第17話 結婚式準備
〜69日目〜
予定通りお昼までには帰ってこれた。
昼ごはんを食べながらみんなに事の顛末を説明すると笑い話に発展した。
「あたしもドレス見たかったー」
と如月。
普段はやんちゃばかりしてるけど、中身はやっぱり女の子なんだなとしみじみと思ってしまった。
その願い叶えてやろう。
「みんな、提案があるんだけど」
全員の視線が集まるのを待ってから、
「俺たちも結婚式を挙げないか?」
一瞬の沈黙。
のちに。
奥様4人大喝采。
「あたちはー!?」
「弥生ももちろんドレスを着ような」
「うわーい!」
走り回って喜びを表現した。
「あたしもだよね!」
「もちろん如月もだよ」
「やったー!」
こちらも弥生に続いて走り回る。
男の子たちは、
「やった。また美味しいもの食べれるんだ」
「大きいお肉出るかな?」
「スープスープスープ」
「野菜以外ならなんでもいいよ」
「あのフルーツもう一回食べられるのかな」
若干1名を除いて喜んでいた。
この日から結婚式に向けての準備が始まった。
〜70日目〜
ヘルガーさんと相談しながら、結婚式に必要なものを書き出していく。
「1番大事なのはドレスだよな」
「買うにしろ借りるにしろ高いですよ」
「手持ちはたくさんあるからいいんだけど」
なんか違うよな。
どうせなら一生思い出に残る式にしてあげたいし。
あ、そだ。
「オーダーメイドにしよう!」
「え!? 一から作ってもらうんですか? 金貨30枚ぐらいはいりますよ」
「大盤振る舞いでいこう。1人につき金貨50枚まで出すよ。明日にでも4人 ⋯⋯ じゃなくて弥生如月もいれて6人は街に行ってもらおう」
〜71日目〜
朝早くから女性陣が旅立っていった。
授乳の関係もあるのでさくらも連れて行かれた。
スキンシップが全然とれていない。
このままだとパパと認識されないんじゃ?
おじさん誰?
とか言われたらマジ泣きしてしまいそう。
帰ってきたらいっぱい遊ぼうっと。
〜72日目〜
そろそろ女性陣が街に着いた頃だ。
どんなドレスを作ってもらうのやら。
当日が楽しみで仕方がない。
「でも脱がすんでしょ?」
「もちろん夜になったら ⋯⋯ ってなに言わすんだよ! ってお前誰だ!?」
いつの間にか見知らぬ男が横に立っていた。
「どもども。呼べばすぐ来る注文されればすぐ用意がモットーのミツトモ商会ムァイケルです」
ミツトモ?
どっかで聞いたっけな。
⋯⋯ あ、独占禁止法に違反してる商会だ。
そういやヘルガーさんが結婚式用のワインを頼んだって言ってたっけ。
「この度はワインのご注文ありがとうございます。30日後に50本、きっちりとご用意させてもらいますのでご安心を」
「ああ、よろしく」
「なお当日にこにこ現金払いのみとなっていますので、金貨100枚のご用意をお願いします。分割はききませんので悪しからずご了承ください」
「なんなら今払ってもいいけど?」
「原則代金は商品引き換えとなっていますので、当日でお願いします。あ、それからこれを」
黒い液体が入った小さなビンを渡された。
「なにこれ?」
「うちの新商品の試供品です。美味しければぜひご注文ください──それでは!」
言うだけ言ってさっさと消えてたった。
まるで忍者のような奴だ。
「で、これはなんだろ?」
蓋を開けて匂いを嗅いでみる。
かすかに甘く、懐かしい匂い。
少しだけ口に含んでみる。
と、口の中がシュワシュワシュワと!
「これはまさか!」
残ってる分を飲み干し、口、舌、喉で十分に堪能する。
こっちの世界で飲めるとは思わなかった。
「いつ飲んでも最高だな、コーラは!」
子供たち用に早速30本注文した。
〜73日目〜
トトラさんたち大道具係が舞台の設計図を持ってきた。
見た感じ屋外設定だよな。
雨降ったらどうするんだ?
