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5.探偵と助手

 次の日僕の寝不足はほぼ解消できていた。危険を感じた僕の身体は、僕の頭と身体の接続を強制的に遮断したらしい。朝起きた時には、記憶喪失みたいに何もわからなくなっていた。しばらくするとじわじわと、いろんなことが頭に戻ってきたけれど。

 それは昼休みのことだった。教室で須田くんと、どちらが社会科教師ミソンの物真似をうまくできるか競い合っていると、あまり話したことのないクラスメイトに肩を叩かれて紙きれを渡された。廊下で、僕に渡すように頼まれたのだと言う。

 罫線の入った、メモ帳の一枚。クセのある字で、そこにはこう書かれていた。

「今すぐ部室に来るように。 S」

 須田くんも、前から覗きこむようにしてその紙を見た。

「……部活、やめたって言ってなかったか?」

「そう思ってたんだけど」

「でも行くのか」

「うん」

「そうか。渡瀬くん。……好きなんだな」

「うん」

 僕は教室を飛び出した。昼休みの廊下は人でごった返していた。制服と制服の間をすり抜けて、僕は走った。「そとづらの道」の前で一応息を整えて、そこでは歩いた。けれども早足で歩いた。第九応接室。探偵部室の電気は、点いていた。僕はがらりと扉を開けて中に入った。

 奥のパソコンに向かって、法月さんは座っていた。顔を上げるなり言う。

「君は今から早退だ。その顔色では体調不良を理由にはできないな。家庭の用事のため午後から早退だったのに、ボケた君は担任に朝それを伝えるのを忘れていた。昼ご飯を食べてから思い出し、慌てて帰る準備をすることになった。……そんなボケた奴がいるだろうか?いやいないとも限らない。君なら疑われることはないだろう。ともかく時間がない。すぐに教室に行って帰る準備をし、ここに戻ってくるように」

「……僕はもう、いらないのかと思った」

「探偵は、そう簡単に助手を捨てたりしないよ」

「昨日ここに来たんだよ。でも閉まってた」

「昨日私はここにいたよ。長いこと待ったけど、君は来なかった」

「……僕たちの関係って、何だろう」

「探偵と助手」

「そうだけど。その、一般の人間関係に当てはめるとしたら」

「友だち」

「そうだよね」

「どういう意味?」

「ううん」

「ともかく急いで。話はそれから」

 慌てて部室を出ようとすると、呼び止められた。

「生徒手帳置いてって」

「え?」

「急いで」

 言われるままに、僕は生徒手帳を出して渡した。そうして教室に取って返す。鞄の中に教科書やノートや筆記用具を突っ込みながら須田くんに説明をした。忘れてたんだけど、今日、ちょっと家の用事で、午後から帰らないといけなかったんだ。

「……気をつけるんだぞ」

 須田くんはあきれたような顔をして、そう言った。

 じゃあ、と言って、リュックを背負い、僕は再び教室を飛び出した。


 部室に戻ると、テーブルの上に僕の母親の字で「家庭の用事があるため午後早退します」と書かれた紙が置いてあった。僕は困惑した。

「ああ、知り合いにもらったアプリでね。スキャンした文字を元に、筆跡を再現してくれる」

「……これを切り取って貼りつけるの?」

「まさか。これをお手本にして書いたんだ。ほら」

 法月さんは僕の生徒手帳を広げて、「諸届・許可」欄を僕に見せた。どこからどう見ても、僕の母親が書いた文字だ。自分の身内を褒めるのもなんだけど、いかにも大人の女性らしい綺麗な字なのに。それをどうして、たとえお手本があるにしたって、あのお世辞にもうまいとはいえない妙なクセのある文字を書く法月さんが書けるのかわからない。

「もしかして、普段はわざと汚い字書いてるの?」

「そんなことしないよ」

「だってこんなに綺麗な字が書けるのに」

「これは左手で書いたんだ」

 法月さんはパソコン台の引き出しを開けると、中から印鑑を取り出した。

「私は元々左利きなんだ」

 言いながら、「保護者印」の欄に捺印をする。「渡瀬」と。

「なんで僕の家の印鑑があるの?」

「こんなこともあろうかと、君の入部届に押してあったのと同じ印鑑を探して買っておいたんだ」

「……犯罪じゃないかな」

「そんなの気にしてる場合じゃないよ。助手の信頼を取り戻さないと」

「僕の信頼?」

「証明するよ。私が正しいってこと」

 そうして僕は、言われるままに、偽造の保護者連絡の書かれた生徒手帳を持って職員室へと向かった。担任の先生は何の疑いも持たず、朝に持って行くのを忘れていて、という僕の説明すらろくに聞いてはいなさそうだった。明日は普通に登校するんだね?と問われて、はい、と答えた。あっけなく、担任印が捺印された。それにしても、次に実際欠席か何か、母親に届を書いてもらうことになった時には、どうしたらよいのだろう。忘れっぽいなあ母さんは、とか何とか言ったらごまかせるだろうか。


