向かって笑顔で言う。


「あなたの言うことなら」と。

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