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第53話 日本に帰れば(1)
「ほらぁ~、言わない、こっちゃない~」と。
「パパ~、いくからだよ。あんな世界はもう放置すればいいのに」とも。
まあ、もう既に日本人らしくなっている、地元の中学校指定の制服が良く御似合い。大変に麗しい金髪碧眼ツインテールの美少女様……。
僕の命の恩人でもあり、この広島お好み焼き屋【さつき】の経営不振を立て直してくれた商いのプロ、ではなく。女神様……。
そう、僕の大事な妻であるリムに。僕は呆れ顔と声音で告げ、諫められてしまったのだ。
だって僕は、リムの言葉……。自分達竜神を蔑ろにしてきた向こうの世界……。
まあ、僕が飛行──。停車……。上空から町や村の様子を僕が只窺うだけで悪意あるものだと。怪獣特撮映画やドラマ、アニメ、マンガの軍隊みたいに平然と攻撃をしかけてきた国民等、もう放置して庇護も外せば良いと告げられているにも関わらず。




