表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/58

19話 神殿1

評価、ブックマーク有難うございます。

とてもうれしく思っております。

引き続き楽しんでもらえればと思います。

神殿にやって来た。


昼食をたらふく食べてしまったため、小さな丘を登る程度なのに、いつもより足取りが重い。

ここまで、それなりに登ってきたのもあるが、この程度の運動でも息が上がってしまう。


神殿は、近くで見ると印象は変るもので、遠目で見たときよりかは神聖さを感じる。

神殿と呼ばれるだけあって、ここらの建物の中では一番大きい。


ティアは、とても感動しているようで、「うわぁあ。凄くおっきいねぇ」と感嘆の声を上げている。

ヘリオス兄に限っては、自分の感情をどのように表現して良いのか分からないのか、ずっと黙って神殿を眺めている。表情から察する限り、感動はしている様に見える。


立派な建物に入るのって、すこしばかり勇気がいる。

俺なんかが、こんな立派な場所に入って良いのか、とても不安になる。

そんな感じで、入り口の前でまごまごしていると、神殿の中から一人の女性が現れた。

とても清潔感を感じる女性だ。

神殿に勤めるだけあって、身なりには気をつけているんだろう。


「あなた達、何をしているの?」

「えっと、精霊の加護というものを受けに来たのですが」

「分かりました。では、そちらにお掛けになってお待ち下さい」


女性が示した先に、長椅子があった。

俺達は言われるがまま、椅子に座って待つ事にした。

隣ではヘリオス兄とティアが「何をするんだろうか」とか、「緊張するけど楽しみだねー」など話している。

俺はそんな雑談を聞きながら、さりげなくケット・シーの頭を撫で、無言で待っている。

しばらく待っていると、先程の女性に声を掛けられた。


「お待たせしました。こちらへどうぞ」


俺達は言われるがまま、女性の後について行く。

すると、一つの部屋に案内された。

案内役の女性は「こちらでお待ち下さい」と言った後、部屋を出ていった。


案内された部屋には、ひとつ高い所に祭壇があり、その周りを不思議な文様が囲っている。

泉と表現すればよいのだろうか、その中心に水晶のような物が置かれており、その辺りから流れ出す水が、文様と祭壇を囲うように、さらさらと水が流れている。


意識せずとも肌で分かる。

魔力が他の場所よりも濃い。

ただ、普段の感じる魔力とは感触が違い、重くねとっと纏わりつく感覚がする。

それが渦を巻き、風の様に撫でてくるから、余計気持ちが悪い。

けれど、視覚だけで判断するならば、うっすらと白銀の靄がかかっていて、とても幻想的な空間だ。


「うわぁーキレイ」

「本当だな」

「へえ、こんな魔力もあるんだ」


二人は、不思議そうにこちらを見ていた。

ティアはこちら見て首をかしげており、兄さんは「何を言っているんだ?」と、思っているような表情をしている。


「あなた。魔力が見えるのかしら?」


後ろから女の人の声がした。


「え?」


急な問いかけに驚いて、後ろを振り向いた。


「あなたは、魔力が見えるのかしら?」


そこにはボブヘアーの女の子が居た。

毛の色は茶色なのだが、光の当たり具合ではきらきらと輝いている。

銀色なのかなと錯覚してしまうほど。

少し眠そうな印象を受ける瞳も、銀に近い水色。

肌の色が白い、可愛らしい女の子が立っていた。

可愛らしい女の子と言ってもティアと同い年くらいだろうか。


「聞こえているのかしら?」

「え、あぁ、聞こえていますよ」


彼女の幻想的な雰囲気に呑まれ、魅入っていたが、ふと我に返った。


「魔力が見えているの?」

「うぇ? ああ、そんな気がしただけで。あれ、目が霞むなあ」


目をごしごしと擦り、「あれ? なんだろう?」とすっとぼけてみる。

誤魔化せれば良いのだが。


「まぁいいわ。さっそくだけど始めようかしら。あなた達、精霊の加護って分かる?」


そんなの知らない。

だって「受けたほうが良いよ」と言われただけなのだから。

兄さんとティアも、頭に?マークが浮かんでいるような表情をしている。


「分かりません。神殿に行くと言いよって言われただけで」

