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ヒスティマ Ⅳ  作者: 長谷川 レン
第五章 逃走
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援軍


「〈二の太刀 雪麗〉」


 ボクは一瞬で蹴りをつけようとして急接近。そこからまだ剣を抜いたばかりの白騎士に居合で斬りかかる。

 すると、白騎士はまるでそれを予知していたかのように体を逸らして剣を打ち付けてきた。

 響く衝撃音と共にボクと白騎士はそれぞれ飛び退き、白騎士だけ、その飛び退いた反動を利用して力強い跳躍を見せて剣を振るう。

 ボクはその剣を横に旋回して避けると刀を振るう。


「はぁっ」


 だけどもルナとツキを同時や時間をずらしてもさばききる白騎士には一度も当たらず、いつの間にか白騎士が主体で攻撃をし始め、ボクは防ぐだけとなっていた。


「二刀の刀はそれだけで扱いづらいと思うが?」

「そうでもっ、無いです! これがっ、一番扱いやすいですから!」


 ボクは旋回し、そして後ろに飛んで逃げる。

 白騎士はその様子に疑問に感じながら足に力を入れる時に、気がついてすぐさま横へと避けた。

 すると、白騎士の居た場所に魔法が放たれていた。


「外したっ」

「何度もくらう訳が無いだろう」


 白騎士はそう言い放ち矛先をアキへ向けようとする。

 ボクは急いで白騎士へと奇襲をかけるようにして急上昇したみたいな勢いをつけて白騎士へと攻撃を仕掛けた。

 白騎士はボクの攻撃を身を低くして避けたと思うと、お腹へと剣の柄の部分を打ち付ける。


「かふっ」


 肺が押しつぶされるような感覚を覚えたと思ったら背中へと衝撃が来たかと思ったら地面へと撃ちつけられたと思ったら更に背中の部分に衝撃が走った。


「――ッ!!」


 声にならない悲鳴をあげてボクの体が痺れるようにして動かなくなる。意識が飛びそうになるも何とか持ちこたえているが、背中に感じる重みを退けれるような力が今は出ないだろう。


「リクちゃん!? こいつ――ッ!?」


 アキが何とか攻撃しようと出張って来たみたいだったけど、白騎士が剣の矛先をアキへと向けていた。それだけでアキは委縮し、出した足を止めてしまった。


「そこで見ていろ。どうせ貴様では相手にもならん」


 白騎士の言うことは正しいだろう。アキ個人に戦闘力は無い。アキはせいぜい相手の邪魔をするぐらいで、カメラで殴ろうも剣に太刀打ちできるわけがない。

だからボクは地べたに這いつくばったまま叫んだ。


「ぐ……ぅ……。アキさん、は逃げて!」

「え……で、でも! リクちゃんやユウちゃんは戦ってるのにッ」


 アキが戸惑うような顔をする。でも、せめて逃げられる状況に居るアキに逃げてもらわなければ。この二人はどうせアキまで――。


「聖地様が戦っている? それは違うな。すでに負けている。負けて這いつくばっている。そして、お前はここで死ぬのだ」


 アキに向けていた剣を横に構える。その剣からは魔力を感じる。おそらく魔法でアキを……ッ。


「アキさん! 伏せて!!」

「〈ソードソリッド〉」


 ボクが叫ぶのと同時に、白騎士が魔法を放った。


「え……」


 それは剣の刃で、湾曲する魔法がアキへと襲い掛かる。アキはボクの声が聞こえていたのか何とか伏せて避ける。だが続けて放たれる斬撃。

 縦に振るわれた物がアキへと襲う。


「くっ〈ジャンプ〉」


 アキは魔法を使って横に跳ぶと、そこから首にかけていたカメラに手を添える。


「〈フラッシュ〉!」


 眩しい光が放たれるも白騎士は二度は通じないと先程言った通り、手で目元を伏せていた。

 ボクはそれを見た瞬間、ルナを使って魔法を放つ。


「〈三の太刀 氷刃月華〉!」

「まだ動けるか」


 大体のありったけの魔力を使って白騎士へと斬りつける。だが白騎士はその剣を避ける。それもそうだろう、ここからでは傷つけられそうにない。だからボクは振るった刀によって飛び退いた白騎士を見ながら仰向けになって地面へとルナで斬りつけた。


