フィール王国の勇者
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ラピスがネフィル皇国に進軍を決意した時、その場にはネフィル皇国の諜報員が話を聞いていた。
(ヤバイ❗急ぎ、ネフィル皇国に戻りレオン様に報告をしなければ❗)
諜報員はフィール王国に一人では来ていない。全員で三人で来ていた。情報を共有し、何かあった時に備えての人数である。ちなみに、残りの二人は謁見の間以外を担当している。
それから数時間後、諜報員達は街から離れた場所で落ち合っていた。
「報告を・・・。」
「私からは特にありません。」
「同じくありません。」
「わかった。私からはラピス女王がネフィル皇国に進軍することがわかった。」
驚く諜報員の二人。構わず続ける諜報員のリーダー。
「一刻も早く伝えなければならない。お前達二人にはネフィル皇国とラガス帝国に行ってもらう。」
「何故ラガス帝国なのですか?」
一人の諜報員がリーダーに聞く。
「ラガス帝国にはステラ様が居る。もしかしたら何かしら助力していただけるかもしれない。」
納得する諜報員。
この時まだ彼等は知らない。彼等に迫る影があることを・・・。
「時間がない・・・。すぐに行け❗」
「リーダーはどうするのですか?」
「俺か?俺はここに残る。」
リーダーの顔を見て諜報員の二人は何かを悟った。
「わかりました・・・。必ずこの情報を届けてみせます。」
そういうと二人は姿を消した。
「さて、私は自分に出来ることをしようか・・・。」
そう言うとリーダーはフィール王国に向かって歩き出した。
程なくして、リーダーの前に人影が見えてきた。
「やはり、追手がいたか?」
「気付いていたんですか?気配は消した筈なんだけど・・・?」
「まだまだ修練が足りないな・・・。」
「そうみたいですね。ちなみに、貴方は何処の国の所属ですか?」
「答えると思っているのか?」
「ですね・・・。ちなみに、俺はラピス様に召喚された勇者です。あっ、貴方を追ってきたのは俺だけだから安心してください。他の勇者にしろ城の人達は気付いていないですから。」
「それを信じろと?」
「信じるかは貴方次第ですよ?」
リーダーは短剣を構えて何時でも攻撃できる体勢をとる。勇者はまだ構えていない。
「見逃してはくれないよな?」
「そうですね、見逃すわけにはいきません。ですのでここで死んでください❗」
勇者が言い終わるとリーダーは勇者に向かって走り出した。
ヒュン、ヒュン
リーダーの攻撃を危なげなく避ける勇者。攻撃を避けられたリーダーは更に攻撃をする。
ヒュン、ヒュン
またしても避ける勇者。
「この程度なんだ・・・。ガッカリだ。」
と呟いた。勇者の呟きが聞こえたらしくリーダーは勇者の心臓を目掛けて突きを放つ。その時、初めて勇者が動いた。
ザシュ
探検が勇者の心臓に届くことはなかった。
「ぐわぁぁぁぁぁ❗」
リーダーは叫び声をあげた。何故ならリーダーの右手首が勇者によって斬り落とされたからである。
右手首を抑え後退するリーダー。追いかけもせず立ち尽くす勇者。
リーダーはなんとか意識を保っているがいつ意識を失ってもおかしくない状態であった。
右手首を持っていた布で縛り、もう一本の短剣を左手で抜き痛みを堪えながら構える。
「逃げてもいいですよ?」
勇者はリーダーに言った。
「でも・・・、逃がす気はないですけどね❗」
カチン
一瞬の出来事である。勇者はリーダーに向かい走り出したと思ったらすでにリーダーを通りすぎ剣を鞘にしまっていた。鞘にしまったと同時にリーダーの身体がズレた。
ドサッ
上半身と下半身が綺麗にわかれた。リーダーは何も出来ずに命を散らしたのである。
(さて、一応は報告しないといけないかな?たぶん残りの人は報告に戻っただろうけど、そこまで追いかけるには時間がないな。)
そんなことを思いながら憂鬱な表情を浮かべる勇者。
(あっ❗彼に名乗るのを忘れた。まいっか。)
勇者の名前は・・・、和馬。岩谷和馬である。
和馬は勇者の中で一番弱い。それが何故諜報員のリーダーに勝てたのか・・・。それはずっと実力を隠してきたからである。そのため、勇者の中で一番強いのは委員長になっていた。
(どうやって報告しようかな?一応、俺は一番弱いことになってるから・・・。よし、報告はやめよう❗女王に会うのは面倒だし。)
こうして和馬は報告をしないことに決めた。しかし、訓練を抜け出した事で怒られることになるのだが・・・。それはまた別の話である。
その後、ネフィル皇国の諜報員の二人は無事にネフィル皇国とラガス帝国に着きフィール王国で得た情報を話したのであった。
場所はラガス帝国・・・。
ネフィル皇国の諜報員から情報を聞いたローゼはレナ達を謁見の間に集め、ネフィル皇国に何が出来るかを話し合うことになった・・・。
初めて勇者の名前が出てきました。なんか今さらなんですが・・・。たぶん、和馬以外の名前は出てこないかもしれません。
次回は明日の六時に更新します。
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