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幼馴染に好かれる、なんてのは幻想です  作者: 卯佐美 佳
第二章 俺はどうあがいても目立ってしまうらしい
37/70

いつもと違う衣装にはそそられる

突然ですがキャラの身長目安です(特にストーリーに深くは関係しないです)

《男子》

晃 168

勝樹 186

健 180

平沢 167

相坂 170

柳澤 178

《女子》

仁美 158

成瀬 164

鈴井 163

荒川 160

天使 156

水無月 160

桐島 155

多分これで全員だよね?

午前の競技をすべて終え、今は昼の休憩時間。

「あれ?平沢と相坂は?」

「平沢は女子にアピール、相坂は平沢が暴走しないようにってついてった」

「平沢馬鹿すぎる…」

頭のネジが百本くらい飛んでる気がする。

「んー?あれ?また二人なの?」

仁美が声を掛けてくる。

「ああ、馬鹿な平沢のせいでな」

「へー、じゃあさ、私と」

「あーきらくん!灰田くん!一緒に食べよ!」

「ちょ、ほの、引っ張らないでって」

「ほのかさん、自分で歩けるから、他のとこ行かないから」

荒川に引っ張られる形で、三人が来た。

「別にいいぞ。二人だとこいつになにされるか分からんし」

「おいおい。俺にも自制心くらいあるぜ。こんな人目のつく所でやるもんか」

「人目のつかないとこならやるかもしれないのかよ…」

こいつの友人やめようかな…

そういえば、仁美は何を言おうとしたんだ?

「仁美、さっきなんて言ったんだ?」

「え?いや、別に。何でもない!」

「そうか。まあ勝樹のとこ行くなら早めの方がいいぞ。あいつ、友達多いからすぐ埋まっちまうからな」

「う、うん!そうだね!行ってくる!」

そう言って仁美は、走って行った。

「次の種目なんだっけ?」

唐突に健が聞いてくる。

「応援合戦だな。正直、めんどくさい」

午後最初の種目は、応援合戦だ。点数には直接影響しない種目のため、いまいち気が進まないが。

「あまり乗り気じゃないみたいだね」

「そりゃあ勝敗にはあまり関係のない種目だからな」

「でもね、晃くん。実は私達、応援合戦には並々ならぬ気合があるのです!」

「何でだよ。つーか私達?」

俺が聞き返すと、成瀬と鈴井が途端に目を逸らす。Why?

「そう!私達!楽しみにしててね!」

「そうまで言うならそうさせてもらおうかな」

何が起こるか分からないが、期待させてもらおう。

「そういえばさ、今得点とか順位とか、どうなってるの?」

成瀬が聞いてくる。

「私達は現在二位ね。一位は二年E組。それを僅差で追う形ね。ちなみに三位は一年D組よ」

「リレーの予選一位が綺麗に並ぶ形だな」

「つまりリレーで明暗が分かれると」

「そう考えていいでしょうね」

勝負は最終種目のリレーか。責任重大だな。

「皆なら大丈夫。絶対勝てるよ。だから頑張って。あたし、応援してるから」

成瀬が力強い言葉で言う。

「ああ!任せろ!」

「私は自分の力を出すだけ。でも、応援してくれると嬉しいわ」

「任せといて!絶対、一位取ってくるから!」

皆、それぞれ意気込みを語る。もちろん俺もその流れに乗る。

「安心しろ。俺が勝たせてやる」

自分に言い聞かせるように、俺はそう答えた。



昼休憩終了間際、まもなく応援合戦が始まるというのに、半数ほどしか女子がいない。

「なんでこんなに少ないんだ?」

「俺らと同じように、着替えてるんじゃないか?」

「だといいが…」

俺らは学ランに着替えている。健が応援するなら学ラン以外ありえないと、強く主張したからだ。ちなみに俺は、中学時代はブレザーだったため、たまたま二着持っていた相坂に借りた。健も二着持っていたのだが、デカすぎてブカブカだった。ほんと腹立つ。

「お、来たみたいだぞ」

平沢が女子達を見つけたようだ。

「お待たせ〜」

現れた女子たちは、皆、普段と違った服を着ていた。

「どう?晃くん。私達の衣装は」

「ほの、やっぱり恥ずかしい…」

成瀬は荒川の後ろに隠れているが、恐らく同じ服を着ているだろう。

青をベースに、中央に黄色い横のラインが入っていて、その上に『1-B』と斜めに大きく入っている。ノースリーブで肩は出ていて、丈が短く少し動いただけで腹が出てしまいそうだ。スコートは王道の白。かの有名な、チアリーディング衣装である。何というか…露出が多くて…エロいです…

「まあ、似合ってんじゃないか」

「またそれ。もっとなんかあるでしょ!」

「そう言われてもな…」

正直に言ったら殴られそうだし…

「ほら!めぐも隠れてないで!」

「え?いやっ!ちょっ!」

荒川に押され、成瀬が前に出てくる。荒川と同じ服のはずなのに、また違った印象だった。何というか…すげー可愛い…

「まあ…似合ってんじゃないか…」

「そ、そう…ありがと…」

「なーんか私の時と違くない?」

そんな事はない、はずだ…

「相変わらず貧相な語彙ね。もっと本を読んだら?」

後ろから声を掛けられる。

「ほっとけ。必要最低限でいいんだよ。それで生きていけるんだからな」

振り返りながら言うとそこには、黒髪をなびかせながら佇む美女がいた。

「あなたの場合、意思疎通すら困難なレベルだから、矯正した方がいいと思うのだけれど」

「……お前ってさ、喋らなきゃいいのにな」

「物凄く失礼な事を言われている気がするわ…」

普段のお前の俺に対しての言動よりはマシだ。

「白峰くん!!」

唐突に俺の名前が呼ばれる。

「どうかしたか?」

「えっと、仁美ちゃん知らない?」

「仁美がどうかしたのか?」

質問の意図がよく分からず、俺は女子に聞き返す。

彼女は俺の問いに対し、一呼吸おいて話し出す。


「仁美ちゃんが、帰ってこないの!!」


俺には、その言葉の意味が、直ぐには理解できなかった。

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