「〈氷華の月夜セレーネ・アントス・ニクタ〉!」


 斬りつけた場所から大きな氷の花が咲き始める。


「だからなんだと言うのだ」


 白騎士は剣を構えてボクの体めがけて攻撃する、が。

 ボクは地面から現れた巨大な氷の花につかまって空へと昇った。


「いッ」


 だがその時に右足を斬られたようで、右足から血が流れ出てくる。

 そして、その巨大な花から氷の小さな花が広がり始めた。それらは白騎士や少し離れたところで戦っている黒騎士を抑え込もうと動き、それからユウの放った炎を凍らせてその向こう側に居る兵士たちをも凍らせた。殺そうとは思っていないので凍った兵士たちは一人も死んでは無いないだろう。おそらく動けないようになっただけだ。


 だが白騎士も黒騎士もその魔法その魔法からは逃れたようだ。


「はぁ……はぁ……」


 ほとんどの魔力を使ったためにここら一帯が氷で包まれて、空から見なければ凍っていない場所を探すのが大変だ。


『大丈夫かリク? 魔力をほとんど持っていないみたいじゃが……』

「ちょっと……マズイかも……?」


 ルナに言われ、ボクは少し顔をあげる。下に見えるは白騎士とアキ。黒騎士とユウ。それ以外に動く物は無いと思っていた。

 なのだが、三つだけ動く気配を感じる。

 ここはまだライコウから一日中歩いて四日も離れているような場所だからライコウからの味方ではないだろう。

 じゃあ誰が……。もしかして、ヘレスティアの!?

 だとしたらすぐさまここから離れなければいけない。でも、そんなことを白騎士や黒騎士がさせてくれるとは限らない。

 ボクは右袖の部分を破り、右足の血が出ている場所にとてもきつく縛ると、また宙へと浮く。

 そして、下で待っている白騎士めがけて急降下した。


「ハァッ!」

「力比べか?」


 ガキィンッと衝撃が来ると同時にボクは更に続けてツキを放つ。

 ルナを押し返した白騎士がツキを受け流すと剣で斬りつけてこようとする。ボクは一旦下がるとまたルナを撃ちこもうと水平に、ツキを斜めに振るった。丁度重なる所で白騎士が剣を出して止める。


「先程よりも力が鈍っているぞ。魔力が尽きたな?」

「うる、さい!!」


 ボクは一度白騎士から離れるも、白騎士が更に接近してきてボクへと斬り込む。

 ボクは避けるのに精一杯でなかなか押し切る事が出来ない。そんなジリ貧状態となってしまったその時に……。

 ――三つの気配が此処へと到着した。






(みつる)(むい)は黒騎士をッ。私は白騎士を相手する!」

「仰せのままに」「了解!」






 そう声が聞こえた方と思うと、白騎士がボクの刀に一度強く当ててから後ろに跳躍した。

 ボクの隣に並ぶようにして先程二人に命令していた人が跳んできたのでそれから逃げるためだろう。


「大丈夫ですか?」

「え、は、はい……。でも、貴女は……?」


 てっきりヘレスティアの援軍だと思っていたボクとしては訳が分からず、隣に居る人を見てみる。

 その人の面持ちはとても凛々しく、それでいて美しい。どこかのお姫様でも見ているかのような人だった。髪はひとまとめにして縛っており腰につく程度だ。ただ、驚く事が一つ。その人の髪色がボクやユウと同じ白銀の色だったという事だ。

 白銀色の髪を持つ人をヒスティマでも向こう側でも見なかったので、少し驚きものだ。


「お兄ちゃん。大丈夫? その足」

「え? う、うん、何とか……」


 隣に居た女の人を見ていたらいつの間にかユウが来ていた。アキもこちらに居るし、白騎士の方は隣に黒騎士が立っていた。


「お前何者だ」

「何者、と訊かれて答える者はいないでしょう。しかし、あえてここは名乗らせていただきます」


 女の人はそう言うと、一歩前に出る。その手に持つのはまるで雷のような紋様が柄の先に入った剣。





「私はショウの女王! 小姫八十二世!! 今ここでさらなる激闘を繰り広げたいならば私が相手をしよう!!」





 …………え? じ、女王様?


「何故ここにショウの姫君が!?」

「ライコウよりショウの方が遠いのだぞ?」


 二人の初めての動揺を見る。余程驚くべきことなのか、いや、それよりもどうして女王がこんな所へと居るのかという話だろうか。


「チッ。こんなのは予定外だ。下がるぞ黒騎士」

「仕方ない。【朱】の赤砂ユウ! 貴様はこの黒騎士が命を絶つ! それまで生きていろ!」


 白騎士と黒騎士があっさりとこの場を立ち去って行く。


 ということは……助……かった……ってこと?


ちなみに小姫八十二世には実名がありますので、小姫八十二世が本名ではありません。立場上の名前と受け取ってください(・・*


誤字、脱字、修正点があれば指摘を。

感想や質問も待ってます。

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