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異世界子作り日記 〜知らぬ間に世界征服?〜  作者: ずんぺー
第ニ章 強引に諸国漫遊
24/69

第23話 竜人

今日から新章が始まります。

よかったら読んでください。

〜89日目〜


身動きがとれないまま1日が経過。


どうやって時間がわかったかと言うと、空気穴と思われる所から日が差し込んでいたからだ。


しかし誰か来るだろうと思って待っていたけど結局誰も来なかった。


さすがにこのままというわけにはいかない。


ここを出て、どうにか神様の頼み事を遂行しないといつまでたっても帰れない。


みんな心配してるだろうな。

それに睦月とラミーの出産も近い。

早く帰りたい。


そういうわけでどうしたらいいと思う?


『おいおい。ただの刀である俺様に聞くってのは間違ってんじゃねえか』


妖刀だし、俺の相棒だろ。


『かっかかか、そういやそうだったな。とりあえず俺様を抜きな。そうしたら望み通り外に出してやるよ』


お前が言うと卑猥だな。


『そう思える相棒こそ卑猥なんだぜ』


失礼な。

こんな純朴青年を捕まえて。


で、どうやったら腕のロープ外せる?


『んなもん魔法で燃やしたらいいだろ』


そっか!

今まで使えなかったからすっかり失念してた。


「創生魔法『ファイヤー』」


前回と同じく精霊が出るかと思ったけど、今回はイメージ通りに小さな火の粉が生まれた。


手を縛っていたロープが燃え千切れる。


「あとは任したぞ隼丸」


ポケットから妖刀を抜き一振り。


足のロープが切れ、完全に自由を取り戻した。


「鉄格子も頼む」


隼丸を横薙ぎに払う。


斬った箇所から鉄格子が崩れ落ちた。


「サンキュー」


牢屋から出る。


周りを見ると似たような牢屋がたくさんあった。


そのうちの一つに近づく。


中を覗くと体育座りをしてる人や立ったままの人、中には倒れたままの人などたくさんの人がいた。


共通しているのは全員、目が虚ろなのだ。


「大丈夫ですか?」


試しに体育座りの男性に声をかけてみたけど反応がない。


『相棒、こいつらはダメだぜ。心がいかれてやがる』


魂の抜け殻みたいなもんか。


念のために他の牢屋も覗いてみるが誰もが一緒の状態だった。


『いこうぜ相棒。こんなところにいたら気が滅入っちまう』


後ろ髪を引かれるものの先を急ぐ。


左右に牢屋があるものの道自体は一本だったので迷うことなく出口が見えてきた。


同時に歓声が聞こえてくる?


『こりゃあれだな』


わかるのか?


『行ってみりゃわかるけどよ、相棒も厄介なところに連れこまれたもんだな。とりあえずやばくなったら俺様をすぐに頼れよ』


心強い相棒だ。


出口へと近づいていく。


歓声がどんどんと大きくなる。


意地汚い野次も聞こえてきた。


殺せ! 後ろからやっちまえ! 馬鹿野郎! お前たちにどれだけ賭けてると思ってたんだ!


果たしてこの先になにがあるのか。


なんとなく予想はつくが。


出口に到着。


目の前に広がるのは円形状の広場。

周囲には観客席。


予想通り闘技場だった。


現在戦っているのは──


「ドラゴン!?」


小ぶりの飛竜。

多分ワイバーンと呼ばれているドラゴンと数十人の人間が戦っていた。


『まるで相手になってねえな』


隼丸の言う通りだった。


人間は武器を持って応戦しているが、飛竜に傷一つつけれていない。


1人、また1人と倒れていく。


見てられない。


隼丸、力を貸してくれ。


『女もいねえのに助けに行く気か? ま、いいけどよ』


了解を得て、俺は隼丸を振るう。


『あ、ちなみに竜種には俺様の飛ばし斬撃は効かねえからな』


もっと早く言えよ!

すでに白い光りの斬撃を飛ばしちゃったよ!

