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俺は孤高のVTuber?  〜俺が男という秘密は死んでも守る〜  作者: こっこ
VTuber企業に勤めてそろそろ一年ですが、まだ他のVTuberとコラボしたことがないそうです。
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第0話 この会社には女の子しかいないはずだが、どうやら1人男がいるそうです。

※この物語はフィクションです。

実在する人物・団体等とは一切関係ございません。



あなたは"VTuber"(ブイチューバー)というものを知っていますか?VTuberとは2DCGや3DCGで描画されたキャラクターを用いてインターネットで動画投稿や配信を行う人たちのことで、最近では多くの企業、または個人が活動しており、今では数万、数十万人と増えており、VTuber一筋で生活していける人などほんの一握りなのだ。


そんな中、VTuber界で覇権を握る企業が一つあった。その名もVmove's(ブイムーブズ)という会社だ。


この会社はVTuberという概念を最初に作ったと言われており、そこに所属するVTuberもVTuber界隈だけでなく世間大衆にも知られるほどの超有名なVTuberが多く所属していた。


そしてこの物語の主人公もまたそんな企業で活躍する人気のVTuberの一人であった。




深夜1時、とあるアパートの暗い部屋の中、1つの人影が椅子に座ってテーブルの上に置かれたパソコンを何やらカチカチと操作していた。


長い銀髪にすらっと高い身長、薄らと青い瞳でクールで可愛らしい顔立ち。そして化学の先生やお医者さんが着ているような白衣を見に纏って立っているのがこの私・・・


・・・ではなく俺のVTuberのアバターである明野来海(あかりやくるみ)だ。Vmove's所属のVTuberである俺は、世界中で使われている動画投稿サイトであるYtube(ワイチューブ)においてアカウント設立からわずか2ヶ月でチャンネル登録者数100万人を超え、今では登録者数250万人越えの大人気VTuberである。


だが、さっきから"俺"と言っていることからわかるように、可愛い女キャクターの中身はこの俺、野治燈哉(やじとうや)という身長が少し高いだけの細身の男である。


色々訳あってこの会社でVTuberとして働くことになったのだが、その理由の1つとして俺は声真似で女の人らしい声を出すことができる。


俺が普段話すときの声とは全くの別もので、これのおかげで変声器などを使わずに1人の可愛い女VTuberをすることができているのだ。


そんな俺には会社から言い渡された絶対に破ってはならないルールが1つだけある。


それは''俺が男ということは絶対にバレてはいけない"というものだ。


それはなぜかというと、俺以外のVmove's所属のVTuberは全員が女の人だからだ。


大人気のVTuberの女の人たちが沢山いる中、その裏に1人男がいると知れたらはどうなる?

答えは簡単、色んなVmove's所属のVTuberのファンの人たちに嫉妬され、批判されてしまう可能性が高いからだ。


ましてやVTuberの誰かと恋愛をしてしまい、それがバレたとなれば、殺されたっておかしくない。


もちろんそれで俺が辞めることになるだけなら問題ないのだが、「何故男が女と偽ってやっていたことを会社は認めたのか」など、会社にも大きな迷惑をかけることが多いに想像がつく。


それだけは絶対に避けなければならない。だから俺はこうして今日まで、そしてこれからも女だと偽ってVTuberを続けていくのだ。


カチカチッという音と共に人影は何か作業を終えたのか、椅子の背もたれに体重をかけ、両腕を大きく上に上げ、伸びをした。


「よっしゃ、これで1週間分のサムネ※が完成したー」


※サムネイルの事。広告や誌面のイメージを視覚したもののことを言う。ここでは配信や動画を上げるときに使う見出しのこと。


男の小さな声が静かな部屋に響き渡ったその後、人影は椅子を離れるとそのまま部屋内にあった布団の中へとすぐ入っていった。


明日もまた、絶対に男だとバレずに頑張ろう。この仕事を続けていくために。


燈哉は布団の中でそう意気込むと、そのまま直ぐに寝てしまった。



そう、これは必死に女のフリをする絶対に恋愛の出来ない男と他のVTuberたちの人生の物語である。

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