第2話 僕は自身の夢の為に注文住宅を購入すると決めた!(4)
「(大島様、あの、ですね。わが社が建売り用に購入した区画が、商業施設側に面した道路側にあり。バス停やスーパーマーケット、病院、学校も近くにあります。その上安佐南区の平地なのでこれから先、建物に対しての査定が無くなっても土地価の方は下がる事はなく、未だ土地価格が上がる場所ですから。銀行の方もあの辺りの場所ならば。いざとなれば差し押さえても直ぐに売却が可能だからと、結構住宅ローンの方も乗り気になっているので大丈夫そうなのですよ。大島様……)」
山本さんはスマートフォンの向こう側から僕へと興奮気味に説明をしてくれたのだ。
だから僕の口からは「えっ!」と驚嘆が漏れ。
その後は「嘘~? 山本さん、その話は本当なのですか?」と僕は動揺しながら山本さんへと尋ねた。
「(ええ、本当ですよ。大島様、良かったですね……)」
山本もスマートフォンの向こう側から喜んでくれたのだ。
あの日……。あの午後にね……。
後々……。
そう、今の僕のお店……。【さつき】の店内の様子……。
お昼のランチタイムなのに、呪われたかのようにお客様の姿が一人としていない状態を僕は毎日のように見れば。
あの日、あの午後に、銀行側が住宅ローンの方を了承しなければ僕は、こんな悲惨なお店の状況を見て苦痛を味わう事も無く済んだのにと、今は大変に後悔をしているのだった。
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