「ふーん。じゃあ一通り説明してあげるわ。そこに座って頂戴」


案内された、丸いテーブルと椅子が設置してある場所に座る。


「個人差があるけど、人はみんな魔力を持っているわ。

魔術には属性が存在することも知っているわよね。属性は火、水、冷、風、雷、地」


その程度なら知っている。


「人が持つ魔力にも、属性があるの。その人がどの属性を持つかは、生まれ持った魔力の質だったり、環境によって決まるわ」

「魔力の属性によって、得意な魔術だったり特性があって――」

「そうね。例えば、その人が持っている魔力が火属性と親和性が高ければ、その人は火属性の魔力に適していて、火属性魔術を扱いやすい。得意という事になるわね」

「そして、火属性の特性は燃焼。魔力を運動エネルギーに昇華、燃焼して運動能力を上げる事を得意とするわ。そして他の属性だけど……」


一通り説明されたが、要約するとこんな感じだった。

火属性 特性:燃焼

 魔力を運動エネルギーに昇華、燃焼して運動能力を上げる事を得意とする。

 剣術士に向いている。


水属性 特性:浸透

 魔力を物質に流すことを得意とする。身体強化、身体活性、治癒を得意とする。

 回復術士に向いている。


冷属性 特性:凝縮

 魔力を凝縮させる事を得意とする。

 物体の強度を上げる事が出来る。

 物理攻撃力、防御力を上げる事を得意とする。

 騎士に向いている。


風属性 特性:放出

 魔力を放出に長けている。

 魔術の威力を上げたり、遠距離型の動きを得意とする。

 魔術士に向いている。


雷属性 特性:分解

 魔力が分解の性質を持っている。

 物質を破壊する事を得意とする。

 採取型職業に向いている。

 剣術士、魔術士としても適性あり。


地属性 特性:構築

 魔力を使って無機物を作ることが出来る。

 生産型職業に向いている。

 騎士、魔術士としても適性あり。


「特性はこんな感じね」


女の子は髪の毛をいじりながら、椅子へ深く座り、軽く深呼吸をした。


「この説明でわかったと思うけど、それぞれの属性には向き不向きがあるのよ。

かといって、火属性の剣術士が風属性の魔術が使えないってわけじゃないし、風属性の魔術士が、騎士になれないってわけでもないわ」

「魔術士として大成するには勉強に時間を掛けないといけないし、才能も必要ね。

それと、相応の訓練も必要だしね。

あ、騎士とかが楽という訳ではないわ、もちろん訓練が必要だしね。

ただ、魔術を習うためには、相応の施設と師と知識、それとお金が必要となるの。

だから気楽に学べるわけでもないし、環境を整えるのが難しいのよ。

そのせいなのか、比率的には、剣術士、騎士が大半って話らしいわ」


「才能と興味が一致するとは限らないし、皆平等に機会が与えられるわけでもないから、しょうが無い話ではあるんだけどね。そこら辺は工夫と努力で補うのね」


世知辛い話である。

才能があっても、開花できる環境や時代、運などが必要だったりする。

悲しいけれど、その上で落とし所を見つけて、自分なりに生きていくしか無いのだろうか。

世知辛い。


「とまぁ、魔力についてはこんな所ね」

「んで、魔力が不安定で属性が身体に定着しきっていない、今のままだと使えたものじゃないから、魔力と属性が身体に馴染みやすくするよう、私の力とこの部屋を使って上手い事するって話ね」

「そうすれば、自分の属性も分かって、目指す方向性を定めれられるってわけ」


女の子は、髪を両手でかき上げると、ふんっと息を吐き、やりきった表情をした。


「そんな所かしら。この魔力を身体に定着させる儀式を、精霊の加護と呼ぶのよ」


女の子は席を立って、何かを思い出したのかのようにこちらを見た。


「あ、そうそう。私は精霊の巫女やってる、リディエル・ラルエストって言うの。あなた達の名前を教えてちょうだい。」


俺達はそれぞれ、自分の自己紹介をする。

兄は元気よく、ティアは行儀よく。

二人と成長したんだな。


「あ、そうそう。皆が皆、属性持ちになれる訳では無いから、その時はドンマイって事で!」


え、マジで。


「さぁ。早速始めるわよ 一人ずつ祭壇へ上がってちょうだい!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