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俺は孤高のVTuber?  〜俺が男という秘密は死んでも守る〜  作者: こっこ
VTuber企業に勤めてそろそろ一年ですが、まだ他のVTuberとコラボしたことがないそうです。
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第10話 大先輩がたくさんやってきたが、それぞれ思惑があるようです。

登場人物紹介


野治燈哉(偽名:佐藤綾芽) ⇆明野来海(4期生)

男であることを隠し活動するVmove's所属のVTuberの中の人。アバターは銀髪で白衣の研究者風な見た目の美少女。


大政美咲 ⇆法々ミハネ(4期生)


実は現役JKの明るく元気な子。アバターは少し青みを帯びた黒い髪で、黒いローブなどを纏い、法律家のような見た目をしている。


稲葉遥⇆早坂みなみ(3期生)

燈哉と同い年の可愛らしい美少女。隠キャでコミュニケーションがあまり得意ではない。アバターは真っ白い髪で、生徒会長のような見た目をしている。


大村莉音 ⇆神楽阪サツキ(1期生・九帝)

長くVTuberを勤める燈哉たちの大先輩。アバターはとてもスタイルの良い美人な先生の見た目をしているが、本人がエロいことが好きなため、その旨の発言が多い。


? ⇆九頭如ソロモン(1期生・九帝)

アバターは葉っぱでできた水着を来た南国の歌姫のような褐色の肌が特徴的な美女。


? ⇆北東南西ソラ(1期生・九帝)

アバターはスーツに身を包んだ赤紫の髪が特徴的なイケメン美女。スタイルは抜群。


? ⇆犬神クロコ(2期生)

アバターは黒い髪にフワフワなケモ耳を携えた美少女。背が小さく可愛らしい。

初めての凸待ち配信、大先輩の急参戦、同接数が五万人と燈哉の想定の範囲を大幅に超える規模となった今回の配信。


なんとか司会役らしく場を回そうとする美咲と、ただ何も喋らず話がふられるを待つ遥。そんな中燈哉は冷静にこの配信がどうすれば面白くなるかを考えていた。


五万人の視聴者。いつもの倍以上の人数がいるということはおそらく自分の配信をまだ見たことのない初見の方も多くいるはず。そして何より三人の先輩の登場によりこれから視聴者はどんどん増えるだろう。


ではこれだけの視聴者を引き止めるにはどうすべきか。それはもちろん見てて飽きない面白い配信にすることだ。


凸待ち配信という名目で配信を始めたためやる事は一切決まってなく、このままだと雑談配信になりそうだ。


雑談は相当のトーク力がない限り初見の人にとっては退屈な配信になってしまうパターンが多く、また、六人にトークを回し、進行していくというのも難しい。


こんな時に手っ取り早いのがゲームだ。VTuberの配信をみる人にゲームを好きという人は多く、人が多ければ撮れ高もきっと多くなるだろう。


さて、今回は六人かつ通話しながらという状態。このような状態からできるのは基本的にスマホかパソコンを利用したゲームだ。


ここで注意として、特定のタイトルのゲームを選ぶとそのタイトルを知っている視聴者しか楽しむことができない。いつもの配信なら行うゲームのタイトルは事前に連絡するため、そのタイトルが好きな人が集まるから問題ないのだが、今回は違う。


と、なるとローカルなものかつ、この状況でプレイ可能。そうすると・・・


そんなふうに考えているうちに燈哉の頭に条件を満たす一つのゲームが思い浮かんだ。


「せっかくこんだけ人数集まったので、何かゲームとかやりませんか?人狼ゲームとか」


燈哉が一言。それに対し他の五人も各々の意見を述べていく。


「おぉ!確かに六人ならそのほうがいいね!」


このまま場を回すのも辛いと感じていた美咲はすぐに賛成。


「げ、ゲームなら・・・!」


会話に上手く参加できず黙り込んでいた遥も賛成。


「いいですね!一ヶ月ほど前に他の配信で人狼ゲームやってボコボコにされた悔しさがあるので、やりたかったんです!」


と、個人的に人狼ゲームがやりたかったソロモンもまた賛成。


「楽しそうだし僕はいいよ。だけど来海ちゃんに勝ったら僕のお願い一つ聞いてね!」


なんとか来海を自分の配信に連れてくることを狙っているソラは条件つきで燈哉の意見に賛成する。


「来海の提案を断るわけない。しかもゲームなら仲良くなれるし大歓迎」


クロコも燈哉の意見には乗り気で、賛成であった。


よって満場一致で燈哉の人狼ゲームをするという意見は通るのであった。


燈哉は自分の意見が満場一致で通ったことに喜びを感じると同時に、自分が提案したことなので、視聴者を全力で楽しませてあげなればという責任を請け合うのであった。


ここで配信の視聴者と本作品を見てくださっている方の中で人狼ゲームを知らないという方の為に美咲にルールを説明してもらう。


「まず、人狼ゲームとは二つのチーム"市民陣営"と"人狼陣営"に別れて討論などで戦う心理戦のゲームです。


流れとしてはまず最初に市民陣営、または人狼陣営の役職カードというものが配られます。

今回は市民陣営に市民が三つ、占い師が一つ、人狼陣営に人狼が一つ、裏切り者が一つの計四つの役職を使用します。役職はランダムで配られ、自分の役職は自分しかわかりません。


