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ギガンテスのスター  作者: シュウ
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出立

「じゃあ、ヒデブの街に帰ったら冒険者ギルドに連絡を入れて、

中級治療薬の原料になるナカナカキキ草(そう)を手配(てはい)して貰(もら)いますね」

「バッチリ手配するっす!」


「ああ、宜(よろ)しく頼むよロック君」

「僕も偶(たま)にはヒデブの街に顔を出すよ」

「ウィル君も、お願いね」

翌朝となり、ロック達がガッポリ商会へと馬車を受け取りに訪(おとず)れると、

会長のモレナークを始め、副会長のゼニーオとカネーも見送りに出てくれていた。


「皆さん、大変お世話になりました。」

「ありがとう」

「この子らが世話になったそうだね、礼を言うよ」

カレンらも、今日はカネーから貰った衣装では無く、

昨日購入した冒険者向けの衣装に身を包んでいる


「ああ、ロック君達が居るから大丈夫だとは思うが、

カレンさん達も怪我をしない様に冒険者業を頑張るんだよ」

「カレンさん達は、アンジェラさんの知り合いだったそうだね、

アンジェラさん達の冒険者パーティーには護衛クエストでお世話になっていたから、

御恩(ごおん)を少しでも返せて良かったですよ」

「みんな元気でね、私も病気が治ったらヒデブの街まで遊びに行くから、

それまでは、お手紙ちょうだいね」


荷物は、その殆(ほとんど)どがロックのアイテムボックスに納(おさ)められているので、

カレンらの荷物が詰(つ)められた魔導バックを馬車へと積み込むと、

ロックは土魔法でゴーレム馬を造り出してから馬装(ばそう)へと繋(つな)いだ


「おおっ!これがカネーが話していたゴーレム馬か、立派なものだな」

「ヒデブの街での取引の際(さい)は世話になるよ、ロック君」

「馬装の方は大丈夫そうね」


「ああ、ピッタリだね、ありがとうカネーちゃん、

ゼニーオさん、その際はお声掛け下さい

じゃあ、準備も整った事だし、そろそろ出発するかな」


「了解っす!」

「「はい!ロック様」」

「ああ、良いよ」


「それじゃあ俺達は出発しますね、

皆さん、お世話になりました。また来ます。」


「ええ、王都にお越しの際は是非(ぜひ)ご来店下さいませ」

「またなロック君、皆さんお元気で」

「絶対、また来てよね!」


「しゃ~っす!」

「「失礼します。」」

「じゃあ、また。」


こうしてロック達は王都を後にして、

本拠地のヒデブの街への帰途(きと)の旅へと着いた。


疲れを知らないゴーレム馬はガタゴトと音を立てながら、

ヒデブの街へと続く街道を進んで行く

「それにしても、たった数週間だけなのに、

ヒデブの街が懐かしい感じがするな」


「そうっすね!ロック先輩」


「ロック様、ホントに御者をお任(まか)せしてしまって宜(よろ)しいのでしょうか?」


「ああ、アンジェラさんの目が、まだ治って無いからな、

カレン達は万(まん)が一(いち)、魔獣の襲撃なんかがあった場合に備(そな)えて、

アンジェラさんの傍(そば)に居る様にしてくれるか、

それに、御者台に座っていた方が俺もウィルも気配感知がし易いからな」

「そうっす!」


「分かりました。

では、そうさせて頂きます。」


「アンジェラさんも不自由は無いですか?」

ロックは御者台から馬車の中を振り返って尋(たず)ねる、

普通の馬では難しい行為ではあるが、

ゴーレム馬なら障害物などは自動で迂回(うかい)してくれるので出来る芸当(げいとう)である


「ああ、ロックが馬車の床に敷き詰めてくれた上等な毛皮が柔らかいから、

振動も余り伝わらなくて快適だよ、ファニーなんて、さっきから夢心地さ」

「ファニーは旅に出るのが楽しみで、

興奮して昨夜(ゆうべ)寝付くのが遅かったから・・・」


「やっぱ座席を畳(たた)んでから出発して正解だったな、

目の見えないアンジェラさんや、子どものファニーには、

この方が楽だと思ったんだよ」

「そうっすね!」


「ああ、ありがとうよ」

「ありがとう御座います。ロック様」


途中、何度かトイレ休憩(きゅうけい)などを挿(はさ)んで午前中の旅は順調に進み、

そろそろ腹の虫が騒ぎ始めたので、

ロックは馬車が停められそうな街道脇の空き地を探して昼食を取る事とした。

普通なら、馬に水や餌(えさ)を与えなければならないので水場を探さねばならないのだが、

ゴーレム馬で移動をしているロック達には関係が無かった。

「よ~し、そろそろ昼飯にするぞ~!」

「了解っす!」


「ロック様、昼食は携帯食(けいたいしょく)をお召し上がりですか?」


「いや、あれは不味(まず)いから、ちゃんと調理するぞ」

ロックは、そう言いながら土魔法で釜戸(かまど)や焼き台、

テーブル、椅子(いす)などを造り上げて行く、

一通り造り終えると、次は昼食の邪魔が入らない様に、

周囲に高さ3メートル、幅1メートルの土壁を張り巡らせて行った。

王都へと向かう旅路では大人数だったので携帯食で我慢(がまん)していたのだが、

今回は、一切自重(いっさいじちょう)する気は無い様子だ・・・


「そんなに魔力を使われて大丈夫なんですか?」


「ああ、俺は魔力の回復率が良いから、

今使ったぐらいの魔力量なら、午後の出発の頃には回復してるよ」

「自分も、ロック先輩と同じぐらいの回復率っす!」


「つくづく、ロック様達は規格外(きかくがい)で居(お)られるんですね」


「ウィルと2人で、毎日、魔力が底を尽(つ)くまで畑仕事に精を出して、

魔力が回復する宿の温泉に浸(つ)かってたら、魔力の回復率が異常に良くなったんだよ」

「温泉マジックっす!」

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