飛竜に当たったけど全然動じてない!

あ、痒かったのかな?

ボリボリと爪で掻いてるよ。


『竜種には直接斬りかかるしかねえんだよ』


グランドクロスは?


『竜種の皮膚は特殊でな、魔法も含めて飛ばす攻撃は微妙なんだよ。ってなわけで頑張れ』


薄情な!

さっきは頼れって言ったのに。

それに、あんな飛んでるもん相手にどうやって斬りかかれと言うんだ!?


『簡単だろ。相棒も飛べばいいんだ。そういう魔法あるんだろ』


そういや ⋯⋯


マニエルを思い出す。


魔法は強くイメージすること。


浮け、浮け、浮け。

浮かべ!


「創生魔法『フライ』」


浮いた。


いける。


『いけ相棒!』


「いけ相棒!」


『え?』


「飛べ、隼丸!」


『飛ぶのは俺様かーい!』


隼丸を飛ばし飛竜に一直線。


見事、額に命中。


断末魔をあげて飛竜が落ちてきた。


途端に群がる、先ほどまで逃げ戸惑っていた人間たち。

おのおの持っていた武器をワイバーンに突き刺したりしている。


「そこまで!」


大きくはないがよく通る声が闘技場に響いた。


「衛兵たちよ。ワイバーンを倒した人間を残し、あとは牢屋に戻せ」


わらわらわらとどこからともなく現れる女兵士たちは人間を次々と連行していった。


しまいに俺だけが残った。


声の主が闘技場に降りてくる。


威厳のあるおばあさんだ。

特徴的なのは頭に生えている2本の角。


角と言っても鬼のように尖っているわけではなく、ギザギザ形になっている。


「人間、お前の名を聞かせてもらおうか」


「豊月隼人」


「竜人族の長ヴァサエアの名の下、豊月隼人に褒美を与える。今より竜人族の客として振る舞うがいい!」


闘技場の観客席にいた人たちが再び歓声をあげた。

よく見ると全員が竜人族の女性だった。


「イルパーシブル、いるか!」


「ここに!」


すぐさま兵士が1人駆け寄ってきた。


「お前に世話役を命じる。一先ずこの人間に住居を用意しろ」


「承りました」


「世話役がどういうものかわかっているな。よろしく頼むぞ」


「ヴァサエア様の名を汚さないよう誠心誠意努めます。こっちにこい人間」


連れて行かれた先は闘技場のすぐ側。


狭い掘っ建て小屋だった。


「今日からここがお前の寝床だ。ヴァサエア様が許可した以上、村は歩き回ってもかまわん。ただし村の外には出るなよ。命の保証はできんからな」


そう言い残してイルなんとかさんは出ていった。


さーて、流れに身を任せていたらこんなことになったけど、これからどうするか。


お前ならどうする隼丸?


⋯⋯ ⋯⋯ ⋯⋯


返答なし。


あれ?


そういや隼丸を回収するの忘れてた!


〜90日目〜


竜人族の女性たちはシャイなのだろうか?


クフラの頼み事を一刻も早く終わらせたいんで、片っ端から声をかけている(ナンパしてる)んだけど ⋯⋯


「きもーい」

と言われ、


「自分の顔を見てから言えば?」

と言われ、


「 ⋯⋯ ふ」

と一笑され、


「 ⋯⋯ ⋯⋯ ⋯⋯ 」

汚物を見るような目で遠ざかっていかれ、


俺、泣いちゃいそうだ。


睦月を始め、うちの奥さんたちがすごく好意を向けてくれてるから、おれモテるんじゃね!? 神様の頼み事も余裕だよ。と思ってる節があった。


でも、よくよく思い返せば地球では20歳まで彼女なしの童貞だ。


現実を見よう。

竜人族がシャイなんじゃない。

俺がモテないだけなんだ。


『かっかかか。情けねえな相棒。そんなにやりてえなら俺様の力を全開にすればいいじゃねえか!』


それ問題になるから!


