6〜異性嫌いもいれば、異性好きもいる〜
龍臣の前に現れた謎の巨乳ギャル。彼女は一体・・・・
俺の腕に伝わってくる感触はなんとも言えないものがあった。
「え、えーっと・・・・」
「カタくならないでよぉ」
それは心がってことですね!?
身体の事ではないよね!? ましてや、俺の下半身で起きていることじゃないよね!?
と、そこに鬼嶋桜子登場。
冷たく尖った視線を俺に向ける。
「い、いいいや・・・・これはだな」
やばい、絶対変に勘違いされている。
「この変態野郎。朝っぱらから何、発情してんだ」と思われているに違いない。
俺はこの状況を弁解しようとするとそれよれも早くギャルが口を開く。
「あー、サク! おはよぉ」
「『おはよぉ』じゃないわよ、萌」
ギャルは俺の腕をホールドしていた二つの柔らかい兵器を離し、鬼嶋の元へ移動する。
「朝からあんなことしてるとかどんだけ欲求不満よ」
呆れ顔で鬼嶋はギャルを見る。
「鬼嶋、その娘は?」
「あぁ、彼女は日下部萌。隣のクラスよ」
俺らはA組だからこの日下部って言うこのギャルはB組か。
にしても日下部の格好を見る限り、元男子校が故の校則の緩さ感じる。
茶髪に着崩した制服、おまけにガッツリとメイクをしている。今時の女子高生っぽいと言えばそうだが。
てか、友達いないとか言っていた割にはいるじゃないか。それも違うクラスのヤツだなんて。
「萌とは家が隣で幼馴染みたいなものね。まさか高校まで一緒になるなんて」
「それはサクが、お願いだから一緒のこうこグホッ!?」
鬼嶋のボディブローが日下部に炸裂する。
なるほどそういうことね。良く友達ゼロでここまで生きてこれたとは思ったが日下部の存在があったからか。
幼馴染故に鬼嶋の家のことはもう慣れていて怖くないのだろう。
ならどうしてこんな部活を作ろうと思ったのだろうか。
仲の良い友達なんて1人や2人いればいいだろう。
鬼嶋の話を聞きながらも考え事をしていると甘い声色が俺の耳に届く。
「星川君? 星川君のこと下のお名前で呼んでもいいかな?」
上目づかいで話す日下部はとても可愛らしい。俺が普通の男なら一発ノックアウトされていただろう。普通の男なら、ね。
俺は「あぁ、いいよ」と日下部に答える。
「ほんとっ! やったぁ!」
そんなに喜ぶことか?
だが、俺が普通の男だったら「そんなことで喜ぶなんて可愛いやつだな。好き」となっていたところだろう。何度も言うが俺が普通の男だったら、ね!
「よろしくね、オミオミ!」
ん~~~~?
「オミオミ」って?
俺はまさかのあだ名をつけられた。
絶対大河に聞かれたわ笑われるな、うん。
それから日下部は俺にべったりくっついて、あーだこーだ、とずっと喋りかけてくる。もはやうっとしいくらい。
「さすがの女嫌いね。普通の男子だったら喜ぶものよね?」
と、鬼嶋の一声に。
「えっ! オミオミって女の子嫌いなの? なんでなんで?」
と首をわざとらしく傾げる日下部。
「そうだ、俺は女が嫌いだ。だからこんな風にベタベタされてるのは我慢ならん」
言ってやったぜ。
これで日下部も近寄ってこないだろう。
だが
「じゃあ、オミオミを落としたら相当すごいってことだよね?」
あれ~? 逆にやる気を出させちゃった?
日下部は俺に腕だけではなく足も絡めてくる。
それを見かねて鬼嶋が日下部を俺から引きはがす。
「そのくらいにしておきなさい」
「ちょっとぉ、サク。今良い所だったのにぃ」
「星川、あんたもこの娘には気を付けなさよ。相当な男好きよ」
「サク、言い方悪いよぉ。あたしは男の子と仲良くしたいだけ」
「それが男好きって言うのよ。だからあんたはいつも周りの女子に『足軽ガバガバ女』って言われるのよ」
「うえーん! サク酷いよぉ、事実だけれどもぉ~」
鬼嶋の容赦ない言葉が日下部にクリーンヒットするが日下部本人は自覚アリのようで大したダメージは受けてないようだ。
「鬼嶋は日下部がいるなら無理に友達を作る必要はないんじゃないか?」
素直にそう思った俺は鬼嶋に投げかける。
「いや、萌は友達じゃないわ」
はいはい、「友達じゃない、親友よ」的なノリね。くだらな。
「私の後をつけてくる金魚の糞みたいなものよ」
鬼嶋さん、鬼嶋さん。友達ゼロのお前がそんなこと言っていいと思ってんのか? おい?
鬼嶋は「いや、寄生虫? コバンザメかしら?」と的確な言葉を捜しているがどれもこれも意味合いは変わらない。
日下部は「サク、酷いよぉ!」と怒っているのかどうか分からない、ぶりっ子な声色で鬼嶋に抗議しており、一方鬼嶋は「いや害虫? それよれも似合う言葉があるはず」と未だに的確な言葉を捜している。
「で、なんで鬼嶋は日下部呼んだわけ?」
これでは朝早く来たことが無駄になると察して俺は話を進めることに。
「それは今朝日課のジョギングをしていたら、朝の出勤中のサラリーマンを狙ってナンパしていた萌と会って、それでこの部活の話になって、こうなったわ」
「日下部、お前朝から何してんだよ」
「スーツ着ているイケメンはいないかと思って、ね!」
自慢げに言う日下部に俺が向けるジト目はもはや尊敬のまなざしとも言っていい。
「じゃここに来たのも・・・・」
「そうよ、あんたの話をしたら『行く!』って即答していたわ」
やはり。
「それもあったけどぉ、サクの友達作りに協力しようとも思っているよぉ」
「いやいや、普通幼馴染だったらそっちが第一優先な」
すかさずツッコミを入れる俺。
生粋の女嫌いの俺、性欲異常の男好き女子高生の日下部萌。
その二人がどうやって生涯友達0人の天涯孤独の鬼嶋桜子に正常な友達を作るってんだよ。
まあ、確かに言えることは「このメンツでは鬼嶋に同性の友達ができるのは難しい」ということだ。




