東南行(5)
崔杜鞭齊下 元韋轡並驅 名聲逼楊馬 交分過蕭朱
世務輕摩揣 周行竊覬覦 風雲皆會合 雨露各沾濡
共遇昇平代 偏慚固陋軀 承明連夜直 建禮払晨趨
崔韶と杜元穎とは馬へあてる鞭も斉しく、元稹と韋処厚とは手綱を並べて一緒に駆け抜けた。
私たちの文における名前は、揚雄や司馬相如に迫り、深い交友は蕭育や朱博の上を行く。
役所の仕事には、常にしっかりと励み、心中密かに、高位の官位を望んでいた。
竜虎が風雲に会するとでも言えるような素晴らしい出会いもあり、雨露のような多大なる恩沢にも、一緒に浴した。
全員がこんな泰平の世に出会った。
それでも、私一人の頑固さは恥ずかしかった。
承明廬で連日の宿直をして、晨明になれば建礼門院に駆けつける日々だった。
※崔韶と杜元穎、元稹と韋処厚:長安時代の同僚にして友人。
※揚雄、司馬相如:漢時代の辞賦の大家。
※蕭育や朱博:深い交友で知られ、一方が官につけば、もう一方を推薦すると言われていた。
※輕:常に。
※摩揣:熟慮して判断する。
※周行:周の爵位。高い官職を望むこと。
※覬覦:分不相応な願望を抱くこと。
※風雲皆會合:龍虎が風雲に乗じて天を翔けるように、才能がある人が良き時代と良き君主に出会うこと。
※雨露:天子からの恩沢。
※承明廬:漢の宮殿。承明殿の隣にあり、侍臣が宿直する建物。
※建禮払晨趨:建礼門は漢の宮門名。尚書郎がその門内に詰めた。夜明けとともに朝廷での勤務が始まったことを言う。