『なーに言ってんだ。桜雪嬢やマニエル嬢のようにメロメロにしてしまえば問題ねえよ』


2人の場合は自分からお前を触って催淫状態になったから仕方なく


『言い訳すんなって相棒。結果良かっただろうが? ここでは酒池肉林しようぜ、かっかかか!』


無言で隼丸をポケットに収納した。


本気でどうするかな?


このままナンパを続けていてもうまくいく気がしな


「きゃ!」


「トロトロ歩くんじゃねえよ!」


「ご、ごめんなさい」


声がした方向に目を向けると、転けている少女が1人と、その少女を嘲笑気味に見下ろしている少女の集団がいた。


あの子、足が不自由なんじゃ ⋯⋯


地面に落ちてる杖を取ろうとするが、意地悪少女集団が足で踏んづけている。


あれでは取れるはずがない。


どこの世界でも陰湿ないじめってあるんだな。


『チャンスじゃねえか相棒! 俺様を使う気がないんなら弱ってる奴は絶好の獲物だ。相棒のキモい顔も数倍良く見えるぜ。助けて恩を売れよ』


忘れてた。

隼丸はしまっても普通に会話できるんだった。って誰の顔がキモいんだよ!?


『んなことはどうでもいいんだよ。早くいけよ!』


言われなくても行くよ。

別に恩を売るとかそんなんじゃないからな。


「きみたち、そこまでにしといたら?」


俺が近づくと、少女集団はあからさまに嫌悪感を顔に出し、


「 ⋯⋯ 人間風情が」

「殺してやろうかしら」

「だめよ。こいつはヴァサエア様が認めた人間」

「ヴァサエア様に逆らうわけにはいかないわ」

「それにどうせ ⋯⋯ 」

「それもそうか」


少女集団が離れていく。


落ちていた杖を拾い上げ、いまだ地面に座り込んでおる少女に手渡した。


「立てる?」


「手を貸していただけると幸いです、豊月隼人様」


「俺を知ってるのか?」


「ええ、もちろんです。クフラ様からあなたが来るのを聞いておりました。お世話をするよう命じられております」


少女は俺の手を借り立ち上がると、


「自己紹介が遅れましたね。私はミゾルトと申します。ここで立ち話もなんですから我が家へご招待いたします」


ついてきてください、と案内されたのは俺にあてがわれた掘っ建て小屋より小さく汚い家だった。


「遠慮なくどうぞ」


上がりこむが物が散らばりすぎていて座る場所が布団の上しかない。


悪いとは思ったけど布団の上に陣取る。


「なにか飲まれますか? それともすぐにいたしますか?」


「そんな気を遣わなくても ⋯⋯ ん?」


いまなんて言った?


いたす?


なにをいたすんだ?


「では脱ぎますね」


え、ええええええ!


どういう展開だこれは!?


「足が不自由になってからどうにも行き届いていない箇所があって、どことなく醜い身体となっていますがご容赦ください」


「いえいえ! とても綺麗だと思います!」


竜人族特有なのか身体のあちらこちらに鱗が見れた。

だがそんなことすら気にならないほどミゾルトの体は綺麗だった。


ってまじまじ見てどうするんだよ!


「ありがとうございます。初めてですがご奉仕させてもらいますね」


「いやいやいやいや! ちょっと待って。これはどういうことか説明をお願いします!」


「クフラ様から聞かさせております。豊月隼人様と間にできた子は数日で生まれると」


「まあそれは確かに」


「私はどうしても子供が欲しいんです。どうかお情けをよろしくお願いいたします」


よくわからんけど、


わからんけど、


据え膳食わぬは男の恥!


いっただきまーす。


「え、そんなとこ汚いですあっ、あん、あああ! え、私が可愛すぎる? そんなお世辞はあうぅぅ! だめ、そこ弱いです。もう我慢できない? なにが ⋯⋯ なにか硬いのが当たってああああああああああああ!」


竜人は鳥人と同じく卵で生まれるらしい。

手のひらサイズの卵が一つ誕生した。

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