203話 鉢植えの思い出と片言
現実パート。
少し休憩をした後母さんに買い物をしに行くと伝えて、ホームセンターで色々と購入してきた。マリーさんもといローズマリーがそれなりに育ってきているのを確認していたので、もう少し大きく育てて料理に使いたいという願いを込めてポットよりも二回りほど大きい鉢植えとその他諸々を用意したぞ!
「ただ、もう少し根が広がってからにすべきかなぁッと」
自転車の後部に追加した籠の中から、ぐるぐるに固定した鉢植えを取り出して小脇に抱える。やはり載せられる量が増えるってのは素晴らしい…母さんからついでに買い物をしてきてと電話をされても、何も問題ない積載量だからな!キュウリやニンジンにじゃがいもを買ってきて欲しいって言われたから全力で良さげなものを厳選出来て楽しかったな。
「ただいまー」
「おかえりなさい…って、また鉢を買ってきたの?」
「マリーさんがもう少しで植え替えが出来そうだから買ってきたんだよ。使える量が増えるのは歓迎でしょ?」
「それはそうだけど…虫が湧かないように徹底して頂戴ね」
「イエスマム!徹底的に不安要素は排除します!」
「よろしい」
両手が塞がっているので声だけで返答しておく。小学生の時に一回ベランダでオレンジを育ててみようと思って、祖父ちゃん家の近所の人に声をかけて1本小さい鉢植えで育てられそうなサイズのを譲ってもらったことがあったんだ……あの頃はまだ色々と分かっていなかったから、ただただ肥料や水撒きをするだけだったんだよ。
そうしたら夏頃になってやけに葉が減ってるから近くで調べてみたら――――そりゃあもう幼虫の楽園になっていてね。母さんの一声で即廃棄になってしまった…ついでに一気にカウント3になって、夏休み中の野草採取とかが禁止された苦い思い出が存在する。
「それじゃこれ買い物してきた野菜とかね」
「タイミングが良くて助かったわー。肉じゃがを作ろうと思ったのに両方とも少なかったのよ…後でお金は返すわね」
「はいよ。んじゃあ買ってきたのを置いてきたら切ったりするのはやろうかな」
「お願いするわ。全く、纏ももう少し料理を手伝ってくれてもいいのに」
「まぁ、姉ちゃんは姉ちゃんだから…代わりにミシンとかですぐに服のほつれ直してくれるからいいじゃん」
「それもそうなのよねぇ……二人揃って将来が少し心配だわ」
なんで俺も入っているんですかね?
何とも言えない気持ちになりながらも母さんの料理補助をやりつつ――若干パネットさんの事がフラシュバックしたけど、想像の中でウィーツさんに埋めてもらって硬く踏みしめてもらったのでもう出てこないはずだ――肉じゃがと残っていたアブラナのお浸しに筍と山椒を加えた炊き込みご飯を用意して夕食となった。勿論味噌汁も有るんだけど、今回はインスタントのフリーズドライのやつで…俺はちょっとだけアブラナを突っ込んで美味しくいただいた。
「ごちそうさまでした!」
「あら、今日も早いのね?」
「ちょっとやりたいことがあるからさ」
「ふむ、夜更かしはし過ぎないようにするんだよ?」
「勿論!」
「ならいいのよ」
「…なんか耕司への念押しが弱い気がする」
「ははは、纏はねぇ?」
「貴女は常習犯ですもの」
「むぅ」
そんなに剝れても母さんたちには効果がないと思うぞ…いや父さんには少し効いているか。でも母さんからの素晴らしい笑顔に負けてまた黙々と肉じゃがたちを食べ始めた。姉ちゃん和食好きだからゆっくり食うんだよなぁ。
「じゃ、俺の皿は洗っておくから」
「わかったわ。纏もこの後洗って頂戴ねー」
「ふぁーい」
「口に食べ物を入れたまま話さないの」
「はい!」
そんな面倒そうに言うから怒られるんだ。最終的に食洗器で洗うんだから軽くでいいのに…
「何か文句があるの?」
「イエナニモ」
「なんで片言なのよ…そう言えば、あの時の返信がチョーッと怪しかった「さぁ!綺麗にしなくちゃー!」……逃げたわね」
余計な返信しなきゃよかった!
キノセイジャナイデスカネって返信が来たら誰でも怪しむ。
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