1話 可愛い格差
「クラスで一番可愛い子って誰だと思う?」
「んー國塚さんじゃない?」
「え!佐倉さん一択だと思ってた!國塚さんちょっとデカいし...」
「佐倉さんは次元が違うから無しだろ〜」
クラスの男子3人組が下らない話をしている
(聞こえてるっつーの)
「くるみ?どうしたの?」
「ううん!何でもない♡」
内心では悪態をつきつつも、いつも通りの可愛い返事をする
私 國塚くるみはクラスで、いや世界で一番可愛いを目指している
学校では一瞬たりとも気を抜かず、常に笑顔で優しい子を演じる
家に帰ったら筋トレ、ストレッチ、美容に良い食事を用意して、スキンケアも欠かさない
もちろん睡眠時間にも気をつけている
可愛さ意外の全てを捨てて努力しているつもりだ
その結果がこの様だ
男子生徒のランキングで雑に消費され、
次元が違うほど可愛い子が同じクラスに居る
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「これ期間限定のチョコ!売り切れ続出で何処にも売ってなかったんだけど、偶然見つけたの!」
女子高生らしい話題で目を輝かせている友人は何故かこちらに貴重なはずのチョコを一粒差し出している
(くれるってことね)
カロリー制限をしているので本当は要らないが、断るのも印象が悪い
パクッと頬張り、美味しいと伝わるように目を細める
「ん〜美味しい♡ありがとっ」
そう言いつつもパッケージを凝視して一粒何kcalなのか把握する
(甘いものも我慢してるってのに2番手ね...)
ふと廊下に目をやると、珍しく佐倉さんが1人で歩いていた
入学してもうすぐ1ヶ月
嫌と言うほど“可愛さ”の差を思い知らされている
もうこうなったら背に腹はかえられない
直接佐倉さん本人に可愛さの秘訣を聞こう
お菓子やジュースを貪っている友人から離れ、佐倉さんの元へ行く
「佐倉さんっ!」
「國塚さん。どうしたの?」
「前から思ってたけど、佐倉さんってとっても可愛いよね♡」
「えっと.......ありがとう。」
「もし良かったらどんなスキンケアしてるか教えて欲しくって!」
普通に褒めたつもりだったが、何故だか悲しそうな顔をされた
「スキンケアは...」
その後丁寧に教えてくれたが、特別なことは一切していないどころか、どちらかと言えば雑な方法だった
彼女が悲しい顔をした理由が分かった
(何もせずともその可愛さって訳ね)
せめて性格が悪ければなーと思いつつ
参考にならない情報に礼を言って友人の所へ戻る
「柚夏。さっきのチョコもう一粒ちょうだい♡」
「えっ...」
やけ食いに巻き込まれた友人の気持ちと、チョコのカロリーは考えない事にした




