第一話
少女は荒れ果てた大地で、難民キャンプの中
母親と一緒に洗濯ものをタライで手洗いで洗う
「母さん、新しい服を貰えて良かったわ」
「そうね、アイシャ」
「あ、ちやんとビジヤブ(頭衣)を被りなさい」
「風で脱げかけたの、ごめんなさい」
「父さんが死んで二年だね、母さん」
「銃で撃ち殺されて…私達は逃げるしかなかった」
母親の瞳には涙が浮かぶ
「ねえ、母さん、隣の国に申請、許可が降りて入国出来たら、学校に通いたいの、学校の先生になりたいわ」
何処か悲しそうな顔で娘のアイシャを見る母親
…今では、この国は女性の高等教育、就職は禁止されている。
◆ ◆ ◆
if…違う世界線
一軒の家で
「母さん!学校に行って来るね〜パシュトゥーンドレスのデザインの仕事、母さん、頑張ってねぇ〜」
「ああ、アイシャ!朝ご飯は?
チャイ・サブズ のお茶を入れたのに」
「今日は野球部の手伝いがあるから
ナン(パン)と飲み物を途中で食べるよ!」
「今日は父さんが王宮の警備の仕事から帰るから
今晩はご馳走よ、アイシャ」
「ハフト・メワも用意するからねアイシャ」
※7つのドライフルーツシロップ
「煮込み料理ショルバにカブリ・パロウもよ」
「随分と急いでいたわねアイシャ、ああ、洗濯機で洗濯ものを…」
「やあ。帰ったよ、昨日は王宮、夜勤で少し休むか
アイシャは出かけたか?」
「ええ、学校よ、貴方…アブデュルハミト」
「ふむ、預言者ムハンマドの最初の妻ハディシャは
裕福な賢い女商人、女性も勉学が必要だ」
「賢い母親は良い教師になるし、女性もハテイジヤのように素晴らしい仕事が出来る…
強く立派な戦士も育ててくれるし、国を富ませる者達、商人に学者、医者…全ての者達をも育てる」
「農業、織物などの作り手、腹を満たすご馳走
繁栄の証を刻む文化を生む者達…数千年の時を超える」
「賢い良い子供達は国を栄えさせる…王達が賢いので今の繁栄がある」
◇ ◇ ◇
ハフト・メワ
7つのドライフルーツシロップ
カブリ・パロウ
※サフランを使う黄金色の長粒米
長粒米の下には柔らかく煮込まれた大ぶりの羊肉
チャイ・サブズ
※緑茶でカルダモンの実をポッドに入れる




