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第七話

「き、ない、わたしの、、、ちか、、どうして、どうしてどうしてどうしてどうして、運命なのに、、運命なのに運命運命運命運命運命私だけの私の私の、ソフィア様は私が見つけた私だけの女神様でしょ?!?!!!」


え、怖い。こんなんもう乙ゲーやなくてホラゲやろ。ほんまやばすぎるってちょっと呼ばんかっただけで人間こんなに取り乱すことないて普通は、急に目を見ろ!!!って言われて大丈夫かな?って思ってたけど全然大丈夫じゃなかった。こんな時どうするのが正解なんだろ。深呼吸か?


「アネット落ち着いてください。深呼吸してみてください落ち着きますよほらいーちにーさーんし」


アネットは頭をかき乱して相当混乱しているみたいで、声が届いていない。

運命ってなんだろう、女神とは。このまま一緒に自殺して一緒になりましょうとか言われたらどうしよう死にたくないなあ。

うーん、、、ソフィアは頭をぐるぐるまわしてどうしたらいいか考えていた。


き、ないってなんだろ、できないかなじゃあちかは、ちからかな。

それより目を見てっていうのが気になる。

しかもあの目の色なんか見覚えがあるんだよなどこで見たんだったかもうここまで来てるはずなんだよここまで。思い出しそうで思い出せない。


「お嬢様は私を捨てませんよね。そうですよね。ねえ!!」



アネットが急に顔をがばっとあげてこっちを向いて、呼びかけてきたので目を見つめたソフィアはその時、思い出した。

この見覚えのあるカラーリングとこの国では滅多にいないグラデーション、なんで思いつかなかったんだろう推しの瞳とそっくりじゃないか。ひとつ思考が繋がるとこれまで悩んでいたのが嘘のようにするすると事情が理解できた。


まず、あの瞳はアルデュイ家に見られる特徴だ。セシルは魔法を使えるという設定があったが、正確には魔法ではなく洗脳のようなものだ。アルデュイ家はたまに人の感情を目を見ることで読み取れる者が生まれることがある。確率は一代に一人いるかぐらいで、セシルはそれだ。

そしてその感情を読み取る力を持つものはその読み取った感情を助長させ、対象の持つ感情が好意的な感情だった場合は意のままに対象を操ることができるというものだったと思う。

逆に好意的な感情じゃない場合は意のままに操ることなどできない。

あともうひとつ、人の奥底に眠る記憶を呼び覚ますことができるらしい。らしいとはセシルがヒロインに能力の説明をしている時に歴代でも数人しかできた人が居ないと言っていたからだ。


もしかしてアネットはアルデュイ家の婚外子なんじゃないだろうか、そしたら全ての辻褄が合う気がする。おそらくだがアネットはその能力を無意識か意識してかはわからないが使い、ソフィアを洗脳して閉じ込めていたんじゃないだろうか。うーん私も感情を読み取るというか頭の中を覗ける力が欲しいな。まあそんなことはいまかんがえるべきではない、今はアネットの精神を安定させなければ。数々のヤンデレを攻略してきたこのソフィア様には死角はない、、はずだ。


「アネット聞いて!あのね私アネットのこと大好きだよ!!」


正直とち狂っていたとしか思えないが、ソフィアはアネットの震えている両手をがっちり掴んで叫んだ。

アネットは、口と目を開いたままこちらを5秒ぐらい見つめていたが、ソフィアの手を強く握り返して言った。


「でも、」


「私はね特別なのだからアネットの力が効かなくて当然なの。知ってるでしょ」


「なんで力のこと知って、、」


「私は貴方の神なんだから知ってて当たり前でしょ、他にも隠していることがあるなら一つ残らず話してごらんなさい。全部このソフィア様が受け止めてあげるわ」


アネットは言葉を聞くとポロポロと涙を流しながら、話し始めた。


「実は、あの日記も奥様方がお嬢様を嫌っているというのは全部私がついた嘘なんです。あとお嬢様の前世の記憶を蘇らせたのも私です。すみません」


アネットが話し出した内容をまとめるとアネットが14の時、ソフィアと運命的な出会いを果たし、当時孤児だったアネットは運命的にスペンサー家のメイドの推薦をゲットし、能力を駆使してソフィアの専属メイドまで上り詰めたそうだ。アネットははじめ、ソフィアの一番近くにいる自分に満足していたらしいが、交友関係の広いソフィアはアネットをあまり必要とはしておらずアネットはどんどん不満を募らせていてついに能力を使いソフィアの行動を操り、孤立させてこの二年間過ごしてきたとのこと。

アネットは幸せだったが、能力を使い続けたことによりソフィアには耐性が知らず知らずのうちについていてある日洗脳が解けた。


洗脳から解けたソフィアはアネットを問い詰め、洗脳されていたとはいえ酷い自分の行動を悔いて正気を失ってしまい、人形のように静かに眠り続けるだけになってしまった。

アネットはこのままじゃまずいと思いスペンサー家の書庫を片っ端から探してある方法を見つけた。それは過去のアルデュイ家の当主が正気を失った人の幸せだった頃の記憶を蘇らせ、正気を戻したという記載だ。

ただし、その人は今の記憶を失っていて変なことを言っていたらしいここはどこだとか今世こそとか前世など。

アネットはこれだ!!と思いすぐ行動に移した、あの古そうな日記やソフィアが起きた時の説明を準備したわけである。

そしてアネットは前世を呼び起こした。

一度洗脳で失敗していたアネットは能力を使わないことを決めてなるべくソフィアの意思に従うようにしたらしいが、ソフィアに帰宅後すぐ呼ばれなかったことで感情が爆発して洗脳をしようとしたみたいだが能力が使えないことが判明。今に至る。


正直こいつの思想は頭がおかしいと思う。がしかし受け入れると言った手前離れづらい。とりあえず今日はもう寝させてもらおう。


「アネット、貴方のやったことは最低なことよでも許してあげます。これからは絶対にそんなことしないでくださいね。さあ私はもう寝たいのでドレスを脱ぐのを手伝ってください」


「お嬢様、、!!ありがとうございます!お手伝いさせていただきます」


アネットは涙をポロポロ流しながら言った。

デビュタントより濃い時間だったなとソフィアは思いながらドレスを脱がせてもらい。顔を拭いてすぐに眠った。


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