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13話

彼らは哀れで、そして俺は不幸にも幸運だ


「スキルを手に入れて強くなったのなら、

それでアンデットを倒して

また強くなればよかったのに...」


こっちを見ていなかった他は、

理解が追いつかず、こちらに視線を向けて固まる


「よかったな、相手が俺で...」


マジックバックから針を出し、

“砂中の針”を発動してステルス、

恐怖を感じるまでもなく、脳に針を刺し、

かき混ぜて殺す


「「「アア゛...ッ!」」」


今度は殺してそれがどんな感覚か考え止まったりはせず、

さっさと次を殺してやる


「マヌケ面で固まるなんて、生殺与奪の権を渡すようなもの、他のランカーたちだと、苦しい死だったはずだ...」


俺の動き自体が速く、ステルスだし、

聞き取れていないかもしれない

だからこれは俺自身にむけた言葉


「一週間足らずでお前たちに向かう情は少ない、

現実を受け入れるにも短い...」


自分を正当化するための言い訳


「残虐なことをするだろう、

死後も苦しむかもしれないだろう...」


俺に殺されてよかったと思うはずがない

彼らは死を望んでいない


「なにせ高レベルは変人が多い...」


俺が“現地人に失望しないため”に殺すのだ


「10秒もしないで、痛みを感じないで、

死を理解する間もなく死ねて、

俺に殺されて、よかったな...」


...

なぜ、

こうも俺は命を奪うことにためらいがないのか、


ふと、浮かんだ疑問は、

自分は答えを知っていることを自覚しながらも、

今度は“自身”に失望しないために押し殺される


肉は支えを失い、

液体は流れ、溢れ落ちる


飛沫が飛び、

そして動きを止めると、

死体から流れ出た体液が足元を濡らす


絶命は一瞬、しかし、

スキルを使用した毒針はランダムな効果を発揮し、

筋肉や骨が溶けたり、

血管という血管から血が吹き出たり、

刺された場所は頭蓋だと言うのに、

その死体らはむしろ、

小さな穴ひとつ空いただけのそここそが最も状態がいい


逡巡の後、

俺は辺りを見回した


仲間を、同郷を、

その表情と態度を確かめるのだ


...

やはり、

と、言っていいのか、

若干の理性により、まとまり、

下手に逃げ出すことをしなかった彼らだが、

支えていた手を放し、

自らのことだけを考え、

そして、散り散りに逃げていく...


腰を抜かしたものは這うように、

立ち続けることが出来たものは転びかけながら、

“俺”から逃げ始めていた


そうだろう、

自然なことだ


次いで仲間の方へ目を見遣る

ディマルクは...安堵?

シャーフィカは疑問、

マークは喜色を浮かべていた


...

どういうことだろう?


彼らのその表情の理由、

それが見当もつかない


価値観の違いから、殺すことに理解、納得、

それらの表情を浮かべる可能性と、

そうでなければいいと思っていたが、

恐怖、畏怖などの

否定的な感情を示す可能性を考えていた...。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜


その後、

マークたちのおかけで、逃げる同郷たちを集めて

事情を説明した


俺が地球人で、プレイヤーのままであること、

スキルのこと、

これからアンデットを倒しながら進んでいくこと

徒歩だと時間がかかるかも知れないが、

俺たちが来た方向に、

地球人を受け入れてくれる街があること等々...


命乞いや、発狂して襲いかかってくる人、

泣いていて話を聞かない人たちに何とか伝えたのち、

俺たちは離れようとする


だが、

同郷の強者、さっき助けてくれた存在、

それは当たり前に街まで送ってくると思って、

いや、

そうであってほしい、心細い、

不安、現地人が怖い...

表情から読み取れるそれらの感情によっての言葉

救いを求める声...





...気持ち悪い

殺してしまおうか...?


殺気は出なかった

ムカついたとかではない、生理的に無理


まるで人間に見えない、

耐え難い...視界が歪む...

その嫌悪感が表に滲み出るより前に、

間に入り、

醜く、大きく開いた口を閉じさせる人がいた

マークだ


「黙れ!感謝しろ、

だが、求めるなら態度と利害が必要だ!

リーダーを決めろ、条件まとめて取引に持ち込め!

それができないなら喚くな」


...

確かに、

俺がマークを連れているのは検証のためと、

そして彼の態度を好意的に捉えたからだ


理由がなければ足手まといで、

足手まといでもその相手によっては連れるだろう


俺はマークをあっさりと連れていくことに前向きだったが、

そうでなかったら、説得するために考えていたのだろう


そして、彼らにそれを求めるのは排斥のためでは無く、

俺のためだ...

善意を当然の権利と受け取り、慣れれば恩を感じない

常に、誰にでも、善意を与えることはできず、

そしてそれは双方に良い結果をもたらさない


誰かが聞いた、

「ならば何を用意できるのか、捧げられるのか?

あなたは何を求めるのか?」


俺は答えた

「欲しいものはない、だが、ならばと、無償でする道理もない」


正確には違う、だが、それを彼らが用意することは不可能、

つまり、これも間違ってはいない


彼らは諦めて自らの足で歩むか、

それとも、考え、取引の材料を見つけ出し、説得するしかない


...俺の経験が浅いせいか、

思慮が浅いせいか、

面倒で、そしてスマートに事態が収集出来ない...

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