 僕と法月さんは、学校の最寄り駅で合流した。彼女は私服姿に変わっていた。グレーのパーカーに細身のジーンズ。探偵部室で着替えたらしい。学校の正門のところには監視カメラがあるから、別の場所から出たという。

「この時間、制服着てたら目立つからね。ほら、君の服も用意してあるよ」

「……法月さんも偽造の早退届出したの?」

「私は今日は欠席だよ。親の声色で電話した」

「欠席なのにどうやって学校にいたの?」

「昨日は『まちがえて』部室の鍵を持って帰った。ちなみに今も持ってるけど」

「……大丈夫なの?」

「大丈夫じゃないけど、大丈夫」

 それは結局大丈夫なのだろうか。

 僕は渡された紙袋を持ってトイレに行き、着替えた。紺色の長袖ボーダー柄Tシャツと、ベージュのチノパン。脱いだ制服を紙袋の中に突っ込んで、法月さんのところに戻る。

「この服、買ったの?」

「うん」

「法月さんが?」

「うん」

「サイズとか……よくわかるね」

「助手のサイズくらいわかる」

「その……代金とかどうしたら。というかそもそも、これから何をするの?」

「お金のことは気にしなくていい。それから、今から水戸さんの家に行く」

「ええっ?」

 彼女の家は徒歩圏内だと言うので、僕たちは電車には乗らず駅を出た。学校と反対側の方角には、僕はまったく行ったことがなかった。あまりきれいではなさそうな川が、道路の脇の下の方を流れている。酒屋さん。クリーニング屋さん。文房具屋さん。小さな店の入り口はどこも薄暗く、ちょっと埃っぽいようなにおいがする。

「水戸さんは、今日休んでるの?」

「いや、登校はしていた。早退してない限りは学校にいる」

「じゃあ、親御さんに会うってこと?」

「いや、今家には誰もいないはず」

「いないのに、行ってどうするの?」

「入るんだよ。水戸ゆりなには小学生の弟がいる。登校前に、彼とちょっとしたおしゃべりをした。その時に家の鍵を拝借したんだ。大丈夫、彼が帰る前にちゃんと返すよ」

 僕は絶句して、隣を歩いている法月さんを見た。

「どうかしてるよ」

「うん、どうかしてる」

「冗談じゃないよ。泥棒に入るってこと?」

「泥棒はしないよ。何も盗らない。約束する」

「そういう問題じゃないよ」

「入るのいや?」

「いやだ」

「じゃあ外で待ってたらいいよ。けど、君が入らないんだったら、証拠品はいったん外に持ち出さないと君に見せられないな」

「僕に見せる?それだけのために人の家に不法侵入するの?」

「そうだよ。私は水戸ゆりなが犯人だってこと、君に証明しないといけない」

 法月さんはまっすぐ前に視線を向けながら言った。見たことがないほど厳しい目をしている。早退届の偽造のことだとか、服のことだとか、法月さんは終始何でもないことのように冗談めかしていたけれど、もしかすると本当は、彼女はそんなに平気ではないのかもしれない。鍵を盗んで勝手に人の家に入るなんて、はっきりいってとんでもないことだ。けれどもこれらのこと全部、彼女がしようと考えたのは、それは僕のせいなのかもしれなかった。

「持ち出すのは駄目だよ」僕は言った。

「僕も入る。誰かに見つかったら、一緒に逮捕される」

 僕が言うと、法月紗羅はふっと表情を緩めた。

「君の誕生日はまだ先だろう。十四歳になってない。だから逮捕はされないよ」

 太ったおばさんが、荒い息を吐きながら自転車を押していた。坂道を登りきると、そこからは住宅地だった。どこかの家で犬が吠えていた。塀のまわりにたくさんのプランターを並べた家から女の人が出てきて、僕たちをちらりと見た。僕は心臓がバクバクした。法月さんは平気な顔をしている。

「堂々とすること。水戸さんは文化祭の劇の練習で使う大事な小道具を家に忘れた。ないとクラス全員が困るけど、水戸さんは役者だから抜けられない。だから小道具係の私たちが、かわりに取りに来た。どうして私服なのかというと、文化祭の舞台準備は汚れるから、みんな汚れてもいい服に着替えてる。そんなところだ。……けど万が一誰かに何か訊かれたとしても、そんなことをぺらぺらしゃべる必要はないからね。なるべく短く最低限で答えるんだ。というか君はただ、黙ってぼうっとしてればいい。受け答えは私がするから。隣近所の家の人、出てこないなら出てこないに越したことはないけどね。ほら、あそこだ」

