次年度新入生(後輩の場合)
最終話です。
俺の名前は入江 歩今年から柳清学園に通う一年生男子だ。
俺には3つ上の姉がいて去年までここに通っていたんだけどこの春無事に卒業して大学に通っている、いれちがいだけど面白い話や注意事項はたくさん教えてもらえたから情報を活用して快適な高校生活を目指したい。
例えば?そうだな、冬は雪かき行事があるから防寒具はしっかり揃えとけとか?実家は南で雪は降っても数センチ、想像がつかないっていったら今年の秋には買い物行くぞって言われたよ。ここまでくるとこれは面白話の部類になっちゃうのかねぇ?
一番のお役立ち情報はやっぱりテストとか授業内容だよな、受験勉強とかもいっぱいアドバイスもらえてホント助かった、俺は姉さんほど頭良くないんだ。きっと授業もいっぱい泣きつくことになるだろうなって思ってる。
おもしろ情報といえばやっぱり去年のゲーム現象の話だよな。
姉さんは乙女ゲーム現象とか呼んでた。本当にゲームのイベント現象のような事態や会話がおきて一部の人には乙女ゲーの呪い(笑)とか言われてたらしい。それも冬には終わっちまったみたいだけどな。
なんでもバレンタインデーからホワイトデー、卒業式の間にすったもんだの末ヒロインちゃんと呼ばれる先輩と去年卒業した姉さんの同級生のヘタレ先輩がくっついたら終わったんだと。ところでヘタレ先輩って渾名はひどすぎないだろうか?
ヒロインちゃんは可愛くて天然入ってる女子たちのアイドルらしい。女子たちのってあたりがコワイ気がする。何かあったら学園中の女子が敵に回るってことだよな?できたら関わらないようにしたいんだけど誰かわからなかったらそれも出来ない、俺は先輩たちが座る方向を向いてそれらしき人を探すことにした。
あ、今ですか?入学式と始業式の真っ最中です。
学年は去年1年だったらしいから今年は2年の席にいるはずだよな?きれいな栗色のロングだって聞いたんだけど・・・見分けつかねぇ。
ところで俺、今朝から気になる奴がいるんだけどさ。
あ、女子じゃねえよ?男子、男子・・・恋心的な気になるじゃねえからな?
なんつーの?ハーフ?明らかに他の血が混ざってますねって容姿、しかもマジイケメン。
女子がキャーキャーいってんだけどさ、なんつーか浮世離れしてるっていうか俺らとは格が違うっていうか・・・とにかく変な意味で目立つんだよ。
んで、男子の間で騒がれてるのが他のクラスに居る長瀬 未来。俺はまだ見てねえけどすっげえ美少女なんだと。まあこの二人が俺らの代では有名人になりそうだよな、先輩はヒロインちゃんこと春日先輩に生徒会長の大内 勝先輩、天才として有名な佐伯先輩もいたな。
考え事してたら入学式終わってたわ、教室もどんねぇと。
「入江、お前あの噂聞いたか?」
「どのうわさだよ?」
廊下を歩いてたら後ろからクラスメートが話しかけてきた、寮で何回か話してて交流もある、なかなかに順調な高校生活の滑り出しだろ?
「長瀬だよ長瀬」
「ああ、美少女って噂のやつか?俺まだ見てねぇんだよな」
「そっちの噂じゃねぇよ、今朝長瀬が大内生徒会長にお姫様抱っこされてたっての聞いてねぇの?」
「はぁ!?」
「なんか登校中に激突して足くじいたらしいぜ?そんでお姫様抱っこ」
まるでゲームみたいだよなぁとクラスメートがつぶやくのをどこか遠くで聞いてた。
おいおい、呪い(笑)じゃなかったのかよ?状況が(笑)じゃねえよガチで呪いだよ。
でも姉さんに聞いた話だと面白くはあったが害は一切なかったらしい。むしろヒロインちゃん含め攻略キャラポジもライバルキャラポジも互いにくっついて皆幸せ見てる奴らも腹筋やばくて幸せ、被害はせいぜい甘すぎて胃もたれがひどいくらいっつってたよな?あとコーヒーの売れ行きがものすごくいいとかなんとか・・・
害がないならこれも高校生活の醍醐味として愉しめばいいよな!・・・あ、もちろん俺は遠くから眺めるモブポジでお願いします。
結末としてはまだまだ続くよどこまでもなのですがそれでは永遠に作品が終わらないので今回でこのお話は完結です。
ここまで読んでくださりありがとうございました。