濡れますって当たり前のこと言わないでくれ。
できれば屋内がいいんだけど。
時間と人員、技術の問題でそんな大きい建物は無理って。
それは仕方がないな。
ん、舞台横にあるこの四角いマークはなんだ?
俺たちが乗って現れるためのゴンドラだと。
鳥人たちが運ぶから安心してくださいって、恥ずかしいから却下だ却下!
でも鳥人たちがもうゴンドラ運び隊のオーディションを開催した?
選ばれたメンバーが泣いて喜んでたって。
断るなら俺が直接言えと?
きっと落ち込むだろうなとか言うなよ。
⋯⋯ ありでいいよ、もう。
特に気になるのはそんなもんかな。
立食だからイスはいらないし、テーブルは料理班と相談。
サプライズの落とし穴?
もちろんいらないよ。
むしろいると思った理由を聞かせてくれ。
おいおい、なんて悲しい顔をするんだ。
わかったわかった。
2個まで掘ってよし。
ただし誰が落ちたとしても俺はフォローしないからな。
あれ、この舞台袖の小さなマークはなに?
よく気づきましたねって。
隠し扉?
そんなのいらな ⋯⋯ 裏に俺専用の隠し部屋を作る? いつでも連れ込める?
なるほど。
用意してくれ。
ベッドもよろしく。
あ、壁は厚くしといてくれよ。
〜74日目〜
ヘルガーさんが突然犬種獣人を連れてきた。
「隼人様にお会いしたいと私の友人が訪ねてまいりました」
「初めまして。ワンリルと申します」
簡単な自己紹介を終えたあとに、
「風の噂で結婚式を挙げると聞きましたのでお祝いの品をお持ちしなければならないと思いまして」
「これはこれはご丁寧に。ありがとうございます」
「かねてより我々犬種獣人族はあなたと親睦を深めたいと思っておりました。これを機にどうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそ」
そのあとは他愛もない話をしてワンリルさんは帰っていった。
「物腰が低くて愛想のいい人だったな」
「ああ見えてなかなか抜け目のない奴ですよ」
「どっちかと言うと間が抜けてそうな感じなのに。そういやお祝いの品ってなに?」
「山菜です。あと結婚式の準備に使ってくださいと犬種獣人の女性を4人連れてきているとのことです。全員料理上手らしいですよ」
「それは助かるな」
食材はもちろんのこと人手が増えるのは本当に有難い。
なにしろ当日は100人分近い料理をしてもらわなければならないのだから。
「みなさん見目麗しい女性ですが、結婚式が終わるまでは手を出さないようお願いします」
俺をなんだと思ってるんだろうか?
結婚式が終わっても出しませんって ⋯⋯ 多分。
〜75日目〜
今日は料理班と会議をした。
その席で犬種獣人の4人が紹介された。
うち1人がワンリルさんの娘でルリル。
美人ではないけど愛嬌があって人懐っこそうな顔立ちをしている。
「結婚式の料理だけど、ぶっちゃけぼくに任せてくれない?」
ボクっ娘だった。
「ここにいる誰よりも上手に作れると思うんだ。どうかな隼人様?」
「と言われても、きみの腕前を知らないしな。試しになにか作ってみて」
「ラジャ!」
そうして出てきた山菜料理。
「うまい!」
あまりの美味さに一同全員舌鼓を打つ。
満場一致でここに料理長が誕生した。
〜お馴染みの夜〜
「こっちも料理しちゃうよ〜」
ルリルは若いのにとんでもないテクニックの持ち主だった。
「う〜ん、おいしっ」
さらにエロエロわんこだった!
「うわ! お腹大きくなっちゃった? なんでなんで? ふっしぎ〜」
ヘルガーさん。
言い訳していいかな?
俺はいっさい手を出してないからな!
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