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ギガンテスのスター  作者: シュウ
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陸の王者

しばらくすると、

息をひそめて魔獣を待ち受けているロック達の前に、

ソレが姿を現した。


「馬鹿デカいゾウ?」

ロックの第一印象は、地球の動物園で見たゾウに似た

しかし、その何倍もの大きさを持つ魔獣であった。


「ふ~、良かったドラゴンじゃ無くて」

ドボルは、フラグが回収かいしゅうされなかったので、

一安心といった顔をしている


「お二人とも落ち着いてる場合じゃ無いっすよ、

あの魔獣は『ベヒモス』っす」


「えっ?ベヒモスって、あの有名な?

それにしては、小さ過ぎるんじゃ無いのか?」

ロックが、ウィルにたずねる


「俺には十分デカく見えるんだが・・・」


「ドボルさん、確かにアノ魔獣はデカいですけど、

俺が知ってるベヒモスは、あまりの体の大きさから、

リバイアサンと、陸と海に住み分けたって聞いてるんですよ」


「ロック先輩、実際に、そんなに大きかったら、

他の種族と共存きょうぞんするのが不可能っすよ」


「それも、そうか・・・

分かりやす特徴とくちょうである体の大きさを、

大げさに誇張こちょうして言い伝えたって事なのかな」


「そんなとこだと思うっす」

「そりゃ、ありそうな話だな」


「しかし、あの大きさじゃ、

いいとこ、落とし穴でバランスをくずすぐらいだと思うから、

俺とウィルですきを付いて仕留しとめるしか無いだろうな」


「そうっすね」


「ドボルさん、申し訳無いですけど、

あまり経験値が入らないかも知れないです。

あの大きくて頑丈がんじょうそうな体じゃ、

落とし穴に足を取られたところで、然程さほどダメージが通らないだろうし、

手加減をして、ドボルさんにとどめをしてもらえる程の、

余裕よゆうも無いと思いますので・・・」


「ああ、相手が相手だからな、今回は仕方しかたが無いさ、

土魔法は、また地道じみちに畑仕事をしながらコツコツ上げるとするさ」


「すいません」


「ロック先輩、そろそろ落とし穴の辺りに、

差し掛かるっすよ」


「よし、ウィルも魔法で攻撃する準備をしててくれるか」

ロックは、そう言いながら、

アイテムボックスから、投擲とうてき用のアダマンタイト製の玉を取り出した。


「了解っす!」


3人が息を潜めて見守る中、

ベヒモスは、その前足を、

ドボルが掘った落とし穴の上へとみ出した。


ボゴッ!!ズズ~ン!!ボキボキン!!


「「「あっ!」」」


ベヒモスは、ドボルの落とし穴に右前脚みぎまえあしを落とすと、

大きくバランスをくずして倒れ込み、変な形で転がった所為せいか、

その首が不自然な方向へと曲がってしまった。


「何かピクピクしてるっすね」

「あの首の曲がり方ってヤバくないか?」

「ええ、予定を変更して、しばらく様子を見てみましょう。」


3人が見守る中、ベヒモスは少しずつ、

その動きを小さくして行き、

最後は、ピクリとも動かなくなってしまった。


「死んだんっすかね?

自分が、ちょっと行って様子を見て来るっすか?」


「ああ、ウィル、お願い出来るか、

死んだ振りかも知れないから、十分に注意するんだぞ」


「もうちょっと、様子を見た方が・・・うおっ!痛って~!!」


「どうしたんですか!?ドボルさん」


「ううっ・・・な、なんか知らんが、

胸がチョ~痛むんだ、痛たたっ!」


「今、治療薬を出しますね!」


「ロック先輩、ベヒモスが死んだからじゃ無いっすか?」


「え?どういう事・・・あっ!急激にレベルが上がったからか!」


「痛っつ~、どういう事なんだ?ロック」


「ええ、自分より、かなり格上かくうえの魔獣を倒すと、

急激きゅうげきにレベルが上昇して、それに付いて行けない体が痛むんですよ、

今回は、結果的にドボルさんが一人で、

ベヒモスを倒した形になりましたから、

膨大ぼうだいな量の経験値が、

一気にドボルさんに入った訳です。」


「そ、それで、この痛みは、

いつまで我慢がまんしてれば良いんだ?」


「じきにおさまってくると思うんで、

もうしばらく、辛抱しんぼうして下さいね、

ホントかどうかは分からないんですけど、

その痛みを治療薬でやわらげてしまうと、

レベルの上りが悪くなるって言われてるんですよ」


「ううっ、そう聞いちゃ我慢するしかねぇな・・・」


「ドボルさん、ガッツっす!」


「じゃあ、俺達は、その間にベヒモスを回収して来ますけど、

ドボルさん、この村には冒険者ギルドが無いから、

ヒデブの街で、素材を売ってから、

その、お金を持って来ましょうか?」


「ああ、俺は、それで構わんが、

素材の方は、ロック達が持ってっても良いんだぞ」


「いえ、でも倒したのはドボルさんですし・・・」


「俺は、ロック達に全部、お膳立ぜんだてをしてもらって、

偶然ぐうぜん倒しただけだからな、土魔法のレベルが上がっただけでも、

ばんばんざいなんだよ」


「そうですか・・・分かりました。

俺達も冒険者として、

自分が倒した訳でも無い、魔獣の素材を貰うのも気が引けるんで、

素材の代金は3人で山分けと行きましょう。」


「おう、俺は、それで良いぜ」

「了解っす!

じゃあ、自分がベヒモスの様子を見て来るっすね!」


ウィルが先行して飛んで行き、

一応、剣でツンツンしてみているが、ベヒモスはピクリともしなかった。

「ロック先輩、完全に死んでるっすね」


「おう、分かった。

今、そっちに行って仕舞しまうわ」


「お願いするっす!」


「よ~し、『収納しゅうのう』『解体かいたい』っと」

ロックは、ベヒモスの死体まで歩いて行くと、

アイテムボックスへと収納して、ついでに解体までしてしまった。


「ロック先輩、ベヒモスの素材って何なんっすか?」


「え~と、革と肉と骨だな」


図体ずうたいが図体っすから、

ちょ~デカそうっすね」


「ああ、とんでもない量だぞ」

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