第20話 魔法
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〜85日目〜
創生魔法は既存する魔法と違って自分で呪文を作れる。ということは、この俺にも魔法をが使えるはず!
「大事なのはイメージよ。強く思えば思うほど、それにそって魔法は生まれるわ」
マニエルに教えてもらいながらイメージを描く。
どんなのがいいんだろ?
いきなり爆発系は危ないだろうから、とりあえずは焚き火レベルで。
「イメージできたら呪文を考え、おーよしよし」
マニエルの腕の中にいるマリーがぐずりだした。
赤ちゃんは本当にかわいいな。
小さな体に小さな手。
いつまでだって見てられる。
「呪文考えた?」
「あ、まだだ」
いかん、マリーに見とれてた。
呪文か。
例えば『火の精霊よ。我が手に集いて、かの者を燃やせ』とかか。
「いい感じに魔力が集まってきてるわよ。あとは魔法名をつけて放つだけ」
「なるほど。創生魔法『ファイヤー』」
生まれて20年。
異世界に来て85日目。
初めて使えた魔法──
『うきゅ?』
小さな小さな火の精霊を召喚した。
「あら、かわいい。どういうイメージをしたかはわからないけど召喚魔法ってけっこう難しいのよ」
「そうなのか?」
「ええ。精霊ってどんな姿形をしてるのかわからないでしょ。イメージがかけ離れていたら来てくれないか、変なのくるかだし──創生魔法『ファミリア』」
「聞こえてたよ! 変なのってひどいなマニエル!」
召喚されて現れたのはもじゃもじゃ髪の塊のような存在。
「もう消えてよし」
「ひどっ! いいよいいよもう」
もじゃもじゃ髪の塊精霊は帰っていった。
「ね、変なのだったでしょ。どういうイメージをしたのか今度聞かせてね」
イメージと言われても、足元にある枯れ木を燃やそうと思っただけなんだが ⋯⋯
『うきゅ!』
ま、かわいいからいっか。
小さくてかわいい火の精霊にファイヤーと名付けると、
『うきゅきゅきゅ!』
喜び、なぜかマニエルが抱っこしてるマリーに飛び乗った。
マリーがきゃっきゃっと笑う。
「とられちゃったわね」
「マリーがご機嫌ならいいさ」
「そう言うと思ったわ。魔法の練習まだする?」
「なんとなくわかったからもういいや。それよりもう1つマニエルに聞きたかったことがあるんだよ」
ステータス画面にある称号について訪ねると、
「知らなかったの!?」
心底驚かれた。
なぜだ?
こっちでは一般常識なんだろうか。
「あたしの場合は大事なことだからって知の女神からきちんと説明されたのよ。隼人くんは聞かされなかったの?」
もちろん聞かされていない。
「呆れた。称号はある意味『職業』のことね。それにつくことによってステータスに補正がかかるのよ」
「補正?」
「あたしなら、今は大魔導士だからMPと魔力、魔防が1、8倍になるのよ。桜雪なんか勇者だから全ステ2倍ぐらいの補正がかかってるはずよ」
なんだそれ?
だから2人ともチート級の強さなのか。
「その称号ってどこでつけてもらえるんだ?」
「教会よ」
近場の街グランフールにはなかった施設だ。
そう言うと、
「地球と違って、この世界には教会は1つしかないの」
「どこにあるわけ?」
「女神たちが崇めている神が生まれた地──壱の国、世界の中心地よ」
〜86日目〜
朝から千客万来だった。
まず始めにウサギ耳が特徴のうさぎ種獣人族が保護を求めてやってきた。
どうやらワンリルさんから俺やここのことを聞かされていたらしい。
どんな風に言ってるのやら?
断る理由もないので犬種獣人族の横で暮らしてくれと招き入れた。
お礼に族長の娘を捧げるとかいらないから。
そんな慣習ないんで。
ほら、桜雪の目が怖い。
早く散った散った!