次に役職が配られた後、ゲームが本格的に開始します。ゲームは昼のターン、夜のターンに別れています。

昼のターンはゲームに参加した全員で話し合い、誰か一人を追放することができます。市民チームはこの話し合いで人狼を探し出して追放することで勝利となり、人狼はなんとか通報されないよう正体を隠します。

昼のターンが終わると、次に夜のターンとなります。夜のターンは人狼と占い師が活動できます。人狼は任意の人を選び、強制追放させることができ、これによって市民チームの人数を減らしていきます。一方占い師は任意の人を占いという形で人狼かそうでないかを知ることができます。


そして夜のターンが終わるとまた昼のターンになり同じことを繰り返していきます。人狼を追放できれば市民チームの勝利、市民と人狼の数が同数となれば人狼チームの勝利となります。


以上がルール説明です。では準備が出来次第始めたいと思います。」


美咲が長々と説明してる間にスマホでできる人狼ゲームのアプリを通じて6人はゲームの準備を整えていた。


ちなみに提案者にも関わらず燈哉だけアプリを元から入れていなかったため、燈哉のアプリのダウンロードに少し時間がかかってしまったため、燈哉は心の中で「申し訳ございません!」と叫ぶのだった。




一分後、ゲームが始まった。それぞれに役職が渡された後、占い師が占い、その後昼のターンが始まる。


「昼がやってまいりました。話し合いの時間は5分です。今日追放する人を決めてください」


ゲームの音声がそう言うとタイマーがスタートした。


「まず占い師の人は誰?」


「はーい!」


「はい」


美咲の「占い師は誰?」という発言に即座にニ人の人物が名乗りを上げる。


ソロモンと燈哉だった。


「私が本物の占い師だよ。占いの結果はクロコちゃんが白※。間違い無いよね?」


「うん。私としてはソロモン先輩は信用できる」


ソロモンの意見にクロコは賛同する。


※白は市民チームのことを指し、黒は人狼チームであることを指します。


「私はみなみ先輩を占って白と出た。ソロモン先輩は占い師じゃない」


「失礼だね〜来海ちゃん。私はれっきとした占い師だよ?」


「まぁどっちを占い師と信じるかは皆に任せる」


燈哉とソロモンのそれぞれの主張に4人は頭を悩ませる。


ここでクロコから一つ提案がされた。


「ちょっと一つ提案がある」


「どん︎なものだい?」


「ソラ先輩かミハネちゃんを追放する」


「え、僕かミハネちゃんをかい?」


「そう。来海ちゃんとソロモン先輩は多分どっちかが裏切り者でもう片方が占い師。そしてそれに占われた私とみなみちゃんもどっちかは絶対に白。そう考えればこの中で人狼の可能性が高いのは二人じゃないかなって」


「たしかにそうかも・・・」


「全然ありだと思う。このゲームは人狼さえ追放できれば市民の勝ちだし」


「まぁ私の視点からは確かに二人は怪しく見えるね」


「え、ちょっと!?私違うよ!?」


「まぁ一理あるけど市民の僕を追放して不利になるのは君らだよ?」


クロコの提案に対し、遥、燈哉、ソロモンは賛成の意見を述べ、一方美咲とソラは納得できてなかった。


だが四人納得すれば残り二人は納得出来ないにしろ、どちらかが追放されるという未来を変えることはできない。このゲームは多数決で決まるのだ。


「じゃあどっちを追放する?」


クロコは冷静にそう述べる。


「なら別に僕を追放してくれてもいいよ」


「えっ!?」


ソラのその発言に美咲は驚く。


「ただ、もちろん条件つき。その条件というのは来海ちゃんとソロモンがみなみちゃんとクロコの占ってないほうを占うんだ。それで占ってどっちも白なら次の昼にミハネちゃんを追放、どっちかが黒って言えばその黒だという人を追放して欲しい。」


「確かにそうだけど、本当にいいの?」


「いいよ。これならみなみちゃんが人狼でも道連れにできるから」


「大丈夫!私人狼じゃないから!」


ソラの提案により二人のうちどちらを追放するのかが決まった。


「話し合いの時間が終わりました。では、追放する人を投票してください」


ゲームの音声がそう告げるとともに全員が投票を始める。そして結果はソラが無投票、そして残り五人全員がソラに投票した。


「投票により本日追放されるのはソラさんに決まりました。」


「じゃあ条件はちゃんと守ってくれよ」


ソラはそう言い残すと共にゲーム終了まで一言も喋らなくなった。




夜のターンが終わり、再び昼のターンがやってきた。

現状の全員が自称している役職はこのようになった。


燈哉→占い師?

