前へ目次 次へ PR 26/31 手紙 孫の服代くらい出させてくれと遠方に住む母から電話があった。 届いた手紙を開いてみれば、中には紙幣が二枚。確か 「夏目三枚送るから」 と言っていたはずなのに。 心の中で零しながら、添えられた手紙を読んだ。 自分のことに精一杯で、娘時代の貴女に何もしてやれませんでした。 孫にはまだほかにも差し伸べる手があるけれど、貴女に差し出す手はこのひとつ。 自分の服も買いなさい。 紙幣を取り出してみれば、諭吉が二枚に化けていた。