第四章イボイノシシとの死闘
翌日、裕太は、またいつものようにサバンナの大地を歩きながら獲物を探していた。
今日のサバンナは、とても暑い…。
辺りに草食獣は、一頭もいない。
シマウマやヌーの群れもいつのまにかいなくなっていた。
インパラやトムソンガゼルもいない。
ここで飢えてしまうのか…。
裕太は、そう思うと、背筋が震えてしまった。
しかし、喉が渇いたな…。
裕太は、太陽の照り付ける暑い日差しの影響で喉が激しく渇いていた。
裕太は、慌てて水場を探した。
すると、少し離れた所に大きな池が見つけた。
裕太は、慌てて池へと向かった
すると、池の付近でイボイノシシが水を飲んでいた。
イボイノシシは、老齢のオスだった。
やった…。倒せる…。
裕太は、嬉しそうに呟いた。
しかし、イボイノシシは、大きな牙を持っている。
もし、その牙が刺されば、危ないと思った。
しかし、スピードもなく、仕留められる。
裕太は、イボイノシシに近付いた。
イボイノシシは、裕太に気が付くと、慌てて逃げて行った。
しかし、老齢個体なので逃げ足も遅く直ぐに捕まえる事が出来た。
裕太は、イボイノシシの尻付近を噛んで肉球の爪を突き立てた。
しかし、イボイノシシの皮膚は、硬く牙が貫かない。
“ブビィィィィ!”
イボイノシシが鳴き声を上げて激しく左右に揺さぶった。
ウワァァァァ!
裕太は、心の中で叫び声を上げた。
裕太は、イボイノシシに振り回されて地面に投げ倒されてしまった。
イボイノシシは、遅い足取りで逃げて行った。
しかし、それでも裕太は、生きる為にイボイノシシを追いかけた。
イボイノシシの尻付近を噛み付いて捕まえた。
しかし、イボイノシシは、激しく揺さぶった。
そして、裕太を振り倒すと、牙を向けて突進して来た。
裕太は、慌てて避けて、イボイノシシの首元に噛み付いた。
イボイノシシは、悲鳴のような鳴き声を上げた。
イボイノシシの荒い呼吸音が聞こえてきた。
裕太は、イボイノシシを地面に寝かせて息の根を止めようとした。
しかし、イボイノシシは、大きな体を揺さぶって起き上がろうとした。
裕太は、必死に噛み付いて、息の根を止めようとする。
しかし、イボイノシシは、激しく首を左右に動かした。
そして、起き上がって、激しく体を揺さぶった。
裕太は、地面に叩きつけられた。
そして、イボイノシシは、牙を向けて裕太の肩付近を突き刺した。
ぎゃー!
裕太は、心の中で叫び声を上げた。
肩から血が吹き出た。
牙が皮膚を貫通して、肩の筋肉まで到達した。
裕太は、慌ててイボイノシシから離れて、逃げて行った。
イボイノシシは、裕太が逃げて行くと、追いかける事は、せず静かに立ち去った。
裕太は、肩に激しい痛みを覚えながらも必死で逃げて行った。
逃げていると、洞穴を見つけた。
中に入った。
中に入って、慌てて横になった。
肩からまで血が少し出ていた。
鋭い痛みを必死で押さえながら我慢していた。
ちくしょう!ちくしょう!何やっている俺は!何で捕まえられなかった!ちくしょう!
裕太は、悔しそうに自分を責めるように呟いていた。
裕太は、ふと思った。
あの時両親の言う事ちゃんと聞いていれば、こんな事にはならなかった…。ちくしょう…。
ちくしょう…。仕事していれば良かった…。 それなら今頃交通事故で死ぬ事もなかった…。
もう一度人生をやり直せるなら、次は、絶対に働く。どんな仕事でも良い。アルバイトでも良い。働いて金が貰えるなら。普通の食事が出来るなら何でも良い…。何でも食えるなら何でも良い…。
動物の生肉何て食べたくない…。
普通のご飯が食べたい…。
白ご飯…。そうだ…。
カレーライスが食べたい…。
そう言えば、小学生の時に行った動物園のカレーライスが食べたい…。
あのカレーライス最高に美味かったな。
御袋と親父と一緒に食べたよな…。
あの時の親父と御袋も幸せそうだったな。
それが引きこもりの中年ニートになってしまって…。親父も御袋も困るわな…。
普通に考えたらそうかも…。
親孝行出来ず仕舞いだったな…。ちくしょう…。後悔が残るぜ…。
親に謝りたかったな。
今まで偉そうにしてしまってよ…。
くそ…。親父、御袋、今まで心配してくれたのに…こんなわがままな出来の悪い息子に育ってしまってごめん…。
しかも親より先に死んでしまってよ…。
親不孝者だぜ…。
チータとしてこれから生きられるだろうか…。
ふと裕太は、心配そうに思った。
イボイノシシの牙で刺された肩の部分が鈍痛なようにまだ痛んでいた。
裕太は、ぐっと痛みを堪えて、目を閉じて寝た。