遥→市民?(占い結果白?)

美咲→市民?

ソロモン→占い師?

ソラ→追放

クロコ→追放(占い結果白?)


「再び昼がやってまいりました。昨晩追放されたのはクロコさんです。では、今日追放する人を決めてください。話し合いの時間は5分です。」


夜のターンの人狼の行動により、クロコが追放された。そして占い師もまた、別の人を占っていたのだ。


「私は条件通りみなみちゃんを占ったんだけど、黒でした。私としてはみなみちゃんをとても追放したいんだけどどうかな?」


「え!?私市民ですよ!」


「そうは言われても私から見たら来海ちゃんが裏切り者、みなみちゃんが人狼。そしてミハネちゃんは市民にしか見えないよ?だよね、ミハネちゃん?」


「たしかにそうなんだけど、ちょっと疑問に思うところがあって・・・」


「え、何?」


「最初に占い師に名乗り出てもらう時、すぐに2人出たでしょ?私がもし占い師だったらすぐにでるのは躊躇うのになって・・・」


「つまり、占い師と名乗り出てる二人が人狼と裏切り者じゃないかってこと?」


「うん、その可能性もあると思う」


美咲のその発言に遥は大きく食いついた。


「そ、それだよ!絶対それだ!」


「え、そ、そうなの?だとしても結局どっちが人狼かわからないんだよね・・・」


「た、確かに」


「いや、ミハネちゃん!みなみちゃんの口車に乗せられてるよ!みなみちゃんは黒だよ」


「まぁそうなのか・・・?」


「あの、占いでクロコ先輩は人狼じゃないっていう結果が出たってことをまだ伝えてないよね?」


「「「は?」」」


「あ、すみません」


燈哉の発言に残り3人が少し強く言葉を放ってしまい、燈哉は萎縮してしまった。


追放されたクロコが人狼ではないことなど当たり前であり、色々考えている中でのおバカな発言に少し強くあたってしまったのだ。


「私は決めた。」


「うん、私も決まったよ。」


「言っておくけど私は絶対みなみちゃんに投票するつもりだよ。」


「とりあえず私も決めました。」


「話し合いの時間は終わりました。では、追放する人を投票してください」


スマホでそれぞれ怪しいと思う人に投票する。




「投票により、本日追放されるのはソロモンさんに決まりました。これにより人狼の数が0となったため、市民チームの勝利が確定しました」


投票の内訳はそしてソロモンからみなみ(遥)に一票と来海(燈哉)からミハネ(美咲)に一票、そしてソロモンに二票となっていた。


「「やったー!」」


「負けちゃったか。一体どこで皆気づいたの?色んな可能性があって特定は難しいと思ったんだけどなぁ」


「ごめん私は感で当てた」


燈哉は自信無さげにそう言う。しかし残り二人は自信満々に答えた。


「ソロモン先輩は人狼ゲーム凄く強いけど、あることを見落としていたのさ!」


「え、私が見落としてた?」


「ソロモン先輩、来海ちゃんはゲームに関してはどんなイメージがある?」


「来海ちゃんは頭の良くてゲームとは強いイメージがあるけど・・・」


「実はそれが間違いなんです!来海ちゃん人狼ゲームに関してはど素人なんですよ!」


「え、提案したの来海ちゃんなのに!?だから全部正直にずっと喋ってたってことなのか!というかなんで知ってるの?」


「「それは簡単です!」」


ソロモンの発言にまるで卓球のダブルスのように交互に言葉のラリーを続けていく遥と美咲。そして最後は二人の声が重なり、決め手となる発言をした。


「「VTuberは明野来海はぼっちなので人狼ゲームする相手なんていなかったんです!」」


・・・それ、すぐ隣に本人がいるのに言う?確かに今回人狼ゲームは初めてだし、間違ってはないけど。


燈哉は心を思いっきり傷つけられつつも、その場をぐっと堪えた。そしてこの後も1〜2回ほど楽しく人狼ゲームをし、その後様々なゲームや会話で配信を盛り上げ、結果として今回の配信は大成功となった。


また、ソロモン、クロコ、ソラが居座り続けたせいで凸待ち配信にもかかわらず、他の配信者は誰も参加できないという凸待ち配信としては失敗になってしまったそうだ。


次回、社員旅行編開始!


今回の役職

燈哉(来海) 占い師

(みなみ) 市民

美咲(ミハネ) 市民

ソロモン 人狼

クロコ 裏切り者

ソラ 市民

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