 住宅地の中には、比較的新しくて立派な家もちらほらあった。けれどその家は、小ぶりで、建てられてからだいぶ経っている感じがした。古びた塀にはちょっとヒビが入っている。窓に庇がかけられていて、純和風の雰囲気があった。鉢植えやプランターは一切置かれていなかったけれど、隣の家のぼさぼさした木が窓のすぐ横まで覆いかぶさっている。

 法月さんは、かちゃん、と音を立てて門を開けた。いつの間にか赤い軍手をはめている。僕の視線に気がつくと、「二人とも手袋だと怪しいだろう。だから君は部屋に入ってからだ。それまでどこにも触るな」と言った。本当に、泥棒みたいだ。門を入るとすぐ玄関扉で、法月さんは伸びきったゴム紐のついた鍵を取り出すと、何食わぬ顔で扉を開けた。彼女に続いて中に入ると、きゅうりとお線香を混ぜたようなにおいがした。小さな玄関には、茶色いつっかけと子ども用のスニーカーが並んでいる。

「……こんな小さい家に、家族四人で住んでるんだなあ」

 法月さんが心底感心したように言った。僕は少しむっとした。あまりよくは知らないけれど、彼女はたぶん、金持ちのお嬢様だ。

「普通だよ、このくらい。僕の家だって似たようなものだ」

「なんで怒るの」

「別に」

 僕は青い軍手を渡されて手にはめた。二人で台所に向かう。ココアに入れられていたのは「唐辛子ウォッカ」だった。タバスコとウィスキー、みたいにバラバラに刺激物が入っていたのではない。「ペルツォフカ」という名前の、れっきとしたロシアの飲み物なのだという。ウォッカに唐辛子を漬けこんで自分で作ることもできないわけではないけれど、ココアに入れた程度の少量だけ作ったとは考えにくい。つまり「唐辛子ウォッカ」は、「犯人」の家にまだあるはずだ。――ということを、法月さんは説明した。ちなみに「ペルツォフカ」の名前を教えてくれたのは、五条先生だという。

 台所の床は少し油っぽかった。小さなスペースに四人掛けのテーブルが置いてある。流しのところには、食器が水につけてあった。三つ口コンロには、すべてお鍋が載っている。

「お酒があるとしたら、戸棚かな」

 法月さんが戸棚を開ける。僕は流しの下の扉を開いてみる。台所にあるすべての棚と引き出し、床下の収納スペース、棚と棚の隙間、全部確認した。冷蔵庫の中、冷凍庫も覗いてみた。日本酒や焼酎の瓶が並んでいる場所は発見した。けれども「唐辛子ウォッカ」どころかウォッカ、というか洋酒自体見当たらない。

「最後にちょっとだけ残ってたのを使ったのかもしれないよ」

 僕は言った。法月さんは台所の隅に裏口を発見し、そのすぐ外にあったゴミ袋の、缶や瓶が入っているのを漁り始めた。

「……ない」

 法月さんは呟いた。


「もし瓶があったら、水戸さんが犯人だという『証拠』にはなった。でも、ないからといって、それが否定されるわけではないよ」

 僕は言った。法月さんは納得がいかないようだった。台所以外の場所、物置や、居間の棚やタンスまで確認し始めた。もちろん開けた場所はいちいち閉めたし、中身はなるべく触らないようにしていた。奥を見るために触った場合も慎重に元に戻した。それでも、「泥棒みたいなことをしている」という気持悪さは拭えない。

「そっちに一部屋ある」法月さんは言った。

「そこしか考えられない」

 居間の押入れには布団が収納されていて、どうやら両親と弟さんは居間に布団を敷いて寝ているらしかった。そして奥にある扉の向こうは、おそらく水戸さんの部屋だった。

「……僕はやめておく」

「なんで」

「なんとなく」

 いくらなんでも、知っている女子の部屋に無断で入るのは、なんだか駄目だという気がした。すでに無断で家に押し入ってあちこち見まくった後で今さらなのかもしれないけれど。でもそれは、台所や居間を探るのとは、またちょっと種類が違うことのように思う。

「……わかった」

 そう言うと、法月さんは背負っていたリュックを下ろして僕に渡した。小ぶりで、軽かった。法月さんの制服が入っているようだった。

「持ってて」

「いいけど、なんで?」

「私が一人で水戸さんの部屋を探して、見つけたとしても、私が隠し持っていたかもしれないじゃないか」

「そんなこと思わないよ」

「そういう可能性が残るのはいやだ」

 法月さんは自分の着ているパーカーとジーンズのポケットを全部出して、ジャンプしてみせたりして、何も持っていないことを示した。それから扉の向こうに消えた。

 僕は法月さんのリュックを片手に持ったまま、居間や台所に入り、元通りにし忘れたところがないか、見て回った。法月さんは、水戸さんの両親はお店をやっていて昼間は絶対に帰ってこないから、と言っていた。そうは言っても万が一のことはあるかもしれない。もし帰ってきて鉢合わせしてしまったら……本当に、どうしよう。

