前へ目次 次へ 27/31 愛恋好心という文字を使わずに恋をしている事を表現してみる 新学期の憂鬱を少しでも拭いたくて、僕は母校の中学の隣にある公園の桜を見に行った。 君と過ごした校舎を眺めたら、胸が軋む。 もう僕らは同じ学校の制服じゃない。 「あ」 僕は桜を見に来たはずだったのに。 「わあ、偶然!」 真新しい制服の裾から伸びる白い美脚。 春の陽射しを思わせる無邪気な笑顔。 「そっちの高校はどう?」 と、僕に気付いて駆け寄る君しか視界に入らない。 「君がいないから、寂しい」 気付けば僕はそう言っていた。