3人目は・・・
「こんちは~」
「ちぃ~っす!」
昼食を食べ終えたロックとウィルは、
改めて冒険者ギルドを訪れた。
「いらっしゃい、2人とも早いわね一番乗りよ、
その内、他のパーティーの人達も、やって来ると思うから、
この前の会議室で待っててくれるかしら」
ギルドの受付カウンターに座っていたモモエが、
そう告げて来た。
「分かりました。
ところで、他のパーティーの人達って、どんな人達なんですか?」
「ヒャッハ~な人達っすか?」
「それは、会ってのお楽しみって事で」
「え~、なんか不安な言葉ですね」
「同感っす!」
「フフフ、大丈夫よ、良い人ばかりだから」
「そうなんですか」
「前フリじゃないっすか?」
ロック達は、素直に会議室へと向かって、
他のパーティーを待つ事とする
「ロック先輩は、団体行動ってした事あるんっすか?」
会議室に着いた2人は、暇潰しにお喋りを始めた。
「ああ、俺は兄弟も多いし、
村の子供達とトレーニングをしてたから、
まあまあ、慣れてはいるかな」
「そうなんっすか、自分も兄弟は多かったんで、
いつも基本、団体行動だったっすね」
「ウィルも、俺と同じで、
兄弟で一番下だったから、理不尽な事とかもあったんじゃ無いのか?」
「そうっすね、基本、何をするにしても上から順番にだったっすから、
いつも、最後とか、後回しだったっすね」
「だよな~・・・うん?誰か来たみたいだな」
ロックは、廊下を、こちらの方へと歩いて来る、
複数の気配を感じた。
ロックの予想通りに、
会議室のドアがガチャッと音を発てて開くと、
何者か達が室内へと入って来る
「あれ?ロックじゃないか」
「レック兄ィ!」
会議室のドアから入って来たのは、ロックの直ぐ上の兄であるレックだった。
「一緒に居るのは妖精か?」
「うん、俺の仲間になった水妖精のウィルだよ、
ウィル、俺の兄貴のレック兄ィだ」
「ちぃ~っす!自分はロック先輩の、後輩のウィルっす!
レックさん、宜しくお願いしゃ~っす!」
「あ、ああ、宜しくな、
しかし、妖精を仲間にするとは、
相変わらずロックは、予想の斜め上を行ってるな」
レックに続いて、見た顔の男達も会議室へと入って来る
「あっ!レックの生意気な弟じゃねぇかよ」
「ホントだ!ここで会ったが100年目、
この前の借りを返して貰おうぜ!」
「ああ、レックがな」
「ああ、確か・・・3バカさん?」
「ちぃ~っす!3バカさん、ちぃ~っす!」
「「「俺達は、3バカじゃねぇ!」」」
「俺は、ワレラだ!」
「俺は、サンバだ!」
「そして、この俺様がカーディスだ!」
「ああ、そうそう『我等3バカです。』さん達でしたね」
「斬新なコンビ名っすね」
「「「俺達の名前を繋げて呼ぶんじゃねぇ!」」」
「ハハハ、ロック、
ワレラ達を、からかうのも程々にしとけよ」
「うん、分かったよレック兄ィ、
あれ?レック兄ィのパーティー、新しい人が入ったの?」
「カワイコちゃんっす!」
3バカの後ろから、小柄な女の子が入って来た。
「ああ、俺達のパーティーって、弓と火魔法の俺、
戦士職のワレラとサンバ、盾職のカーディスだけだったんで、
索敵能力に欠けていたんだよ、
そこで、斥候役として彼女に加入して貰ったって訳さ」
「そうなんだ、初めまして、
俺はレック兄ィの弟で、ロックです。
宜しくお願いします。」
「自分はウィルっす!」
「あらそう、レック君の弟なんだ
宜しくねロック君、ウィル君、
私はコギクって名前で、聞いての通り斥候役を務めてるわ」
「あの・・・もしかして、コギクさんの格好って忍者ですか?」
「シノビの者っすね」
「あら、良く知ってるわね、
そうよ、私は忍者が職業なのよ、まだまだ下忍の駆け出しだけどね」
「ロックは、良く知ってたな、
隣のコウガ王国では、割と知られた職業らしいけど、
この国生まれで、この国育ちの俺は全然知らなかったんだけどな」
「あ、ああ、行商の小父さんに聞いた事があったんだよ」
(ここは、困った時の行商小父さんだな・・・)
「自分は、水妖精王様から聞いたっす!」
「へ~そうなのか、そう言えばロックは、
よく行商の人と話してたもんな」
「うん、行った事が無い場所の話とかが聞けるから、
面白かったんだよ」
「新シエラザード紀行っす!」
「へ~、ロック君は好奇心が旺盛なのね、
性格的に、私と同じ斥候が向いてるかも知れないわね」
「コギクさんは、先程、下忍と仰っていましたけど、
そうすると、一番上は上忍なんですか?」
「ニンニンっす!」
「いえ、上忍の上にも、
まだニンジャ・マスターっていうのがあるんだけれど、
長い歴史の中でも、
今まで、たった2人しか、いらっしゃらなかったのよ、
でも、先日、私の姉の先輩忍者で、
獣人族の女性の方が3人目のニンジャ・マスターと成られたのよ!」
「それは、凄いですね、
やっぱり、ニンジャ・マスターって言うからには、
その女性は、サル獣人族の方だったんですかね?」
「さすがのっすね!」
「えっ?
いいえ、確か虎獣人族の方とか言ってたと思うわ」
「そうですか、それは俺の予想が外れましたね・・・うん?
他のパーティーの人達が来たみたいですね」
ロックは、廊下をこちらへと向かう
複数の気配を感じ取って告げた。
「・・・ええ、そうみたいね、
しかし、この気配を感じ取れるなんて、
ホント、ロック君て斥候も十分に務まりそうな才能の持ち主ね」
「ありがとう御座います。」
「ロック先輩は、万能タイプっす!」