次に訪ねてきたのは梟種鳥人族だった。
こちらはモンスター(ピンクウルフ)に襲われ命からがら逃げてきたとのこと。
弥生とマニエルに回復をお願いし、モンスターが出たという場所に如月とホーク、ファルコンを派遣した。
「モンスターを討伐したら元の場所に帰りますか? もしよかったらここに住んでもらってもいいですけど」
提案すると梟種鳥人族は即座にお願いしますと言ってきた。
鷹種鳥人族と同じく大樹で生活してもらうことになった。
先に言っておくけど夜這いはしてくるなよ。
その後ほどなくしてやってきたのは熊種獣人の男が3人。
「ここにデュランディムを倒した奴がいると聞いてきた。ぜひ手合わせを願いたい」
「残念。如月はいま出て行ったところなんだよ。代わりでもいいかな?」
「強者ならば望むところよ」
桜雪に頼んだ。
熊種獣人たちがボコボコにされて泣いて謝ってきた。
「勇者はさすがに無理です。もう少し弱い人でお願いします」
皐月を呼んだ。
かわらずボコボコ。
「もう一段階下げてください」
さくらを連れてきたみた。
あらやだ。
桜雪と皐月と違って手加減知らないから熊種獣人がもう見るも無残になってしまった。
弥生に回復してもらったあと、
「師匠とともに!」
なぜかさくらを師と仰ぎ、桜雪の家で一緒に暮らすことになった。
そして本日最後の訪問者。
「遅くなりましたが引っ越し祝いです」
ワインを持ってサスケさんがやってきた。
「ありがとうございます。今日はデュランディムさんは一緒じゃないんですね?」
「私のお手伝いをすると言い出して必死に勉強しているんです。本当に良き女房ですよ。それに実はできまして ⋯⋯ 」
できた?
まさか!
「赤ちゃんですか!」
「そうなんですよ」
サスケさんの顔がすごくにやけてる。
その気持ちすっごくわかるな。
「おめでとうございます。1週間後が楽しみですね!」
「は? え、っと、1週間後になにかありましたか?」
「なに言ってるんですか。赤ちゃんの話ですよ」
「え?」
「え?」
2人で顔を見合わす。
あれ?
「確認ですけど、子供って1週間ほどで生まれますよね?」
「そんなバカな。一年近くかかりますよ」
⋯⋯ だよね。
子孫繁栄のスキルのせいで一般常識が狂ってた。
「今のは気にしないでください。最近いろいろあって疲れてるんですよ」
「そういうことでしたら息抜きしませんか? ちょうどタマモから新支社が発足したので見にきてほしいとお誘いがあったところなんですよ。ご一緒しませんか?」
タマモさんか!
最初に会って以来だな。
また会いたいと思ってたし。
「ぜひとも。タマモさんはいまどちらにいましたっけ?」
「壱の国です。馬車を使って10日ほどの旅程になりますね。向こうでの滞在は2日を予定しています」
往復20日+2日か。
結婚式が16日後だから、さすがに無理か。
断ろうとした瞬間、脳裏に浮かぶ1つの可能性。
「ちょっと待っててください。誰か、マニエルを呼んで!」
しばらく待って、
「どうしたの? あ、お客さん。初めまして。隼人くんの6人目の奥さんになりましたマニエルです」
「これはこれはご丁寧に。私はサス、ケ、と ⋯⋯ 」
サスケさんが固まった。
「あ、の、間違ってたらすみませんが、まさか大魔導士マニエル様ですか?」
「そうですよ。知っていてくれて光栄です」
さらに固まるサスケさん。
なんなんだいったい。
「それで隼人くん。あたしに何か用? マリーにお乳あげたいから手短にお願いね」
「すぐすむよ。創生魔法で転移って可能かな?」
「かなり難しいけどできるわよ。行きたい場所を強くイメージして、さらにそこまでの道のりに魔力を通すって言えばいいのかな。魔力操作のレベルが関係してくるから隼人くんにはまだ使えないと思う。どこに行きたいわけ?」
「壱の国」
「ならあたしが連れて行けるわ。今から行くの?」
「明日かな」
「了解。じゃ、あたしはマリーのとこに戻るわよ。それではサスケさん失礼します」
マニエルが出て行くと、
「どうして勇者真田様に続いて漆の国の大魔導士マニエル様までここにいるんですか!?」
目を剥くサスケさんに説明を求められた。
説明後は呆然とするサスケさんに明日街で落ち合うことを約束し見送った。
その晩、壱の国に誰を連れていくかで会議を開いた。
結局、ついでに教会にも行こうということになって。
称号を持っていない俺と睦月、子供たち(べリアは除く)と転移役のマニエル親子で行くことになった。
というかみんな称号持ってたんだね。
そんな便利なのがあるんならもっと早く言ってくれよ。
家の守りは桜雪がいれば心配ないし、久しぶりに羽を伸ばすとしますか。
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