ドボル強化計画
「お早う御座います。」
「おは~っす!」
「おう、お早う。」
翌朝となり、ロックとウィルは、
約束をしていた村の入り口で、
ドボルと落ち合っていた。
「それじゃ、昨日、お聞かせ頂いた森まで、
ご案内頂けますか?」
「おう、良いぜ、
俺が先導して歩いて行くから、
ロック達は、後に付いて来てくれや」
「分かりました。」
「了解っす!」
ロック達は、ドボルの先導で、
村の近くにあるという森へと、
道なき道を進んで行く、
普段から、余り歩く者が居ないと見えて、
雑草が繁っているので、道が分かる者の先導が無ければ、
到底、分からないであろう道程であった。
「あの森に入って、少し進んだ辺りが、
子ども達が言ってた場所だぜ」
ドボルが指差す方向へと、目をやると、
それ程、深くは無さそうな森が広がっていた。
「子供達だけで来るだけあって、
それ程、深くは無い森みたいですね」
「ああ、村から近いし、
大型の魔獣とかも居ないから、
割と安全に、森の果物とかが手に入るんだよ」
「どんな果物が採れるんっすか?」
ウィルは、そちらの方が気になる様だ
「この時期だと、森イチゴとか、甘パックリとか、
赤ウメだな」
森イチゴは小粒だけど甘みが強いイチゴ、
甘パックリは地球のアケビに似た実で、ビワの様な味がする、
赤ウメは赤く透き通った見た目も美しい実で、
口に入れて噛むと、甘酸っぱい蜜が溢れ出すのだ
「それは、楽しみっす!」
「おお、群生してる場所を知ってるから、
後で連れてってやるよ」
「ありがとう御座います。」
「あざ~っす!」
目的地の森へと入って、
ケモノ道の様な、細い道を進んで行くと、
ドボルが突然、立ち止まって驚きの声を上げた。
「おいおい、こいつぁ・・・!?」
「どうしたんですか?ドボルさん・・・これは!?」
ロックは、ドボルの視線の先を追って、
その驚きの意味を理解した。
「あそこら辺で、倒れてる木々は、
切り倒したんじゃ無くて、圧し折ったんっすね」
ウィルが言う様に、倒れている森の木々は、
強い力によって、根元から折れていると見えたのであった。
「こりゃ、もしかすると大型の魔獣の仕業かもな、
子ども達の言う事を真に受けて、確認しに来なかったのは、
不味かったかも知れねぇな・・・」
「ええ、普段、大型の魔獣を見掛ける事が無かった為に、
現れる訳が無いという先入観があったのかも知れませんね」
「ロックは、もしかして、これを疑っていたのか?」
「ええ、俺が生まれ育った村の近くにある森では、
大型の魔獣が、木を倒す事が時々あったものですから」
「なる程な・・・おっと、
落ち着いてる場合じゃねぇな、
こうなったら、急いで街の冒険者ギルドに連絡して、
魔獣の討伐を依頼しなきゃなんねぇな」
「それなんですけど、どうでしょうドボルさん、
俺達で魔獣を討伐してみませんか?」
「サクッと行くっす!」
「俺達って、もしかして俺も含まれているのか?」
「ええ、今まで俺以外に土魔法のレベルを上げる人が居ませんでしたが、
土魔法の有用性は、俺自身が実感しています。
ドボルさんの土魔法のレベルを上げれば、畑仕事だけじゃ無くて、
村を守るのにも役立ちますよ」
「そうか・・・
ロックが、そう言うなら少し頑張ってみるかな」
「はい!やりましょう」
「自分も手伝うっす!」
「おう、ウィルも宜しく頼むな、
それで、肝心の魔獣退治なんだが、
土魔法でも倒せるのか?」
「ええ、大型の魔獣には結構、落とし穴が効果的なんですよ、
そこで、ドボルさんに土魔法を使って、落とし穴を掘って貰い、
穴に嵌まって動きが止まった魔獣を、俺とウィルで倒せば、
ドボルさんにも経験値が入って、土魔法のレベルが上がるって寸法です。」
「俺が土魔法で、落とし穴を掘るのは良いんだが、
そこに、上手く魔獣が落ちるのか?」
「ええ、あの倒れている木々を見ると、
何回かに渡って倒されて行ったのが見て取れますので、
あの辺りに仕掛けて置けば、上手く行くと思いますよ」
「そうなのか?
俺には、みんな同じに見えるんだが・・・」
「ええ、俺は優秀な猟師の先生に狩りを教わりましたので、
その辺は、信用して貰っても大丈夫ですよ」
「ロック先輩の、ご慧眼はバッチリっすよ!」
「そう言えば、前に会った時にも、そんな事を言ってたな、
ロックの狩りの腕前が凄いのは確かだしな・・・分かった!
ロックの指示に従って、やってみるぜ!」
「お願いします。」
「作戦決行っすね!」