 その時、ばん、と扉が開いて、法月さんが出てきた。ひどくうかない顔をしている。

「……なかった?」

 訊ねると、うかない顔のまま首を横に振る。

「あったの?」

 法月さんはこくんと頷き、部屋の中を指さした。

 僕は入るのにためらったけど、法月さんが「別にそんな女子なものはないから。入ったって問題ないよ」と言うので、おっかなびっくり失礼した。確かに普通の部屋だった。和室にベッドが置いてある。ベッドには、緑色のキルティングのベッドカバーがかけられていた。棚には、国語の教科書に載っていた小説の本が何冊かと、あとは辞書と参考書とクマのぬいぐるみが置いてある。その棚の下半分は扉になっていた。法月さんは、その中だ、と僕に言う。金属の取っ手を掴んで開けると、女の子向けのファッション雑誌とふしぎな雰囲気の綺麗な装丁の絵本とともに、赤い唐辛子のイラストの入った琥珀色の瓶があった。ラベルには、PERTSOVKA、と書いてあった。瓶の中身は少しだけ、減っていた。


 最後にもう一度、すべてが元通りになっているか確認して回ってから、僕たちは家を出た。法月さんが鍵を閉めた。法月さんは、元気がなかった。唐辛子のお酒は確かにあった。つまり法月さんは正しかったということが証明された。それなのにどうして元気がないのか、僕にはまるでわからなかった。

 法月さんによると、水戸さんの弟さんは近所の公立小学校に通っていて、今日は三時に下校するとのことだった。通学路に公園があったので、僕たちはその入り口で待つことにした。

「あ、恐竜のおねえちゃん!」

 三、四年生くらいの子どもがにぎやかに通り始めたと思ったら、カタカタとランドセルを揺らしながら向こうから近づいてくる子どもがいた。水戸さんに、少し似ている。

「あのさ、あのさ、今度パキケファロサウルスのシール探しておくから。そんでさ、オレ、考えたんだけど、ブラキオサウルスは尻尾をぶんぶん振り回して武器にするから、ほんとは強いんだよ。でも角にはやっぱ負けるかなあ。だけどトリケラトプスもブラキオサウルスも両方草食で大人しい性質だから、だから戦わないと思う」

 僕にはほとんど、彼が何を言っているのかわからなかった。けれども法月さんは、にこにこと人好きのするような笑顔で「やあ」と笑うと、

「ブラキオサウルスのお気に入りの場所にトリケラトプスが入ってきて、美味しい草を取り合って喧嘩になる可能性はあると思うな」

「そっか、ブラキオはでかいもんな。広い場所いるよな」

「でっかいから、たくさん食べないといけないし」

「そっか。それで目があって、バトルになる。でも、そこにティラノが来たら、協力して立ち向かうんだ」

 少年と何やら真剣に話している横で、僕はただぽかんとするしかなかった。しばらく恐竜の話で盛り上がった後、法月さんは「ところで家の鍵、ちゃんと持ってる?」と訊いた。

「うん」

 少年は平然とした顔でランドセルを下ろしポケットのファスナーを開けた。が、やがて「え、あれ?」と慌て始める。

「ゴムでつながってたのに。ない!」

「今日の朝、落としてたよ。ほらこれ、拾っておいたから」

「ゴムでつながってたのに」

「切れちゃったみたいだよ。ほら、伸びて細くなってるし。お母さんにきれいなのと取り換えてもらったら?」

「ほんとだ。びろびろだ」

 少年は鍵を受け取ってゴムをまじまじと見て、それから思い出したように顔を上げて「ありがとう」と法月さんに言った。

「鍵は落とすと危ないよ。気をつけないとね」

「うん。でさ、ギガノトサウルスが……」

「ごめん。私、そろそろ行かないといけないんだ」

 法月さんがそう言うと、少年は一瞬悲しげな顔をした。が、妙に物わかりのいい笑顔に変わると、訊ねた。

「デート?」

「うん、そう」

「お兄ちゃんも恐竜詳しいの?」

「お兄ちゃんは私より詳しいよ」

 しゃあしゃあと法月さんが言うので「え?」と僕はうろたえたが、少年はありがたいことに「うっそでえ」と言って信じなかった。

「パキケファロサウルス、探しとくからな」そう言うと、手を振って、向こうに見つけたらしい友だちのところに走っていく。

「パキケファロサウルス……って、どんなの?」

 僕は法月さんに訊ねてみた。

 少年に手を振り返していた法月さんから、すっと笑顔が消えた。

 僕の質問には、答えてもらえなかった。

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