#53 戦乙女は恵みと憧れを残して
試合終了翌日
聖都グロリア ゴールデンアイ城 王室
エーロゲ王「そうか・・・地下闘技場なるものが存在しており、そこに凶魔が住み着いておったと・・・」
エーロゲ王「魔王軍復活の噂は本当だったのだな。それで、その凶魔はどうなった?」
カズ「はい、先日マリア・・・じゃなくて、ケーネが倒しました」
マリア「へ?」
エーロゲ王「ほう、君がか」
マリア「ちょ、お待ちなさいカズさん!倒したのはカズさんでしょう!?(小声)」
カズ「トドメを刺したのは俺だけど、致命傷を与えたのはお前だ。手柄のほとんどはお前にある(小声)」
マリア「ですが・・・」
エーロゲ王「なかなか見込みのある姫君だ。ありがとう、君のおかげで我が聖都グロリアは救われた。君は英雄だ」
マリア「エロゲー将軍・・・」
エーロゲ王(・・・訂正しなくていいかな、もう)
エーロゲ王「まぁよい、なんにせよ君たちには世話になった。よって、かねてから約束していた報酬を贈呈しよう」
ユイ・マリア・ネロ「!!」
エーロゲ王「ワルプリィ・ソニア・レクイエムは、生ハムメロンだったな。受け取るがよい」
ユイ「うおおおおおおお!!!」
ネロ「ユイ殿、最近Season終わりにいっつも生ハムメロンもらってるな」
ユイ「うるせぇ変なこと言うな!」
エーロゲ王「で、ロンリネス・ジェノサイディア・ケーネはH&KPSG1だったな。受け取るがよい」
マリア「ありがとうございますわ、嬉しいですわ!!」
カズ(国家機密を民間人に渡していいのか・・・。まあ王の意向だから大丈夫か)
エーロゲ王「国家機密であるから、くれぐれも人目のないところで使うのだぞ」
カズ(やっぱダメなんじゃん。わりとグレーめな報酬なんじゃん)
エーロゲ王「エッチ=スケッチ=ワンタッチー58世なんだが、君は何の要望もなかったから、適当に繕っておいた。受け取るがよい」
ネロ「なんですかこれ」
エーロゲ王「我が聖都グロリアの潤い輝く神聖な水を使用して作られた宝玉だ」
ネロ「うわ、いらねぇ」
カズ「バカっ、ストレートに声に出すな!」
ネロ「だっていらねぇんだもん」
エーロゲ王「はっはっは、では君は何が欲しいのだ?」
ネロ「ハンドスピナー」
カズ「そっちのほうがいらねぇよ」
エーロゲ王「そうか、では我が聖都グロリアの潤い輝く神聖な水を使用して作られたハンドスピナーを君にやろう」
ネロ「マジすか、やったー!」
カズ(神聖な水でくだらねぇもん作るなよ)
エーロゲ王「ところで勇者カズ、君は何か欲しいものはないのか?」
カズ「え、俺ですか。別にないですけど・・・」
カズ「まぁ強いていうなら、『月刊パチプロマガジン』の最新号を・・・」
ユイ・マリア・ネロ「それが1番いらねぇよ」
カズ「・・・」
カズ「じゃあ、宝玉でいいです・・・」
聖都グロリア 宿屋前
ガルシア「よし、荷物は持ったな。帰るぞロイド」
ロイド「はい・・・」
ガルシア「まったく、1人で勝手にあんな危険な場所に行きおって。自分の力を過信しすぎじゃ愚か者」
ロイド「ごめんなさい・・・」
ガルシア「ま、あんな屈強な大人ども相手に決勝まで残ったのは大したもんじゃ、そこは褒めてやろう」
ロイド「じいちゃん・・・!」
ガルシア「だが、家族に心配をかけたことは許さん。帰ったら5時間座禅じゃ、わかったか」
ロイド「はい・・・」
ガルシア「あ~っそれにしても重いわい、ちょっとこれ持ってくれんか?」
ロイド「はい・・・って重っ!!なんですかこれ、なに入ってんですかこれ!?」
ガルシア「4千万G」
ロイド「へっ!?なんですかその大金、なんでそんなもん持ってるんですか!?」
ガルシア「もらったんじゃよ、昨日な」
ロイド「もらったって・・・誰に?」
ガルシア「お前が昨日決勝で戦った子じゃよ」
ロイド「え、あのケーネとかいう女が!?」
ガルシア「うむ。まぁそれは偽名らしくての、本当はマリアという名前だそうじゃ」
ロイド「は、はぁ。それで、なんでそんな大金をもらったんです?」
ガルシア「あぁ、大会が終わったあと、心配だったもんで彼女を様子を見に行ったら待ってましたと言わんばかりに迎えられての―――」
前日 表彰式後
アンダーワールド・選手控え室兼手当所
マリア「ガルシアさん、この優勝賞金の4千万どうかお受け取りください」
ガルシア「な、何を言っておる。とてもじゃないが、見ず知らずのじいさんに渡すような金額ではないぞ」
