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24 失態⁉︎

「またエラく歯応えのありそうなヤツが出て来おったの」


 ホシワリが体格の良い緑肌の巨人に目を向けながら「ヒュウ」と口笛を鳴らした。


「急にどうしたのでしょうか? 確かに開始前であればルール上は問題ありませんが…」


 シラネも可愛く小首を傾げながら、口元に手を当て不思議そうな顔をする。


「ウチの御大将が、向こうの魔王の逆鱗にでも触れたんだろ?」


「え⁉︎」


 突然ホシワリからニヤケ顔を向けられ、宝来尊ほうらいみことは一瞬戸惑いの表情を見せた。しかし直ぐに思い至ると、右手で目を覆って天を仰ぐ。


「あー、さっきのアレかー」


「…相手を怒らせる程の何かが、ありましたでしょうか?」


「あー大丈夫、何でもない」


 宝来尊は笑顔でシラネを誤魔化すと、申し訳なさそうにホシワリに向き直った。


「悪い、迂闊だった。もしかしてヤバいか?」


「まあ今までが、かなり儂らを舐めた布陣だったからの。ハッキリとは言えんが、何とかなるだろ」


「…俺も出ようか?」


 宝来尊のその言葉に、ホシワリは白目の大きな三白眼でギロリと睨む。


「何度も言ったが小僧は出るな。魔王自ら参加するなど、例え勝てても逆に舐められる」


「でも…」


「ミコトさま、わたくしも参加しますからご安心ください。万が一にも負けられない勝負、この様な男ひとりに任せるなど、元々納得しておりません」


「ガハハ、そんなひ弱な腕で黒綱が引けるのか?」


「こんなひ弱な腕でも、アナタの首程度、簡単に飛ばせるのですよ?」


 シラネの全身から噴き出したオーラが、黒髪のツインテールとフリルのドレスを激しく揺らす。


「ストップ、ストーーップ!」


 そのとき慌てた宝来尊が、両者の間に身体を割り込ませた。


「先ずは綱引きに勝つ。話はそれから、ね、ね?」


「ミコトさまの仰る通りです。申し訳ございません」


 宝来尊の言葉を聞いて、シラネが恥ずかしそうに頭を下げる。


「ガハハ、確かに儂も悪かった。嬢チャン程度でもおらんよりはマシだ」


 ホシワリの笑い声が木霊する中、手のひらを合わせてシラネに平謝りする宝来尊の姿があった。

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