マリア「・・・あなたの孫、ロイドが言っていましたわ。妹のリッカが謎の病気に侵されている、と。その病気、先ほど戦ったチャンピオンの凶魔が放った毒による症状ですの」
ガルシア「な、なんと・・・!」
マリア「凶魔の放った毒が、微量ではありますが感染してしまったのでしょう。近いうちに身体が毒に耐えきれなくなり死に至ってしまうかもしれません」
ガルシア「そんな・・・」
マリア「しかし、助かる方法が1つだけあるそうです。ですよね、カズさん」
カズ「えぇ、毒を撒き散らした凶魔本人から聞き出した情報ですが、退魔士などの闇を滅することのできる者の力があれば、毒を消滅させることができます」
カズ「あなた方のお住まいの村・ルドルフ村の近くにあるフルールシティ、そこにダーリスという退魔士がいます。癖の強い男ですが、信頼できる退魔士です。彼に頼めばリッカちゃんは助かると思います」
ガルシア「なるほど。そのための4千万ということか・・・」
カズ「ま、正義の心を持つ彼のことですから、要求してきてもせいぜい1千万ほどでしょうけどね」
ガルシア「む。では、どうして4千万も・・・?」
マリア「治療費というのは建前で・・・本当はこの賞金、できればロイドに受け取っていただきたいからですわ」
ガルシア「ロイドに、何故・・・?」
マリア「彼にはその資格があります、なぜなら―――」
ガルシア「『ロイドの妹を思う気持ち・意志には幼いながらに心を打たれました。純粋で一途な正義の精神、それに対する敬意を細やかながら表したいのですわ』・・・じゃとよ」
ロイド「・・・」
ロイド「けっ、余計なお世話だってんだ・・・うっ・・・」
ガルシア「そうかそうか、余計なお世話か。ところでロイド、その涙は妹を助けられることに対する喜びなのか、賞金を譲ってくれた彼女への感謝なのか、どっちじゃ?」
ロイド「・・・っ、どっちもだよ!!」
ガルシア「ふふ、まったく・・・素直じゃないやつめ」
ガルシア「最後に伝言じゃ、ロイド。システィーナ・マリア殿から」
ロイド「伝言・・・?」
ガルシア「『妹を守ってさしあげるんですのよ』、とな」
ロイド「・・・!!!」
ロイド「じいちゃん、マリアは・・・マリアさんは、どこに?」
ガルシア「王に顔出ししてすぐに旅立つと言っておったの・・・恐らくもう近くにはおらんじゃろ」
ロイド「・・・んだよ、勝ち逃げしやがって」
ロイド「すぅ~っ・・・」
ロイド「マリアぁぁぁぁ~~~~!!!!!金ぇ~~ありがとうよ~~~~!!!!!」
ロイド「リッカは俺が守るからてめぇは余計な心配すんじゃねぇぞコノヤローーーー!!!!」
ガルシア「・・・なんじゃ、その下品な咆哮は」
ロイド「だって、感謝くらいは叫んでおかないと気持ち悪いし・・・」
ガルシア「だとしてももうちょっと丁寧な言葉を使えんのか。それこそ、マリア殿のような」
ロイド「・・・なぁじいちゃん、俺もマリアさんみたいに強くなれるかな?」
ガルシア「ふん、当然じゃ。なんたってワシの孫じゃからの」
ロイド「そっか・・・!」
ロイド(待ってろマリア、いつか絶対にアンタに追いついてやるからな・・・!)
地下に潜む凶魔を倒し、野望渦巻く聖都に平和をもたらしたマリア。一段と強くなり、その強さは勇者カズも感心するほど。しかし、強くなったのはマリアだけではない。未知なる力を発揮するネロに、人知れぬポテンシャルを隠し持っていたユイ。
カズ旧友との修行を経て、予想以上の成長を見せた3人。しかし、彼女たちはまだまだ成長する。幼き少年の放つ気高き光に魅せられたマリアのように。
そんな彼もまた人知れずマリアに惹かれ、更なる強みへと進もうとしていた・・・
同刻
とある草原地帯
カズ「・・・なぁ、どこかから叫び声が聞こえないか?」
ネロ「叫び声・・・別に聞こえんが?」
カズ「そうか、なんかマリアのことを叫んでたような気がしたんだが・・・」
ユイ「やばい、みんなっ・・・幻聴聞いてるっ・・・幻聴聞いてる人がいるよ~!!」
カズ「おいバカ!デタラメなことを大声で叫ぶな!!!」
ネロ「ユイ殿、ここはカズ殿の耳を治してやったらどうだ、『天使の御手』で」
ユイ「いや無理だ、もう手遅れだ、治せない(棒)」
カズ「だれの耳が手遅れだてめぇ!!!!」
マリア「はぁ・・・まったく、騒がしいですわね・・・」
マリア(・・・心配なんてしていませんわロイド。だって、あなたは十分に強いんですもの)
マリア(妹さんのこと、大事にするのですのよ―――)
Season4 ~聖都動乱の章~
終
次回からSeason5です。なんか色々出てきます(適当)




